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Excel(エクセル)関数の読み方を解説!社内の引き継ぎの悩みやトラブルを解決

作成者: admin_dg|Aug 18, 2022 12:00:00 AM

Excel(エクセル)の関数は、日常業務の簡素化や、自動計算によって業務に必要な数字を把握するために非常に便利です。
しかし、人事異動や離退職によってExcelを作成した担当者が居なくなってしまったときには、社内の引継ぎが上手くいかず、混乱が生じてしまうという事例が数多くあります。

前任の担当者が作成した関数の読み解き方について、悩みやトラブルの解決のための方法をまとめてご紹介いたします。

監修:みずき さん
EXCEL女子の研修講師をしています。Excel研修では「覚える」だけではなく「理解する」ことで、自身の力としてExcelスキルを身につけられる研修を実施しています。研修をするたびにExcelが大好きになり、Excelってすごい!と実感しています。Excelの他には写真が好きで食べ物や風景を撮影しています!

関数のあるExcel(エクセル)を引き継ぐときの問題点

前任者からの業務の引継ぎは、さまざまな悩みやトラブルが生じるものです。
関数が数多く設定されたExcelについても引継ぎが難しいもののひとつです。
業務上のデータを関数で処理することによって、自動的に計算結果を表示できることは便利なのですが、社内で使用するルールを設定していることは稀です。
このため、担当者が自由に設定したExcel関数は、他の人にとっては解読が難しくなってしまいがちです。

また、前任者がExcel関数に慣れている上級者だった場合や、逆に初心者が場当たり的に関数を設定している場合には、引継ぎが非常に困難になってしまいます。

他人の設定した関数を読み解く前に確認すべきポイント

前任者などの他人が作成したExcelで関数が設定されている場合には、ひとつずつ丁寧にシートの内容を確認して、関数を読み解いていかなければなりません。

何を管理しているExcel(エクセル)なのか?

業務に必要なExcelシートであっても、どのような目的で作成されて、何を管理しているのかを把握しなければ、内容を読み解くことが難しいです。
同じデータを元に、売り上げ管理や仕入れ管理、利益率の管理などのさまざまな管理が行われることがありますので、シートの目的を確認しましょう。

どれくらいのボリュームのExcel(エクセル)なのか?

ご存じの通りExcelには、シートがありますので、ひと目見ただけでは全体のボリュームが分からず、内容を読み解くのが難しいケースがあります。
特に、複数のシートを参照して作成されているExcelや、膨大なデータを集計しているシートでは、複雑な関数が組まれている可能性がありますので注意してください。

自動計算(数式)が有効になっているか?

日常の業務に頻繁に使用されているシートであっても、一部の式が機能していなかったり、集計結果に反映されていなかったりすることがあります。
式に利用されていることを把握せずにデータを移動させてしまい、式が有効になっていないケースも数多くありますので、まずは全体的にシートを確認しましょう。

また、関数や数式は消すことなく、無効になっているものでもコピーして保存するようにしてください。

関数以外の機能が有効になっていないか?

Excelには関数以外にも多くの機能が備わっていますので、関数だけに注目していると思わぬ落とし穴にハマってしまうことがあります。
特に「条件付き書式」については、数式を使用していることもあるため、他人が作成したExcelシートを読み解く際には混乱してしまいますので、要注意です。

関数付きExcel(エクセル)シートを引き継ぐための解決方法

前任者などが作成した関数があるExcelシートを引き継いで、スムーズに読み解いていくための解決方法として、役立つ機能や方法をご紹介します。

FORMULATEXT(フォーミュラ・テキスト)関数

FORMULATEXT(フォーミュラ・テキスト)関数は、セルに設定されている数式を表示してくれますので、シートを読み解くために非常に便利な関数です。

FORMULATEXT関数の基本構文は下記の通りです。

=FORMULATEXT(参照)

セルに設定されている数式を表示
  • 参照:入力されている数式の内容を調べたいセル

ひとつのセルの関数や数式を見るだけであれば、セルを選択し、数式バーで確認できますが、FORMULATEXT関数を使用することで複数のセルの数式をまとめてチェックできます。

