VBAはルーチンワークを自動化してくれる、業務効率化に欠かせないツールです。
しかしVBAを学習し始めると専門用語が多く、理解できずに戸惑う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、VBAをはじめるときに覚えておきたい基本用語28個を厳選して解説しています。
VBAについて知りたい方、業務効率化をすすめたい方、Excel(エクセル)をもっと使いこなしたい方は、この基礎用語の習得からスタートしましょう。
VBAとは、Microsoft Office製品に標準搭載されている、業務自動化のためのプログラミング言語です。
VBAを活用すれば、データ処理やメール送信などの作業工程削減だけでなく、人的ミスの削減や属人化回避などさまざまなメリットがあります。
ここでは、VBAにおける基本用語を28選ご紹介します。
マクロとは、Excel上の複数の操作内容を記録し、必要なときに呼び出せるようにする機能です。
データ集計や編集、差し込み印刷などの繰り返し処理を「マクロ記録」で自動記録し、「マクロの実行」で自動実行できます。
VBEとは、Visual Basic Editorの略で、VBAの開発を総合的に支援するための編集エディタです。
VBEには、ソースコードを記入するコードエディタをはじめ、コンパイラやデバッガなどの開発環境が整っています。
プロジェクトとは、VBAのプログラミングにおける最も大きなマクロ郡のことです。
基本的にExcelの場合、1つのワークブックにつき1つのプロジェクトと定義されています。
このようなマクロ郡は細分化すると、大きい順に「プロジェクト>モジュール>プロシージャ>ステートメント」に分けられます。
モジュールとは、VBAにおいて実際にプログラムを書く場所のことです。
モジュールは複数のプロシージャから構成されており、このモジュールが多いほど条件分岐が複雑なVBAになります。
このモジュールにいくつか種類があり、「標準モジュール」のほか「シートモジュール」「ブックモジュール」「フォームモジュール」にわかれています。
プロシージャとは、VBAを構成する最小のプログラム単位のことです。
また、プロシージャには大きく分けて3種類あり、プロシージャをまとめた「サブプロシージャ」、関数を自作できる「ファンクションプロシージャ」、特定の操作に反応する「イベントプロシージャ」を使い分けます。
サブプロシージャとは、ひとつのマクロを実行するために、複数あるプロシージャをまとめたものです。
このサブプロシージャのソースコードは「sub」で始まり「End sub」で終わることが名前の由来です。
ファンクションプロシージャとは、VBAの関数のように自分で処理内容を定義し、関数を作ることができます。
変数や配列などの値を使って処理したり、指定した処理結果を取得したりできます。
イベントプロシージャは、特定の操作をきっかけに自動で実行されるプロシージャのことです。
このイベントプロシージャはオブジェクトを処理するためのモジュールに付随し、例えば「Excel起動時」や「入力値が変更されたとき」などのタイミングで実行できます。
ステートメントとは、VBAの処理や命令、宣言などを行うための構文のひとつです。
このステートメントには、Sub、Dim、For...Next、If...Then...Else、Callなど複数の種類があります。
オブジェクトとはVBAのデータ型のひとつです。
ブックやシート、フォントなど、複数の情報を持っている操作対象がオブジェクトと呼ばれます。
また、VBAではセルのことを「Rangeオブジェクト」と呼んでいます。
オブジェクト変数とは、プロパティ構文を使ってExcelブック、Excelシート、IEブラウザを格納できる変数のことです。
長いコードの省略やループ処理、WEBスクレイピングの手間を省くことができます。
プロパティとは、オブジェクトのもつ情報のことです。
ファイル名やフォント、大きさ、色などのデータが、プロパティに記述されています。
プロパティがオブジェクトの情報であるのに対し、メソッドはオブジェクトを操作する命令文のことです。
このメソッドには「セルを選択する」ようなSelectメソッドから、引数を設定できるメソッド、戻り値やオブジェクトを返すメソッドもあります。
コレクションとは、複数のオブジェクトを集めたものです。
コレクションは名前の後に複数形の「s」がついており、例えばワークブックのオブジェクト名は「Workbook」ですが、コレクション名は「Workbook”s”」となります。
なお、例外としてVBAでセルを表すRangeは、範囲を示すためコレクションになっても複数形にはなりません。
関数とは、決められたデータ処理を実行し、その結果を返す命令のことです。
VBA関数とは、VBAにはじめから搭載されている関数のことです。
VBA関数は日付入力や切り上げの指定など、140以上の種類があります。
ワークシート関数とは、Excelこれまで使用していた関数のことです。
Sum、Count、Vlookupなど馴染みの深いものが多く、汎用性が高いのが特徴でworksheetfunctionと書いてから、.(ピリオド)を打つと、ワークシート関数がVBAで使用できます。
VBAのユーザー定義関数とは、ファンクションプロシージャで自作した関数のことです。
使い方はサブプロシージャと似ていますが、結果を返せることやエラー処理ができるため、開発後の修正などが簡単にできます。
演算子とは、VBAの演算で利用する+、−、>、<などの記号のことです。
四則計算を行う算術演算子、大小比較をする比較演算子、条件指定をする論理演算子などがあります。
識別子とは、変数名、定数名、引数名、プロシージャ名の総称です。
VBAにおける変数とは、値やデータを一時的に記録するための入れ物のようなものです。
計算途中のデータを保存でき、数値や文字列を変数に入れておくことでコード修正の手間を省くことができます。
変数のスコープとは、その変数が適用される範囲のことです。
範囲によってプロシージャ変数やモジュール変数と呼ばれます。
定数とは、固定した値や文字列に名前をつける機能です。
変数と似た使い方をしますが、定数は一度指定したデータをプログラムの実行中に変更できません。
組み込み定数とは、VBAに初期搭載されている定数のことです。
この組み込み定数は2種類あり、ExcelのVBAでは「xl」、VBでは「vb」からはじまります。
配列とは、複数ある変数をまとめて格納できるプログラムのことです。
同じ型のデータを配列にまとめることができるため、データの混乱を避け、コードをシンプルにできます。
引数とは、プログラムや関数に渡すための値や文字列のことです。
そのほかにも配列やセル、エラー値や論理値などを入れることができます。
アクティブセル領域とは、指定したアクティブセルを含んだデータの入力範囲のことです。
キーボードで「Ctrl+Shift+*」を押すと、アクティブセル領域を確認できます。
ユーザーフォームとは、VBAで作成できるダイアログボックスのことです。
テキストボックスやチェックボックスなどをフォーム上に自由に表示できるため、Excel入力のミスをなくしたり、視覚的にわかりやすいインターフェースを作成したりできます。
VBAは普段使用しているExcelやPowerPointで気軽にスタートできるため、即効性があるのに運用コストが安いという他にはないメリットがあります。
VBA用語だけみると難しそうに思えますが、実際に操作しながら覚えてみるとそこまで複雑ではありません。この機会にVBAをより深く学習し、業務効率化や収益拡大を目指してゆきましょう。
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