コラム ~ 業務効率化・業務自動化についての最新情報、用語、ノウハウなど ~

派遣社員がすぐ辞める?!派遣社員の早期退場を防ぐ!定着率UPの秘訣とは?

作成者: admin_dg|Dec 24, 2024 2:50:34 AM

派遣社員がすぐ辞めてしまうと、企業にとって大きな損失です。そこで今回は、派遣社員が早期退職してしまう理由や、定着率アップのための秘訣を解説します。

派遣社員に長期で安定して勤務してもらうためのポイントを、詳しくみていきましょう。

 

 

↑ 記事TOPへ

統計データからみる派遣社員の不満や悩み

まずは派遣社員が退職前にどのような悩みや不満を抱いているのか、大手派遣会社や厚生労働省の発表している統計データからみていきましょう。

エン派遣「仕事の悩み」

大手派遣会社であるエン派遣が2020年4月、9,396名に実態調査を行った結果、派遣社員の81%が仕事に悩みが「ある」と回答していることがわかりました。

内訳を上位からみてみると、約4割の派遣社員が待遇面で悩んでおり、2〜3割は仕事内容や人間関係で不満を抱えていることがわかります。

給与・待遇 41%
仕事内容 27%
雇用の安定性 26%
就業先の上司・社員との人間関係 22%
仕事の量 21%
就業の継続 19%
今後のキャリア 19%
仕事の進め方 18%
スキル・経験不足 17%
仕事とプライベートの両立 14%
仕事の評価 13%
就業先の派遣社員との人間関係 7%
その他 6%

引用元:仕事の悩み(2020年4月調査)/ エン転職

厚生労働省「派遣労働者実態調査」

平成29年に実施された厚生労働省の調査では「苦情」という項目が設けられ、派遣社員が抱える不満を確認することができます。

人間関係・いじめ・パワーハラスメント 28.0%
業務内容 27.3%
賃金 17.5%
就業日・就業時間・休憩時間・時間外労働・休暇 10.1%
指揮命令系統 6.1%
安全・衛生 2.3%
派遣期間 1.3%
セクシャルハラスメント 0.8%
個人情報の保護 0.6%
その他 4.9%

引用元:平成29年派遣労働者実態調査の概況

上位の項目を見ていくと、派遣社員は特に

  • 派遣先での人間関係
  • 業務内容
  • 賃金や労働時間などの待遇面

に悩みを抱えていることがわかります。

言い換えると、こうした不満の放置が「派遣社員がすぐに辞めてしまう」という結果につながっているのです。

↑ 記事TOPへ

派遣社員がすぐ辞めるのはなぜ?

それでは、派遣社員がなぜすぐ辞めてしまうのか、理由を詳しくみていきましょう。

人間関係のトラブル

そもそも派遣社員は期間限定で勤務するため、直接雇用の正社員と比較して社内での立場が弱くなりがちです。

  • 正社員との格差や上下関係
  • 誰にも相談できない疎外感や孤立感
  • パワハラやセクハラ

など、精神的苦痛を感じて退職に追い込まれてしまうことがあります。

給与や待遇面への不満

派遣社員は給与形態が直接雇用の場合と異なるため、不公平感を感じてすぐに辞めてしまうケースも多いです。

例えば、

  • 給与や賞与の水準が低い
  • 会社の福利厚生施設を利用できない
  • 昇進・昇給が望めない

など、派遣社員は将来性が不安定なぶん、待遇面の不満は大きな離職理由になります。

業務内容のミスマッチ

また、早期離職の理由として多いのが、募集要項と実際の業務内容が異なるケースです。

  • 業務範囲が流動的で、募集要項にない業務も依頼される
  • 指揮系統が決まっておらず、適切な指示が受けられない
  • やりがいのないルーチンワークや雑用ばかり任される
  • 派遣後の研修やフォローがなく、放置される

などの理由で、派遣後に「思っていた業務と違った」とすぐに辞めてしまう派遣社員が増えています。

派遣先の労働環境

ほかにも、派遣先の環境や雰囲気が悪いこともすぐ辞めてしまう原因のひとつです。

  • 職場が不衛生
  • 安全対策が不十分
  • 怒鳴り声が頻繁に聞こえる

など、安心して働けない職場は派遣社員の定着率も下がってしまいます。

派遣社員の人間性

もちろんほとんどのスタッフはまじめに勤務していますが、残念ながら責任感に欠ける派遣社員も一定数存在します。退職の際も派遣元の企業が手続きを行うため、仕事の責任を軽く考えていたり、企業に愛着がないため気軽に離職してしまうのです。

