ITリテラシーとは、世の中に存在する情報技術を正しく理解し、業務やビジネスの目的に沿って安全に活用できるスキルの総称です。単にITツールを操作できることではなく、情報をどう扱い、どう判断し、どう業務に活かすかまでを含んだ実践的な能力を指します。
2026年現在、多くの企業がDXに取り組むなかで、ITリテラシーは「一部の専門人材のもの」ではなく、すべての従業員に求められる基礎スキルとなっています。DXを継続的に進めるためにも、また情報セキュリティリスクを最小限に抑えるためにも、ITリテラシーの底上げは欠かせません。
本記事では、DX推進と情報セキュリティの両面から、なぜ今もITリテラシーが重要なのかを整理して解説します。
DXとは、IT技術を活用して業務を効率化するだけでなく、企業活動そのものを見直し、新たな価値を生み出す取り組みです。
このDXを現場レベルで機能させるためには、従業員一人ひとりがITを理解し、日々の業務で使いこなせる状態であることが前提となります。
ツールやシステムを導入するだけではDXは進みません。
「なぜこのITツールを使うのか」
「どの業務にどう活かすのか」
を理解できるITリテラシーがあってこそ、DXは業務改善として定着していきます。
ITリテラシーは、大きく次の3つの能力に分けて考えることができます。
情報リテラシーとは、膨大な情報の中から必要な情報を見極め、正しく活用する能力です。
インターネットや社内外のデータが業務判断の材料となる現在、情報の信頼性や取り扱い方法を理解していないことは、そのまま業務リスクにつながります。
コンピュータリテラシーとは、パソコンや業務ツールを業務目的に応じて使いこなす力です。
Excelなどの表計算ツールを使ったデータ整理や、業務アプリケーションの基本操作は、特別なスキルではなく業務の土台となっています。
ネットワークリテラシーは、インターネットやクラウド環境を安全かつ適切に利用するための知識や意識を指します。情報漏洩やSNSトラブルを防ぐためにも、モラルとセキュリティの理解はすべての社員に必要です。
ITリテラシーが十分でない状態が続くと、単に「ITが苦手な社員がいる」という話にとどまらず、業務の質・スピード・安全性にまで影響が及びます。ここでは、現場で実際に起こりやすい課題を整理します。
ITリテラシーが低い組織では、業務のデジタル化が部分的にとどまりやすく、紙やExcelの属人的な運用が残りがちです。例えば、Excelで管理しているデータが個人ごとに分散していたり、集計や転記作業を手作業で行っていたりするケースは珍しくありません。
その結果、業務時間は減らず、DXの効果も実感しにくくなります。
ITリテラシーが不足していると、新しいツールやシステムを導入しても、「使うこと」が目的化しやすくなります。
ツールの機能や活用意図を理解しないまま運用が始まると、従来の業務フローをそのまま置き換えただけになり、業務全体の見直しにはつながりません。
メール、チャット、オンライン会議など、業務コミュニケーションの多くはITツールを前提としています。
特に、部門や世代によってITスキルに差がある企業では、「伝えたつもり」「聞いたつもり」による業務ミスや手戻りが発生しやすく、結果として業務効率や信頼関係にも影響を及ぼします。
ITリテラシーが低い状態では、情報セキュリティに対する意識も属人的になりがちです。
これらは大きな事件として表面化しなくても、
常に企業の信用や業務継続に影響を与えかねない状態だと言えます。
ITリテラシーにばらつきがあると、「詳しい人に聞く」「その人がいないと進まない」という状態が生まれます。
この属人化は、業務の停滞や引き継ぎリスクを高めるだけでなく、DX推進そのものを不安定にします。
ITリテラシーが低い状態では、DXが進まない原因をツールやシステムの問題だと捉えがちです。
しかし実際には、ITを理解し、業務に結びつけて考える力そのものが不足していることが、根本原因になっているケースも少なくありません。
この状態が続くと、改善策が的外れになり、投資と効果がかみ合わない状況が続いてしまいます。
ITリテラシーの向上は、単なるスキルアップにとどまりません。
業務の進め方や意思決定の質を底上げし、DXや情報セキュリティを「一時的な取り組み」で終わらせないための基盤となります。
ここでは、企業が実感しやすいメリットを整理します。
社員のITリテラシーが高まると、ITツールを「使えるかどうか」ではなく、「業務にどう使うか」という視点で扱えるようになります。
その結果、Excelによるデータ整理や集計、メールやツールを使った情報共有がスムーズになり、日々の業務にかかる時間と手戻りが減っていきます。
ITリテラシーが高い組織では、新しいツールやシステムを導入する際も、
✔ どの業務を改善したいのか
✔ どの機能をどう使うのか
といった目的が明確になります。
そのため、ツール導入が「入れて終わり」になりにくく、現場での定着や活用につながりやすくなります。
DXは一部の担当者や専門部署だけで進めても、十分な成果を出すことは難しい取り組みです。
ITリテラシーが社内に広がることで、現場レベルから業務改善の視点やアイデアが生まれやすくなり、DXが組織全体の取り組みとして機能します。
ITリテラシーの向上は、情報セキュリティ対策の実効性を高めることにも直結します。
情報の重要性やリスクを理解していれば、日常業務の中での小さな判断ミスや油断を減らすことができます。
ツールやルールに頼るだけでなく、「なぜ守る必要があるのか」を理解した行動が社内に根づくことで、セキュリティ事故の発生確率を下げることができます。
ITリテラシーが高い組織では、問題が起きた際にも早期に異変に気づきやすくなります。
誤送信や不審なメール、システムの異常などに対して、個々の社員が適切に対応できるため、被害が拡大しにくくなります。
これは、企業の信用や事業継続を守るうえでも重要なメリットです。
ITリテラシーが高まることで、社員は「言われた作業をこなす」だけでなく、
✔ なぜこの業務が必要なのか
✔ もっと良い方法はないか
と考えられるようになります。
2026年のビジネス環境では、ITやデータを使わない業務はほとんど存在しません。
DXを継続的に進め、情報セキュリティを守るためには、社員全体のITリテラシーを底上げする仕組みづくりが重要です。
ITパスポートなどの基礎知識の習得や、業務に即した教育を取り入れる企業も増えていますが、日常業務と並行してすべてを内製で進めるのは簡単ではありません。
もし、IT人材不足やDXの停滞に課題を感じている場合は、外部の専門人材を活用することも一つの方法です。
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