バックオフィス業務効率化コラム|Excel業務改善・実務支援ならEXCEL女子

《保存版》全国180店舗以上を展開する飲食チェーン本部で属人化・転記をなくした改善ストーリー

180店舗の営業データ集計業務から見えた“現場改善のリアル”
Excel業務は、なぜ気づかないうちに複雑化するのか

Excelは、多くの企業で日常的に使われている便利なツールです。
売上管理や集計、レポート作成など、現場のさまざまな業務を支える存在として活用されています。

一方で、業務が複雑化し、扱うデータ量や関係者が増えていくと、Excelだけでは対応しきれない場面も出てきます。最初は問題なく回っていた作業でも、店舗数の増加や管理項目の拡大によって、少しずつ担当者への依存や手作業によるミスが生まれやすくなります。

一見すると、よくあるExcel作業のように見えるかもしれません。

しかし実際には
「作業手順が共有されていない」
「特定の担当者しか対応できない」
「転記ミスが発生しやすい」
といった、業務継続やデータ品質に関わる課題がありました。

ここからは、EXCEL女子が実際にどのように現場の課題を整理し、マニュアル整備やマクロによる自動化を通じて、業務を“人に依存する状態”から“仕組みで回る状態”へ変えていったのかを紹介します。

執筆:YH /EXCEL女子

Excelを中心としたデータ整形・業務改善に携わっています。
現場の課題に対して、転記作業やデータ加工の効率化を行い、業務時間の削減と品質向上を目指しています。

 

 

180店舗の集計業務で見えた、いちばん大きな課題は「属人化」だった

今回の支援現場でまず見えてきたのは、作業時間の長さだけではありませんでした。

もちろん、180店舗以上の営業データを扱うため、毎月の集計には一定の時間と手間がかかっていました。
しかし、それ以上に大きな課題だったのは、業務の進め方が特定の担当者に依存していたことです。

ここでは、実際の現場で発生していた属人化の課題を整理していきます。

マニュアル不在の状態で始まった業務運用

そのため、

✓ どのシステムからデータを取得するのか
✓ どのデータがどの資料に使われるのか
✓ どの順番でExcel処理を行うのか

といった業務全体の構造が可視化されていない状態でした。

一人運用による属人化と業務リスク

そのため、

✓ 担当者が不在の場合に業務が止まる
✓ 他メンバーによる代替が難しい
✓ 複雑な数式や集計ロジックがブラックボックス化する

といった課題が発生していました。

SVからの問い合わせで顕在化した「データ品質リスク」

原因を確認したところ、集計範囲の設定ミスによる転記誤りであることが判明しました。

このようなミスは、単なる数値のズレでは終わりません。

✓ 店舗評価への影響
✓ 販促施策の判断誤り
✓ 会議資料の信頼性低下

など、現場の意思決定に直接影響を与える可能性があります。

【改善①】業務の標準化としてマニュアル整備を実施

いきなり自動化を進めるのではなく、まずは「どの作業が、どの順番で、何のために行われているのか」を整理し、業務全体を見える状態にすることが必要でした。

特に今回のように、複数システムからデータを取得し、Excelで加工・集計する業務では、作業手順だけでなく、データの流れや確認すべきポイントまで明確にしておくことが重要です。

そこで、初めて業務に触れる人でも同じように作業を進められるよう、操作手順や保存先、集計ロジック、確認項目を整理し、再現性のあるマニュアルとして整備していきました。

業務全体を再現可能にするための見える化

具体的には、

✓ システムへのログイン手順
✓ データのダウンロード場所
✓ 保存先フォルダの構成
✓ Excel内での操作手順
✓ 集計ロジックの流れ

などを明文化しています。

チェックリストによるミスの構造的防止

たとえば、

✓ データ取得漏れがないか
✓ 集計範囲にズレがないか
✓ 出力結果に異常値がないか

といった確認項目を整理し、作業後に確認できる仕組みを整えました。
これにより、作業者の注意力だけに頼るのではなく、ミスに気づきやすい構造をつくることができました。

