近年のDX推進で事務に求められるスキルが激変したことをうけ、社員教育の中でも事務職の能力向上に取り組む企業が増加しています。
しかし、改めて事務の自社教育をするとなると何からスタートすべきか迷い、最適な教育方法がわからないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
AIやツールの多機能化により事務の仕事がどんどんなくなっている現状もあり、これまでと同じような研修をしていても、事務のスキルアップはのぞめません。
ここでは社員教育にお困りの方に向けて、事務の社員教育における基礎知識や、社員教育のはじめかた、具体的な学習方法など、従業員の事務スキルを高めるための育成ポイントを詳しく解説します。
そもそも社員教育とは企業から従業員に対するアプローチであり、自社に貢献できる人材を育成する取り組みのことです。
企業の業績は社員のスキル次第であり、従業員の成長が停滞したままだと生産性の低下や離職率の増加を招いてしまいます。
そのため社員教育では単に業務スキルや社会人マナーを教育するだけでなく、従業員にどのように成長してほしいか目的を明確にしたうえで育成を始めなければなりません。
社員教育の目的は、スキルアップやビジネスマナー、コンプライアンス教育など多岐にわたり、社員の役割によっても異なります。
例えば新入社員であれば企業理念や就業規則の浸透やマナーを学び、組織人としてスムーズに業務を開始できることが社員教育の目的です。
その一方で、中堅社員や管理職であれば、リスク対策や法令遵守の重要性、マネジメントや部下へのコーチングなど、管理者の育成が社員教育の目的です。
社員教育になかなか取り組めない課題として、多くの企業がリソース不足をあげています。
社員教育はOJTや集合研修などが一般的に行われますが、業務の合間ではまとまった時間の確保が難しく、じっくりと時間をかけることができないケースが大半です。
また社員教育をすべて自社で実施しようとすると、指導者のスキルが不十分だったり、そもそも指導者の数が不足したりしている場合もあります。
社員教育の成果はすぐに成果が出るものではないため、継続的に取り組んでいくことが大切です。
自社のリソース不足を感じるようであれば、eラーニングの導入や、外部研修の導入を検討しましょう。
ここまでは一般的な社員教育について基礎知識をお伝えしてきましたが、事務職ではどうでしょうか。
これまでの事務の社員教育では、主に決められた繰り返し業務を正確に処理する能力が求められてきました。
しかし現在では、事務作業のデジタル化やペーパーレス化が進んだため、事務社員にもPCやツールを使いこなす技術や、ITリテラシーが求められるように変化しています。
また、少子高齢化による人材不足により、作業時間を短縮できるIT技術を持った事務員を育成しなければ、企業の業務効率が大幅に落ちてしまいかねません。
このような背景により事務における社員教育では、今後はExcel(エクセル)などのIT技術の研修が必須になってくるといえます。
事務の社員教育をはじめるにあたって、闇雲に研修を実施していてもなかなか成果はあがりません。
ここでは、育成を成功させるために事前準備するべきコツをいくつかご紹介します。
事務の社員教育をはじめる前にするべきことは、会社側の研修目的と事務職の現状のすりあわせです。
なぜなら会社側の用意した人材育成計画や目標は、時として事務職の現状や現場の課題にマッチしていないことがあるからです。
そのため研修を受ける社員にヒアリングやアンケートを実施し、本人の感じる課題やモチベーション、キャリアプランなどの現状把握を事前確認することが重要です。
会社側の目指す社員像と、事務職の従業員本人の希望にズレがないように調整しておきましょう。
事務の社員教育を成功させるポイントは、社員自身が「スキルアップしたい」「勉強したい」と思える環境を整え、自発性を高めてゆくことです。
いくら上司から学習を促したところで、社員自身の成長意欲が低ければ成果はあがりません。
社員の成長へのモチベーションをあげるためにも、上司や人事と1対1の面談機会を設けて具体的な目標設定や書籍購入や資格取得への補助金制度導入、人事制度の改定なども有効な手法といえます。
事務の仕事はマンネリ化しがちなので、適度に外部講習をとりいれてExcelなどの新しい技術を学習できる機会を持つこともモチベーションアップにつながります。
ここでは、事務の社員教育に必要な研修の事例をご紹介します。
事務の新人研修や若手社員の研修に有効なのが、ビジネスマナー研修です。
事務はバックオフィス業務を担当するため、他部署との「報連相」スキルや、他社へ失礼のないマナーなどは必修項目です。
そのほかにも社員のSNSがきっかけで会社が炎上した事例もあるため、このような社会人としてのマナーや守秘義務なども教育しておくと安心です。
書類仕事のイメージがある事務職ですが、現在はペーパーレス化が進みほとんどの業務がオンラインで行われています。
そのため、ITツールの研修に加え、セキュリティ研修、ITリテラシー研修などは必修項目です。
業務効率化のために新しいツールを導入した場合は、追加でスキルアップ研修を用意するとよいでしょう。
ITリテラシーに関しては、こちらの記事もご覧ください。
ITリテラシーとは?DX推進と情報セキュリティに重要な理由を解説
OJTとはOn the Job Trainingの略で、実務を行いながらスキルアップを目指す手法です。
その企業に特有の業務方法などについて現場を通じて先輩社員から直接学ぶため、即戦力となる事務ノウハウを学ぶことができるというメリットがあります。
そのほかにも自社に特化したスキルをみがく手法として、メンター制度やジョブローテーションなども効果的です。
事務の社員教育で多くの企業が導入しているのが、Excel研修です。
ただ単に操作できるだけでなく、Excelのスキルがある事務員を増やすことで、データ処理の効率化やヒューマンエラー防止、残業時間の短縮も期待できます。
また、Excel VBAが駆使できるまで成長すれば、データ整理などの単純作業や請求書作成のような繰り返し作業を自動化できるため、事務作業を大幅に減らすことも可能です。
このようなExcel研修は体系立てて学ぶことで理解しやすいため、外部講師を招いたり、外部企業に研修を依頼したりがほとんどです。
なかなか社員教育に時間が割けない場合、オンラインで学習できるeラーニングの活用も効果があります。
社員のモチベーションが高い場合、必須の研修以外にも自己啓発用の研修を進んで学習してくれるというメリットがあります。
また、eラーニングは自分のペースで学習ができ、PCを使いながら進めるため、パソコンのスキルが全くない社員への研修としても効果が期待できるでしょう。
DX化が進む現在では、従来のOJTやビジネスマナー研修だけでなく、事務系の社員教育にもIT研修やExcel研修が求められる時代になっています。
一般事務のスキルを高めることはバックオフィスの効率化だけでなく、経理や総務の負担を軽減することで会社全体の経営効率を向上させることにつながります。
もし、事務の社員教育で何から手を付ければいいか迷っている、次の研修を決めかねている、自社の事務を強化したい、などの課題をおもちの方は、当社の「Excel研修」をご検討ください。
Excelスキルを身に着け、即戦力になるための自社研修をもとに作成しており、実践的で効率的に学習できるメソッドがつめこまれています。
新入社員研修からプログラミング研修まで課題に応じて研修内容をカスタマイズ可能ですので、事務のスキルアップにお悩みの方はいつでもご相談ください。