FORMULATEXT関数を使用する手順と流れ

FORMULATEXT関数は、空白セルに「=FORMULATEXT()」を入力して、カッコ内に数式を表示したいセルを指定します。
非常にシンプルな関数ですので、以上の手順だけで数式が表示されます。


行ごとに数式を使用して小計を出している場合などには、FORMULATEXT関数を各行に設定することで、すべての行の数式をまとめて確認できます。

F2キーを使用してセルの内容を確認

セルに設定されている数式を確認するための方法としては、関数ではなくF2キーを使用する方法もあります。
F2キーは、セルの選択と編集を切り替える機能ですので、選択しているセルを編集状態にすることによって、そのセルの数式を表示させることができます。
簡易的にセルの内容を確認したい場合や、スムーズに編集モードに移行したい場合などには、F2キーを上手く活用してみましょう。

参照元/参照先のトレース機能を活用

Excelの数式や関数をビジュアルで確認したい場合には、参照元や参照先のトレース機能が便利です。
数式が設定されているセルを選択した状態で「参照元をトレース」を使用することで、どのセルにある数字を使用して数式や関数を設定しているのかが分かります。

(1)参照元を知りたいセルを選択し、《数式》タブを選択、 《ワークシート分析》グループの《参照元のトレースをクリック

(2)以下のようにシート上に青い矢印が表示される

また逆に、「参照先をトレース」を使用することによって、選択しているセルにある数字を使って数式や関数が組まれているセルを見つけ出すことができます。

参照元と参照先の違い

例えば、A1とA2の数字を足してA3に結果が表示されている場合には、A1とA2のセルがA3セルの参照元で、A1、A2セルの参照先がA3セルになります
トレース機能を使用することによって、A1やA2からA3に向けて矢印が表示されます。また、別のシートの数字を参照している場合には黒い矢印が表示されます。

トレース使用後の注意点

トレースを使用して参照元/参照先を確認したら、トレースの表示を消すことを忘れないようにしましょう。
参照元/参照先をビジュアルで表示することは便利ですが、常に表示されたままにしておくと、次にトレースをした際に混乱してしまうことがあります。

《数式》タブを選択し、 《ワークシート分析》グループの《トレース矢印の削除をクリックするとトレースの表示を消すことができます。

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複雑な関数には「数式の検証」を使用

前任者がExcelの上級者だった場合には、関数のなかに関数が入っているような複雑な数式が使用されているケースも少なくありません。
数式の検証は、複雑な数式を読み解くうえで便利な機能です。
数式の検証では、セルに入力されている数式に下線が表示されますので、参照している値やセルを丁寧に確認するようにしてください。

(1)検証したいセルを選択
今回はセル【E2】を選択します。

(2)《数式》タブを選択、 《ワークシート分析》グループの《数式の検証をクリック

(3)検証をしていく
セル【E2】の数式が入っているダイアログボックスが開かれます。
《検証をクリックすると、下線が引かれていたセルの値が表示されます。

(4)ひとつずつ階層を検証していく

(5)検証が終わると計算結果が表示される


複数の関数が使用されている数式でエラーが出ている場合、どの関数に間違いがあるのかを特定することは難しいですが、数式の検証を使用するとひとつずつ階層(レベル)ごとに検証できます。

他人の作成したExcel(エクセル)を読み解くのは大変

同じ社内の業務に使用しているExcelシートであっても、前任者などの他の人が関数を使って作成したシートを読み解くことは非常に大変です。
ひとつずつ丁寧に読み解いていくことが基本ですが、膨大なデータ量や、複雑な関数の設定がある場合には、Excelを使い慣れている方であっても苦労することでしょう。
しかし、異動などによってExcelを管理する責任者となった場合には、その後の編集や活用のためにも、しっかりとExcelシートの内容を把握しておかなければなりません。

円滑な引き継ぎを行うには一定のExcelスキルが必要不可欠です。当社の「Excel研修」では、実務をもとに最適な研修プランをご提案いたします。
教育に時間をかけられない、何からはじめればいいのかわからないなどのお悩みを抱えていたら、是非一度ご相談ください。