EXCEL女子の社員インタビュー|バックオフィス人材の実務支援事例

生成AI活用資料の標準化で属人化を解消|コクーの常駐支援

作成者: Admin|Jul 3, 2026 4:19:48 AM

「毎回ゼロから考える」資料作成をなくす。
生成AIの活用事例を整理し、誰でも提案しやすい仕組みへ 

生成AIサービスを提供するIT企業では、カスタマーサクセスを担う各担当者が、顧客向けの提案資料や講習会資料を個別に作成していました。
顧客によって業界や利用目的が異なるため、柔軟な対応が求められる一方、提案内容や説明品質にばらつきが生じ、資料を毎回ゼロから検討する負担も大きくなっていました。

本プロジェクトを担当したコクー社員は、既存資料の確認や現状ヒアリングに加え、自ら生成AIサービスを利用。
初心者が迷いやすいポイントを利用者の目線で洗い出し、120件以上の対応実績から業界別の活用事例を整理しました。

さらに、講習会資料や提案資料をテーマごとのモジュールとして再構成し、共通部分を再利用しながら顧客ごとの要望にも対応できる運用を整備。
この記事では、資料作成の属人化を解消し、生成AIの活用促進を支えた取り組みと、その過程で大切にした考え方をご紹介します。

 

項目 内容
業界 IT業
支援期間  6〜12カ月 
仕様ツール  Excel関数、Power Query、VBA、Power Automate、Office Scripts、GAS、SharePoint 
担当範囲  現状ヒアリング、要件整理、既存資料の確認、環境整備、標準化、ドキュメント整備、改善提案 
支援形態 常駐支援

 

 

 

お客様はどのような課題を抱えていましたか?

 

担当者ごとに資料を作成し、提案内容にばらつきがあった

お客様のカスタマーサクセス部門では、顧客向けの提案資料や講習会資料を、それぞれの担当者が個別に作成していました。

顧客の業界や生成AIを利用する目的が異なるため、一定のカスタマイズは必要です。
一方で、資料の構成や説明する内容、情報の粒度が担当者の経験や知識に左右されやすく、提案内容や説明品質に差が生じていました。

新たな提案や講習会を実施する際には、過去に似た対応があっても活用できる資料を探しにくく、
毎回ゼロから内容を検討しなければならない場面もありました。

 

業界ごとの活用事例が体系化されていなかった

生成AIは幅広い業務に活用できる反面、「自社のどの業務で使えるのか」を具体的にイメージしにくいツールでもあります。

お客様には多数の支援実績や活用事例が蓄積されていましたが、業界や用途ごとに整理された状態ではありませんでした。
そのため、顧客へ活用方法を説明する際には、担当者が個別に事例を探し、提案内容に合わせて編集する必要がありました。

知見そのものは社内に存在していても、必要なときに取り出して使える形になっていないことが、提案準備の負担につながっていました。

 

初心者が安心して利用するための情報が不足していた

生成AIを初めて利用する人にとっては、操作方法だけでなく、入力内容の考え方や活用できる場面、利用時の注意点など、さまざまな疑問が生じます。

しかし、サービスを提供する側が機能を熟知しているほど、初心者がどこで迷うのかを見落としてしまう場合があります。利用者が事前に講習会の内容をイメージし、安心してサービスを使い始められるようにするためには、利用者の習熟度を踏まえたマニュアルやガイドの整備が必要でした。

 

課題解決のために、どのようなことを意識しましたか?

 

自らサービスを利用し、初心者が迷うポイントを確認する

支援担当者が最初に重視したのは、既存資料の表現を整えるだけでなく、実際にサービスを利用して理解することでした。

生成AIに慣れている人にとって分かりやすい説明が、初めて利用する人にも分かりやすいとは限りません。
そこで、生成AI初心者の視点を持ちながら操作し、つまずきやすい箇所や意味を捉えにくい表現を一つずつ洗い出しました。

機能を説明するだけではなく、「利用者が次に何をすればよいか」「どのような場面で使えるのか」が自然に理解できる構成を意識し、LP掲載用のユーザーマニュアルやガイド記事へ反映しました。

 

120件以上の対応実績を、再利用できる事例へ整理する

プロジェクトでは、累計120件以上の依頼に対応しました。
その過程で得られた知見を個別案件の中だけにとどめず、業界を横断して活用できる形に整理したことも、大きなポイントです。

顧客名や個別事情に依存する部分を切り分けながら、他の企業でも参考にしやすいテーマや活用方法を抽出。
業界ごとの活用事例集を10件以上作成しました。

単に過去資料をまとめるのではなく、今後の提案で使いやすいか、顧客が自社での利用場面を想像できるかという観点で内容を整えています。
依頼された資料を完成させるだけでなく、次の提案にも活用できる資産として残すことを大切にしました。

 

共通部分と個別部分を分け、資料をモジュール化する

顧客ごとに業界や利用目的が異なるため、すべての資料を完全に統一すると、個別の要望へ対応しにくくなります。

そこで支援担当者は、講習会資料や提案資料をテーマごとのスライドセットに分け、共通部分を再利用しながら、必要な箇所だけをカスタマイズできる仕組みを構築しました。

用途別のスライドセットはSharePointで展開し、講習内容や提案テーマに応じて必要な資料を選べる状態にしています。
新規資料を作成する際にも、既存のモジュールを組み合わせて利用する運用とし、担当者による品質差が生じにくい形を目指しました。

