コラム ~ 業務効率化・業務自動化についての最新情報、用語、ノウハウなど ~

DX化が進まない理由とは?その課題と解決方法

作成者: admin_dg|Oct 13, 2022 12:00:00 AM

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の意識はあるものの、忙しくて中々取り組めていない、始めるにしても何をどのようにどこから手をつけていいか分からないという理由でまだ取り組めていない企業も少なくないのが実情です。

DXが進まない理由のひとつに、企業の危機意識の低さがあげられます。
ここでは経済産業省のレポートからDXの現状を解説し、企業の抱える課題点とその解決方法をご紹介します。

DX化が進んでいないのはなぜ?

経済産業省が2020年に発表した「DXレポート2(中間取りまとめ)」によると、「95%の企業はDXにまったく取り組んでいないか、取り組み始めた段階」でしかないことが明らかになりました。

調査の結果、緊急事態宣言などを受けてDXに取り組む企業が増加した一方で、一部しかデジタル化が進んでいない企業や、現行のビジネスモデルを維持したままDX化を推進する企業が多く、「DX」の本当の意図が伝わっていないのが現状です。

参照 | 経済産業省『DXレポート2 中間とりまとめ

そもそもDXとは

DXとは、デジタル技術で現在のサービスやビジネスを変革し、新たな価値や競争力のあるビジネスモデルを確立することを目的とする業務改革です。

経済産業省の「「DX推進指標」とそのガイダンス」でも、DXは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義されています。

つまり、ただ単にデータを電子化したり、ITツールを導入して業務をデジタル化したりするだけでは、本質的なDXとはいえません。
DXで本当に求められているのは、デジタル化の先にある新たな価値創造や、企業文化の変革、市場を生き抜くことができるビジネスの確立なのです。

参照 | 経済産業省『「DX推進指標」とそのガイダンス

企業への危機感の共有や意識改革まで至っていない

経済産業省の「DXレポート2」ではDX化が進まない原因として、企業全体に垣間見える危機感の低さを指摘しています。現代社会は急速にデジタル化しており、各企業も柔軟かつ迅速にその変化に適応していかなければなりません。

もし企業が固定観念を捨てて変革し続けることができない場合、顧客のニーズに対応できずに今後の市場で優位性を失い、デジタル競争に負けてしまうことは明白です。

DX化が進まないとどうなるのか?

企業のDXが停滞した場合、経済産業省は「DXレポート〜ITシステム 「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」で2025年までに年間で最大12兆円の経済損失が見込まれると試算しています。

このまま時代に合わないレガシーシステムを使い続けた場合、ビックデータを活用しきれずビジネスに大きな損失が発生したり、システムの維持費の高額化やセキュリティの低さから企業の存続が困難になったりする可能性があります。

また、レガシーシステムは使い続けることによって複雑化・ブラックボックス化するため、企業にとって技術的な負債になりがちです。
このような状況が日本企業全体で続いてしまうと、日本の経済活動が縮小してしまう恐れがあります。

参照 | 経済産業省『DXレポート〜ITシステム 「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

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DX化が進まない理由

DX化の課題を4つご紹介します。

DXの理解が進んでいない

DXはデジタル化の推進が目的ではなく、デジタル化を通じて企業の競争力を高めるための手段です。
しかしDXへの知識不足から経営層やDX担当者がこの意図を把握できておらず、その必要性を誤解しているケースがあります。

企業が課題やビジョンを明確に設定できていない

DXは新たな価値創造を目的としているため、DXを通じて解決したい経営課題や、生み出したいビジネスをあらかじめ明確にしなければ、適切な戦略を立てることができません。
多くの企業では課題や実現したいビジョンがはっきりと設定されないままDXに取り組んでいるため、DXが進んでいないという現状があります。

現場や経営層からの協力が得られない

現在のビジネスをデジタル化するにあたって、ITツールの導入や社内システムの一元化、業務プロセスの改革などが求められます。
成果が出るまでに時間がかかるうえ、膨大なデジタル投資が必要なので、現場や経営層になかなか必要性が理解されません。

深刻なのはIT人材・DX人材の不足

最も深刻なのは、社内にITリテラシーやDXリテラシーを持った人材がいないという課題です。

総務省発表の「令和4年版 情報通信白書」によると「デジタル化を進める障壁が人材不足」と感じている割合は67.6%にものぼり、圧倒的に不足していることがわかります。特に中小企業ではこの傾向が大きく、人材確保ができず既存システムの保守だけで手一杯でなかなかDXが進んでいません。

参照 | 経済産業省『令和4年版情報通信白書

DX化を進める解決策とは?

