コラム ~ 業務効率化・業務自動化についての最新情報、用語、ノウハウなど ~

目的別!Excel(エクセル)の関数やピボットテーブルなど集計機能の活用法を解説

作成者: admin_dg|Sep 15, 2022 12:00:00 AM

店舗別の売上や取引件数の集計など、日々の業務で集計に追われていませんか。
集計は現状分析のために必要な作業ではあるものの、時間を割きすぎると肝心のコア業務が人員不足に陥ってしまいかねません。

この記事では、Excel(エクセル)の集計の4つの種類と役割を丁寧に説明し、目的別の活用例や操作手順などを初心者でもわかりやすくご紹介します。
明日から業務に生かせるレポート化に役立つ便利機能や集計の注意点も合わせて解説しますので、Excelの集計で業務効率をあげたい方はぜひ参考にしてください。

監修:みずき さん
EXCEL女子の研修講師をしています。Excel研修では「覚える」だけではなく「理解する」ことで、自身の力としてExcelスキルを身につけられる研修を実施しています。研修をするたびにExcelが大好きになり、Excelってすごい!と実感しています。Excelの他には写真が好きで食べ物や風景を撮影しています!

Excel(エクセル)でできる4つの集計方法とは?

まずは、Excelでできる4種類の集計方法について解説します。

小計

「小計」機能は、項目別の合計を出すときに使用します。
複雑な入力が必要なく、クリック操作だけで集計が完了できます。

例えば店舗ごとの売上合計や月間の取引件数の合計など、ちょっとした集計を出したいときに活用するのがおすすめです。

統合

「統合」機能は、複数のシートやワークブックにリストが分散しているときに使用します。
実際の業務では支店ごとにExcelが別作成されているケースも多いため、ひとつのリストしか計算できない「小計」機能よりも汎用性が高いという特徴があります。

関数

「関数」とは、目的に合わせて、特定の計算を行うために、Excelに定義されている数式です
「小計」や「統合」より手間なく作業が完了し、入力値に連動して結果を随時更新してくれるというメリットがあります。

月末の売上集計や期末の取引収支など繰り返し発生する業務を「関数」でフォーマット化すれば、集計業務を自動化することができるため、業務の大幅な時短が期待できます。

ピボットテーブル

「ピボットテーブル」は、分析したい項目を指定すると、データの抽出や集計、グラフ化を簡単に行ってくれる機能です。
Excelのグラフ機能よりもすばやくデータを可視化でき、項目の入れ替えが簡単なので、集計からレポート作成まで一気に進めることができます。

【目的別】Excel(エクセル)の集計方法の使用例

ここでは実際の業務でどのように活用するか目的別の使用例を4つご紹介します。

店舗別の売上金額の合計を出したい

「小計」と「関数」の2パターンを解説します。

小計を利用する方法

(1)リストを項目別に並び替え
《データ》タブの《並び替えとフィルター》内にある《昇順》をクリックしリストを集計したい項目別に並び替えます。
今回は店舗を項目別に並び替えます。

(2)《データ》タブの《アウトライン》内にある《小計》をクリック

(3)集計の設定
グループの基準を「店舗」、集計の方法を「合計」とし、集計するフィールドの「売上金額」にチェックをいれ、《OK》をクリック

店舗別の売上金額の合計を出すことができます。

SUMIF関数を利用する方法

(1)集計結果を表示する表を作成
集計表を作成し、店舗、売上金額を入れていきます。

(2)SUMIF関数を入力
SUMIF関数とは、指定する項目(IF)に合致する数値だけを集計(SUM)してくれる機能です。
店舗別の売上金額を出すには、引数を「=SUMIF(店舗の範囲,店舗のセル,売上金額の範囲)」の順で指定します。
今回の例の場合、行と列を固定する絶対参照を使用し、
=SUMIF($B$3:$B$11,E3,$C$3:$C$11)」となります。

絶対参照に関して、こちらの記事もご覧ください。
【Excel入門】絶対参照とは?$(ドルマーク)の使い方をわかりやすく解説

(3)集計表を完成させる
他の店舗はオートフィルを使用して、数式をコピーすることで簡単に数式を入れることができます。

これで集計は完了です。

SUMIF関数に関して、こちらの記事もご覧ください。
【時短テク】SUMIF関数・SUMIFS関数で条件付きの集計作業を効率UP!