【改善②】月次3時間作業を1クリック化したマクロ改善

特に負担が大きかったのは、毎月発生する180店舗分の売上集計でした。

1.複数のCSVデータを取得
2.Excelに貼り付け
3.不要な列を削除
4.並び替えや転記を行う作業

は、手順が決まっている一方で、時間も手間もかかる業務でした。

対象業務は180店舗分の月次売上集計

特に負荷が大きかったのは、月次売上集計業務です。

180店舗分のデータを扱うため、毎月約3時間の作業時間が発生していました。
複数のファイルを開き、必要なデータを転記し、店舗別のフォーマットに整える作業が繰り返されていたのです。

マクロ導入前の作業構造

マクロ導入前は、複数システムからCSVを取得し、Excelに貼り付け、不要な列を削除し、データを並び替え、別シートへ転記し、店舗別フォーマットへ整形するという流れで作業が行われていました。

対象ファイルは約10個に分かれており、ファイルを開いては転記する作業が繰り返されていました。

VBAによる自動化と1クリック化

そこで、VBA(Visual Basic for Applications)を活用し、上記の処理を自動化する仕組みを構築しました。

これにより、手作業で行っていたコピー&ペーストやファイル間の転記作業が大幅に削減されました。

改善効果は、時間短縮だけではなかった

しかし、今回の改善で得られた価値は、時間短縮だけではありません。

手作業によるコピー&ペーストが不要になったことで、転記ミスの発生リスクが抑えられました。
また、誰が実行しても同じ処理が行われるため、作業結果のばらつきも減少しました。

さらに、業務が担当者の経験や感覚に依存するのではなく、仕組みとして実行できる状態になったことで、業務の再現性も向上しました。

【改善③】後任でも運用可能な仕組みへの転換

マニュアル整備とマクロによる自動化によって、業務は少しずつ「担当者の経験に頼る状態」から「誰でも同じ手順で進められる状態」へ変わっていきました。

今回の改善で重要だったのは、単に作業時間を短縮することではありません。
担当者が変わっても業務が止まらず、一定の品質で継続できるようにすることでした。

実際に、マクロ導入後は後任担当者でもマニュアルを確認しながら作業を進められるようになり、複雑なExcel操作や集計ロジックを一から理解していなくても、必要な業務を実行できる状態になりました。

ここでは、属人化していた業務がどのように引き継ぎやすい仕組みへ変わったのかを整理します。

マニュアル確認とボタンクリックで運用できる状態に

マクロ導入後の業務は、後任担当者によっても問題なく運用可能な状態となりました。

Excel経験としては関数レベルの知識であっても、必要な業務を遂行できる状態となっており、引継ぎ時の負担も大幅に軽減されました。

属人化の解消と業務継続性の確保

改善前は、業務の流れや判断基準が担当者の頭の中にありました。
そのため、担当者が変わるたびに、業務の習得や引継ぎに大きな負荷がかかる状態でした。

改善の本質は“スピード”ではなく“再現性”

今回の取り組みを通じて明確になったのは、業務改善の本質は単なる効率化ではないという点です。

もちろん、作業時間を短縮することは重要です。

スピードは、業務が整理され、標準化され、再現性が高まった結果として得られるものです。

多くの現場に残る、Excel業務の属人化という課題

DX支援の現場では、現在でも同様の課題が多く見受けられます。

□ 特定の担当者しか触れないExcel
□ ブラックボックス化したマクロ
□ 手順が共有されていない集計業務
□ 毎月の転記作業に多くの時間をかけている運用

などです。
こうした課題は、単に「作業効率が悪い」というだけではありません。

まとめ:Excel業務の本質は“仕組み化できるかどうか”

180店舗の営業データ集計業務を通じて明らかになったのは、Excelそのものが問題なのではなく、業務の運用設計に課題があったという点です。

業務が複雑化する現場ほど、必要なのは高度なツールをいきなり導入することではなく、まず業務の流れを整理し、誰でも同じように再現できる状態をつくることです。

Excel業務の改善は、小さな作業の見直しから始まります。しかしその積み重ねが、現場の負担を減らし、ミスを防ぎ、組織として安定して業務を回す力につながっていきます。

EXCEL女子では、Excelを活用したデータ集計業務の整理や、業務フローの可視化、マニュアル整備、VBAマクロによる自動化、運用しやすい仕組みづくりまで伴走して支援します。

「Excel業務が特定の担当者に依存している」
「毎月の転記・集計作業に時間がかかっている」
「ミスを減らし、誰でも同じように運用できる状態にしたい」

そんな企業様は、ぜひEXCEL女子へご相談ください。