↑ 記事TOPへ

派遣社員がすぐ辞めるデメリット

派遣社員がすぐ辞めてしまうことは、企業にとって大きなデメリットです。

  • 再採用のコストがかかる
  • 職場の業務効率や生産性が悪化する
  • 身近な同僚の離職による士気の低下
  • 離職率が上がため企業全体の評判が下がる

こういった悪影響を避けるためにも、まずは派遣社員の定着率が上がるよう、職場環境を整えていく必要があります。

↑ 記事TOPへ

派遣社員が辞めやすい職場の特徴

最新の厚生労働省「派遣労働者実態調査(令和4年)」をみると、「派遣先への要望」から不満の溜まりやすい職場の特徴を読み取ることができます。

まず、最も多いのが派遣契約に関する要望です。

派遣契約期間を長くしてほしい 25.6%
派遣契約の中途解除を避ける努力をしてほしい 15.3%

 

次に、仕事内容や業務指示についての不安や、労働環境への不満がみられます。

指揮命令系統を明確にしてほしい 17.8%
派遣契約外業務を命じないよう管理してほしい 13.0%
職場環境(安全・衛生等)を良くしてほしい 15.0%
苦情の申し立てに対して迅速に対応してほしい 13.8%
職場でのいじめやセクハラの防止について
責任を持って対応してほしい
12.0%

 

また、労働時間などの待遇面の改善を求める声もあがっています。

年次有給休暇を取りやすくしてほしい 12.6%
適切な労働時間管理をしてほしい 10.8%
福利厚生施設を利用させてほしい 8.4%

それぞれ派遣先の企業がどのように改善するべきか、詳しく見ていきましょう。

派遣社員の定着率UPの秘訣

それでは、厚生労働省の調査で要望の多かった順に、派遣社員の早期退職を防ぐため企業ができる工夫や改善ポイントを確認していきましょう。

1位:派遣契約

2位:業務内容

3位:労働環境

4位:待遇面

派遣契約や募集要項の見直し

まずは、派遣契約期間や業務内容、必要なスキルセットなど、仕事の募集要項を見直すことが大切です。

  • 募集要項は常に最新の情報に更新する
  • 実際の仕事の流れや1日のスケジュールを記載する
  • 必要スキルを見直し、初心者や未経験採用でギャップがないか確認する

上記のようなポイントを改善すると求職者がキャリアイメージを描きやすくなるため、入社後の誤解やミスマッチを防ぐことができます。

また、求職者とのマッチングは基本的には派遣会社が行うため、依頼先の派遣会社にも募集内容を明確に伝えておくようにしましょう。

業務範囲や指揮系統を明確に

基本的に、派遣社員に契約範囲外の業務を依頼することは契約違反です。

しかし、派遣社員へ指導係が決まっていない場合や、上司や教育係が契約内容を理解していない場合など、契約外の業務を依頼したり矛盾した指示を出してしまうことがあります。

  • 派遣社員に指示を出す責任者を一人に絞る
  • 上司や指導係は派遣契約の内容を把握しておく
  • 職場のメンバー全員にも派遣社員の業務範囲を周知する

など、長く働いてもらうためにも派遣社員の指揮系統を明確にし、仕事量やスキルに応じてフィードバックができる環境を整えることが大切です。

働きやすい労働環境

派遣社員が孤立せず、コミュニケーションをとりやすい職場環境を整えましょう。

  • 受け入れ前に社員へ周知する
  • メンターを用意し、人間関係をフォローする
  • 初日に自己紹介の場をつくる

などの工夫が有効です。

また、当然ですがセクハラやパワハラなどが絶対に起こらないよう現場へ周知徹底し、派遣社員専用の相談窓口をつくっておくようにしましょう。

給与など待遇の見直し

派遣社員の満足度を高めるためにも、給与や福利厚生などの待遇面に格差がうまれないよう見直すことが大切です。派遣社員の給与を決定するのは派遣会社なので、2020年に施行された同一労働同一賃金の原則に基づき、昇給やインセンティブの導入を派遣会社と相談してみましょう。

また福利厚生の面でも、有給休暇や福利厚生施設の利用、ワークライフバランスなどを含めて適正な待遇になるよう調整していきましょう。

派遣社員の定着率UPには「正社員型の派遣」を検討しよう

派遣社員の早期離職への対策として、「正社員型の派遣」を利用する方法があります。

正社員型派遣は、常用型派遣や無期雇用派遣とも呼ばれ、派遣会社に直接雇用された正社員が派遣される就業形態です。

この正社員型派遣であれば派遣期間の制限もなく、給与や待遇も安定しているため、安定して長期的に働いてくれる可能性が高まります。

もし、正社員型派遣のような「すぐに辞めない派遣社員」をお探しの場合は、株式会社コクーまでご相談ください。

コクー株式会社では、正社員による専門事務の派遣サービスを提供しています。

  • 常駐派遣
  • スポット派遣
  • アウトソーシング

などさまざまな選択肢から、貴社に最適な人材戦略を提案いたします。