EXCEL女子の社員インタビュー|バックオフィス人材の実務支援事例

金融機関のkintone(キントーン)データ連携を改善|標準機能で運用しやすい仕組みを構築

作成者: Admin|Jul 2, 2026 2:16:53 PM

「複雑なカスタマイズに頼らない運用」を実現。
金融機関のセキュリティ要件に向き合ったkintone(キントーン)改善支援。

金融機関では、顧客情報や業務データを安全に取り扱うため、厳格なセキュリティポリシーが設けられています。
今回コクーが支援したプロジェクトでも、ブラウザへのデータ保存が制限され、システムを利用するたびにログイン情報の入力が必要になるなど、アクセス面にさまざまな制約がありました。

加えて、業務に使用していた複数のkintoneアプリ間でデータが十分に連動しておらず、関係者が必要な情報を確認しにくい状態になっていました。

本プロジェクトを担当したコクー社員は、現状の業務プロセスやアプリ間の関係を整理し、従来JavaScriptによるカスタマイズで実現していた処理を見直しました。その結果、kintoneの標準機能のみで同等の機能を構築。複雑な仕組みに頼らず、運用しやすく安定したシステムを目指した支援の進め方を紹介します。

 

項目 内容
業界  金融機関
支援期間 1〜3カ月
仕様ツール kintone
担当範囲  マスタ管理、kintoneアプリ作成、入力画面の設計 
支援形態 請負

 

 

 

 

お客様はどのような課題を抱えていましたか?

 

お客様が利用していたkintoneでは、複数のアプリ間でデータが十分に連動しておらず、必要な情報を関係者間でスムーズに共有しにくいことが課題となっていました。

それぞれのアプリに情報が存在していても、データのつながりが分かりにくければ、担当者は複数の画面を確認したり、関連する情報を個別に探したりする必要があります。関係者が多く、業務フローが複雑になるほど、どの情報をどこで確認するのかが把握しにくくなります。

また、金融機関ではセキュリティ上の理由から、ブラウザにログイン情報などを保存できません。
そのため、システムを利用するたびにログインやパスワード入力が必要となり、アクセスにも一定の負担が生じていました。

こうした環境では、機能を追加するだけでなく、限られた条件の中で、できるだけ操作や運用を複雑にしない設計が求められます。

 

課題解決のために、どのようなことを意識しましたか?

 

支援にあたって最初に行ったのは、現在の業務プロセスとkintoneアプリの構成を把握することでした。現場へのヒアリングや業務の棚卸しを通じて、どのアプリにどのデータが保存され、関係者がどのタイミングで情報を確認しているのかを整理しました。

システム間のデータ連携に課題がある場合、目の前の機能だけを修正すると、別の業務やアプリに影響が生じる可能性があります。そのため、既存の設定やアプリ間のリレーションを確認し、業務全体の流れを踏まえて要件を整理することを重視しました。

特に今回のポイントとなったのが、従来JavaScriptを用いたカスタマイズによって実装していた処理の見直しです。

一般的に、個別の要望に合わせたカスタマイズは機能を柔軟に追加できる一方で、仕様変更やメンテナンスの際に確認すべき範囲が広がることがあります。そこで担当者は、現在の要件とアプリ間の連携方法をあらためて整理し、kintoneの標準機能で代替できないかを検討しました。

その結果、JavaScriptを使用せず、標準機能のみで同等の機能を実現しました。依頼された処理をそのまま作り直すのではなく、運用開始後の保守や設定変更まで見据え、できるだけ管理しやすい方法を選択した形です。

また、設計内容を早い段階で共有し、フィードバックを受けられる進め方も意識しました。完成後に認識の違いが判明すると、修正範囲が大きくなる可能性があります。途中段階から確認を重ねることで、お客様の意図と設計内容のずれを抑えながら、実装やテストを進めました。

運用時に担当者が迷わないよう、必要なドキュメントも整備しています。システムを構築して終わりにするのではなく、導入後も安定して使い続けられる状態をつくることが、本プロジェクトにおける重要な判断基準でした。

