ビックデータのデータ処理や分析がますます身近になっている現代、初心者でも手軽に使えるツール「Power Query(パワークエリ)」をご存知でしょうか?
定期的に同じような手順でデータ編集や加工をしている方に、おすすめのツールです。
このブログでは、Power Queryとは何か、どのように活用できるのか、そしてExcel(エクセル)との違いについて解説します。さらに、使い方のコツや便利なテクニックもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
Power Queryと聞いて、そもそもどんなツールなのか、ご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずはPower Queryの歴史や、概要についてご紹介致します。
Power Queryは、Microsoftが開発したデータ処理ツールで、その歴史はExcelやPower BIなどのMicrosoft Office製品に深く関連しています。最初に登場したのは、Excel 2010の拡張機能としてでした。Excel2016 からは「データの取得と変換」として標準機能に組み込まれました。
その後、Power Queryは独自のアプリケーションとして発展し、Microsoft Power BIにも統合されました。この進化により、Power QueryはExcelやPower BIを超えて、データ処理の専門ツールとして広く利用されるようになりました。
機能がリボンに網羅されているので、ローコードで操作できると言われています。(一部M言語が必要)
"Query(クエリ)"とは、データベースや情報システムでデータを取得するための問い合わせや要求を指します。データベースクエリは、データベースから情報を取り出すために使用され、データの絞り込みや変換が可能です。
Power Queryでは、この概念をデータ処理の文脈に応用し、異なるデータソースからデータを取得し、変換・整形し、結合し、最終的なデータセットを作成するための操作を指します。
Power Queryを利用することで、マクロやSQL等のクエリのスキルがなくてもデータ処理作業を効果的に行うことができます。
Power Queryは、データの処理と変換を効率的かつ柔軟に行うためのツールです。基本的な操作は次の4つのステップで構成されています。
複数のデータソースを結合して、より詳細な情報を生成することができます。データの結合や追加、クエリ間の操作を通じて、複雑なデータの連携を実現します。これにより、複数のデータソースから得た情報を効果的に統合し、データ分析をすることが可能です。
最終的なデータセットを作成し、ExcelやPower BIなどのアプリケーションにデータを読み込みます。このステップで、変換されたデータ結果を目的の場所に配置し、分析やレポート作成に利用できるようになります。
Power Queryは、さまざまな職種でデータ処理に活用できる強力なツールです。Power Queryの活用例について一部を紹介します。
Power Queryを使用すると、元のデータを直接変更せず、Power Query内で整形や結合を行うため、元データを壊す心配がありません。
Excelで大量のデータを扱っていると、先頭にある「0」が消えたり、株式会社などの表記の揺らぎが発生することはありませんか?Power Queryを活用すると、簡単にデータを整形することが可能です。
Power Queryを使用して、データ型を変換できます。例えば、テキストデータを数値に変換したり、日付データを正確にフォーマットしたりすることができます。
様々なデータソースから、データを結合したり、並べ替えたりする作業をしていませんか。
Power Queryを活用すると、商品IDと商品の情報を紐づけたり、POSデータの売上をカテゴリごとに管理したりすることが出来ます。
WEBからデータを取得し、分析に使用できます。たとえば、競合他社の価格情報を収集して市場調査を行う場合、Power Queryを使って簡単にデータを抽出できます。
大量のテキストファイルやCSVファイルがある場合、これらをPower Queryを用いて一つのデータセットに統合することが可能です。
Power QueryとExcelの違いは下記の図の通りです。
項目 | Power Query | Excel |
元データ | 変更しない | コピーしてから使用 |
データの更新 | ボタン1つで更新 | 再度データをコピーし、 数式などの修正が必要な可能性がある |
処理変更 | 同じ処理ならソース変更で可能 | 関数などを組みなおす必要がある |
大量データの処理 | ビックデータに接続可能 | 大量データの扱いには制限がある |
データソース | BigQuery・Azure・CSVなどさまざまなソースに接続可能 | Excelにデータをコピーする必要がある |
ここでは実際にCSVデータをPower QueryでExcelに取り込む方法を解説します。
今回使用するCSVの内容
まず、取り込むデータを確認してみましょう。今回使用するデータはCSVとなっており、ダブルクリックで開くとExcelのアプリケーションを介して開きます。
タブルクリックで開いた場合
Excelのアプリケーションで開いた場合以下の事象が発生します。
ではこのCSVファイルをPower Queryで接続し、Excelで開いてみましょう。
(1)Power Queryに取り込みたいデータを用意する
(2)Excelを起動し、新しいブックを作成する
(3)《データ》 タブの《データの取得と変換》グループ の《テキストまたはCSVから》をクリック
(4)該当のファイルを選択し、「インポート」をクリック
(5)プレビュー画面を確認すると、IDが「0落ち」しているため《データの変換》をクリック
(6)Power Queryエディターが開く(Power Queryエディターの詳細については次回以降のブログで紹介します)(7)IDの列を選択し《データ型》の《▼》をクリックし《テキスト》を選択
(8)I列タイプの変更の確認が出てきたら《現在のものを置換》をクリック
(9)ID列に0がついたことを確認し《閉じて読み込む》をクリック
(10)IデータがExcelシートにテーブルとして読み込まれる
今回は、Power Queryとは何か、どのように活用できるのか、そしてExcel(エクセル)との違いについて解説いたしました。
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