DXをはばむ課題を解決するため、企業が取り組むべき対応策について解説します。

経営戦略に組み込む

まずはDXを経営戦略に組み込み、経営者が主体となってビジョンの策定や課題を明確化することが大切です。DXのメリットを具体的な方針として自社で共有することで、社員全員で協力してDXを進めることができます。

人材の育成と確保

DX人材の需要増加とともに人材不足が深刻化し、確保が難しくなっています。
そのため安定的に継続して人材を確保するためにも、自社の人材を育成する教育プログラムに注力することが不可欠です。

実際DXによる業務の大幅な変化に適応するため、社員にスキルや技術を獲得させるための「リスキング」が推奨されており、企業の競争力を高める手段として注目を集めています。

DX人材に求められるスキルは

リスキングでDX人材が獲得すべきスキルは、多岐にわたります。

例えばDXやIT知識、先進技術の知識、データ分析力、UI/UX(ユーザーエクスペリエンス)の知識、マネジメント力、企画力などがあげられます。
担当する部署や経営課題によっても必要なスキルが変わるため、自社のビジョンを明確にして必要な研修を設定しましょう。

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今すぐはじめられることも

DXは組織全体で取り組む必要があるため、計画的に一歩ずつすすめなければなりません。

しかし、経営戦略の立案や人材育成には時間がかかるため、なかなか成果が出ずに社内のモチベーションが下がってしまいがちです。できるだけ「始めやすく」「成果が目に見える」施策から取り組み、社員の意識改革へつなげることが重要です。

アウトソーシングの活用

まずは自社の課題をすばやく解決するために、アウトソージングの活用を検討しましょう。

特に自社の苦手分野や社員教育に時間がかかる分野は、外注することでスムーズに自社のDX計画に組み込むことが可能です。専門的なノウハウを持ったプロに任せることで、人材不足の解消だけでなく質の高い成果が期待できます。

アウトソーシングに関して、こちらの記事もご覧ください。
内製化か?アウトソーシングか?判断のポイントを解説!

外部研修でDXリテラシーを強化

DXリテラシー人材が不足している場合は、専門家を招いた外部研修が有効です。
全社員を対象としてDXの「必要性」や「基礎知識」の理解を促すことで、社内にDX推進の土台を作ることができます。外部研修は集合研修やオンライン研修のほか、eラーニングなどから選択可能です。

クラウドサービスの導入

ITツールの導入には、クラウドサービスを利用しましょう。
導入コストを抑えて気軽にデジタル化を進めることができるだけでなく、社内の誰でもすぐにアクセスができるため、情報の一元化や集計業務などの時間短縮につながります。

使い慣れたExcel(エクセル)でデータ活用を

DXではデータに基づいた戦略立案が欠かせませんが、そのデータの収集や整理、分析などはExcel(エクセル)がよく使用されています。そのため成果の出るDX推進のためには、データ分析を効率化できる関数などのExcelスキルを高めることが重要です。

また、Excelでデータ分析に慣れておけば、ビックデータの本格活用に欠かせないBIツールへの移行もスムーズになります。このExcelを活用する重要性は総務省も認めており「統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルールの策定」で入力ルールを公表しています。
身近な業務から意識を変えることで、DX推進を一歩ずつ進めてゆきましょう。

Excelの入力方法に関して、こちらのブログもご覧ください。
データ入力のルール!Excel(エクセル)の入力方法を守るだけでデータの価値が変わる

参照 | 総務省 『統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルールの策定

DXで業務改革を成功させるには

今回は各省が発表しているデータを基に、DXが進まない理由や課題、解決方法を紹介しました。DXで業務改革を成功させるには、全社員がDXを正しく理解し、変化に適応できるようにスキルアップしてゆくことが大切です。

当社では、IT技術を持った事務のスペシャリスト「EXCEL女子」「VBA女子」「BI女子」がDX推進のサポートを行っています。DX施策の相談からITツールの導入、即戦力を育てる「Excel研修」までワンランク上の支援を提供いたします。
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