 

印象に残っているエピソードを教えてください

 

本プロジェクトで印象的だったのは、JavaScriptによるカスタマイズを前提とせず、要件そのものを見直したことで、kintoneの標準機能のみで同等の処理を実現できたことです。

支援当初は、従来と同じようにカスタマイズを行う方法も考えられました。しかし、金融機関の厳格なセキュリティ環境や、運用開始後のメンテナンスを考えると、仕組みを複雑にしないことにも大きな意味があります。

そこで、既存の処理をそのまま再現するのではなく、「この機能は、どの業務を成立させるために必要なのか」という背景まで立ち返りました。アプリ間の連携設計を組み直すことで、標準機能だけでも必要な状態をつくれることが分かりました。

実装方法だけを見るのではなく、業務の目的から考え直したことが、運用の安定性と現場の負担軽減につながった出来事でした。

 

支援を通してどのような成果がありましたか?

 

今回の支援により、kintoneアプリ間のデータ連携が見直され、関係者が必要な情報を確認しやすい仕組みが整いました。

また、JavaScriptによる個別カスタマイズから標準機能を中心とした構成へ変更したことで、複雑な処理に依存しにくい運用となりました。設定内容を把握しやすくなり、今後の確認や変更にも対応しやすい基盤が整っています。

早い段階で設計内容へのフィードバックを受けながら進めたことで、大きな認識のずれを防ぎ、テストや運用設計まで一貫して進めることができました。

必要なドキュメントも整備され、特定の担当者だけが仕様を把握している状態を避けながら、安定して運用を続けるための環境づくりにつながりました。

 

 

この経験から学んだこと

 

今回の支援から改めて分かったのは、システム間のデータ連携を改善するためには、機能の追加を検討する前に、業務プロセスとシステム構成を正確に把握することが重要だということです。

関係者が多く、業務フローが複雑な環境では、それぞれのアプリだけを見ても本当の課題は把握できません。誰が、どの情報を、どのタイミングで利用しているのかを整理し、アプリ間の関係を図解・可視化することで、初めて適切な改善方法を検討できます。

また、高度なカスタマイズが常に最善とは限りません。標準機能で実現できる方法を探ることは、運用負担や保守性を考えるうえでも重要です。実装時の便利さだけでなく、導入後に誰がどのように管理するのかまで考えることが、安定した運用につながります。

 

今後チャレンジしたいこと

 

今回のように、セキュリティや既存システムなどの制約がある環境でも、できない理由を並べるのではなく、業務とシステムの両面から実現可能な方法を探していくことが重要です。

今後も、システム間の連携や複雑化した業務フローを整理し、現場の担当者が無理なく使い続けられる仕組みづくりにつなげていきます。

 

現場に寄り添う業務改善なら、コクーへご相談ください

 

コクーでは、業務改善やDX推進において、最初から特定のツールや開発方法を前提とするのではなく、現場の業務を理解することから支援を始めています。

現在の業務プロセスやシステム構成を整理し、課題の可視化、要件整理、設計、構築、テスト、運用定着まで、状況に応じた支援が可能です。

Excel、VBA、RPA、Power Platform、BI、kintone、CELF、AIなど、幅広い技術やツールを扱いながら、お客様の環境や運用体制に合った方法を一緒に検討します。システム間の連携がうまくいかない、既存ツールの構成が複雑になっている、どこから見直すべきか分からないといった段階でも、業務の整理からご相談いただけます。

 

 現場で使えるkintone(キントーン)進捗管理へ改善 

改善前の課題 支援内容 改善後の状態
図面ごとの進捗が見えづらい 表示項目を整理 進捗を一覧で確認しやすく
現在の担当者が分かりづらい リスト表示を見直し 担当者をすぐに把握できる
集計表が秒数表示で分かりにくい 集計方法・見せ方を改善 作業時間を原価計算に活用しやすく
既存アプリに不要項目が多い 不要項目を整理 現場が入力しやすい設計に