統一すること自体を目的にするのではなく、顧客ごとの提案に必要な柔軟性を残したことが、実際の業務で使い続けられる仕組みにつながっています。

 

資料作成後の運用まで見据えて整備する

資料は、一度作成すれば終わりではありません。生成AIサービスの活用方法や顧客のニーズが変化すれば、内容の追加や更新も必要になります。

そのため、特定の担当者しか修正できない構成にはせず、既存資料を探しやすく、必要な部分を組み合わせやすい状態を意識しました。

また、月次レポートの作成についても、データ整形や集計の流れを見直し、Excel関数やPower Queryなどを活用。
資料の内容だけでなく、継続的に作成・更新する業務そのものも整理しました。

 

印象に残っているエピソードを教えてください


印象的だったのは、講習会資料を整理したことで、担当者が顧客へ講習内容を説明しやすくなったことです。

支援前は、顧客ごとに資料を個別作成していたため、講習会で扱うテーマや内容を事前に共有する際にも、
担当者がそれぞれ説明を組み立てる必要がありました。

テーマごとのスライドセットを整備したことで、「どのような内容を、どの順番で伝えるのか」が見えやすくなり、
顧客も講習会の具体的なイメージを持ちやすくなりました。

お客様からは、講習内容を事前に想像しやすくなり、提案時の説明もしやすくなったとの評価が寄せられました。

資料を作ることだけでなく、その資料を使う担当者と説明を受ける顧客の双方が迷いにくい状態をつくれたことは、
支援担当者にとっても手応えを感じる出来事となりました。

 

支援を通してどのような成果がありましたか?

 

講習会資料や提案資料をモジュール化し、既存資料を再利用できるようにしたことで、資料作成時間は約50%削減されました。

これまで毎回ゼロから検討していた作業が減り、担当者は顧客の業界や利用目的に合わせた調整へ時間を使いやすくなっています。

また、累計120件以上の依頼への対応を通じて、業界別の活用事例集を10件以上作成。
LP掲載用のユーザーマニュアルやガイド記事についても、12件を検証・作成し、公開しました。

月次レポート作成業務では、作業時間を2時間から1時間へ短縮。資料や事例が見える形で共有されたことで、
関係者間の認識もそろいやすくなり、特定の担当者の経験だけに依存しない運用の土台が整いました。

 

 

この経験から学んだこと

今回の支援を通じて、生成AIはツールを導入するだけでは、現場での活用が自然に広がるわけではないことを改めて実感しました。

利用者にとって重要なのは、機能の多さではなく、「自分の業務でどのように使えるのか」を具体的に理解できることです。
そのためには、業界や業務に近い活用事例と、初心者が迷わず操作できるマニュアルの両方が欠かせません。

また、資料の標準化では、すべてを同じ形にそろえるのではなく、共通化できる部分と個別対応が必要な部分を見極めることも重要です。

実際に資料を使う担当者の業務と、説明を受ける顧客の理解度を想像しながら仕組みを整えることが、生成AIの定着と活用促進につながると学びました。

 

今後チャレンジしたいこと

今後も、生成AIを含むさまざまなツールについて、導入後に現場で使い続けられる環境づくりを支援していきます。

特に、個々の対応で得られた知見を整理し、マニュアルや活用事例、運用ルールとして組織に残すことで、
担当者が変わっても改善を続けられる仕組みづくりに取り組みたいと考えています。

資料作成やデータ整理といった目の前の業務だけでなく、その先にある提案品質の向上やサービス活用の定着まで見据え、現場の状況に合った方法を考えていきます。

 

 生成AI活用支援の属人化を防ぐ「資料標準化」の流れ 

Before 支援内容 After
担当者ごとに資料を個別作成 既存資料・対応実績を整理 誰でも使える資料セットに
業界別の事例が未整理 120件以上の実績から事例を体系化 業界別活用事例集を10件以上作成
講習会準備に時間がかかる スライドをテーマ別にモジュール化 資料作成時間を約50%削減
初心者向け説明が不足 マニュアル・ガイド記事を整備 安心して利用開始できる環境へ

現場に寄り添う業務改善なら、コクーへご相談ください

コクー株式会社では、業務改善やDX推進に関するさまざまな支援を行っています。

特定のツールを導入することから始めるのではなく、まずは現場の業務内容や困りごとを確認し、
課題整理、業務可視化、要件整理、設計、構築、運用定着まで、必要な範囲を一緒に整理します。

Excel、VBA、RPA、Power Platform、BI、kintone、CELF、AIなど、幅広い技術やツールに対応しながら、
お客様の業務や利用者の習熟度に合った方法をご提案します。

業務が特定の担当者に集中している、資料の作り方が統一されていない、生成AIを導入したものの活用方法が定まっていないといった段階でもご相談いただけます。現場で無理なく使い続けられる仕組みを、一緒に考えていきます。