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店舗別の取引件数を出したい

店舗別に何件取引があったかを数えたい場合などは、「COUNTIFS関数」を利用します。

(1)集計結果を表示する表を作成
集計表を作成し、集計したい店舗、取引先名、取引先件数を入れていきます。

(2)COUNTIFS関数を入力
COUNTIFS関数は複数の条件(IFS)を指定してセルを数える(COUNT)ことができ、「=COUNTIFS(範囲1,検索条件1,範囲2,検索条件2, ...)」で表します。
店舗別の取引件数を数えるには、「=COUNTIFS(店舗の範囲,店舗,取引数名の範囲,取引先名)」で表します。
今回の例の場合「=COUNTIFS($B$3:$B$11,F3,$C$3:$C$11,G3)」となります。

(3)集計表を完成させる
他の店舗はオートフィルを使用して、数式をコピーすることで簡単に数式を入れることができます。

これで集計は完了です。

COUNTIFS関数に関して、こちらの記事もご覧ください。
知っておきたい!COUNTIF関数を活用した効率的なデータ分析

シート別に分かれた複数店舗の売上金額を合計したい

複数のシートに別れたリストの合計を出す場合、「統合」機能を使用します。

(1)集計結果を表示する場所を指定
新規シートを作成して集計結果を表示したいセルを選択します。
今回は、「統合」シートのセル【A1】を選択します。

(2)《データ》タブの《統合》をクリック

(3)統合の設定
「統合元範囲」にカーソルを合わせ、各シートのリストを範囲選択し「追加」をクリックします。
範囲選択に合計は含めないようにしましょう。
下部にある「統合の基準」の、「上端行」と「左端列」にチェックを入れます。

(4)統合元にすべてのシートを追加出来たら《OK》をクリック

(5)店舗別の集計表が作成される

店舗別の各商品売上を集計したい

店舗別の各商品売上を集計したい場合、「ピボットテーブル」を使用します。

(1)《挿入》タブから《ピボットテーブル》をクリック

(2)表示されたダイアログボックスで、テーブル/範囲を確認し、《OK》をクリック

(3)ピボットテーブルのフィールドを設定
シートの右側に表示される「フィールド」で、集計したい項目をドラッグ&ドロップで操作します。
店舗別の各商品売上を集計したい場合は、「行」に「店舗と商品」、「値」に「売上金額」を入れると集計が完了します。


ピボットテーブルに関して、以下の記事もご覧ください。
上司も大満足!ピボットテーブルを活用したデータ集計で、一歩差がつく表作成を

集計後のレポート化に役立つ関数と機能

ここでは、集計したデータをレポートにして報告する際に、完成度をワンランク上げるための豆知識をご紹介します。

店舗別の売上順位をつけるRANK.EQ関数

RANK.EQ関数(ランクイコール)とは、「=RANK.EQ(数値,参照,順序)」という数式でデータを並び替えることなくランキングできる関数です。

この「順序」は、0か空欄は降順、それ以外の数字は昇順になります。
店舗別の売上順位をつけたい場合は、「=RANK.EQ(売上,売上データの範囲,0)」で表します。

データ数が多いときも即座に順位を可視化できるため、簡単にわかりやすいレポートが作成できます。

ピボットグラフ

ピボットグラフは、作成したピボットテーブルを簡単にグラフ化できる機能です。
この機能は《ピボットテーブルツール》《分析》タブから《ピボットグラフ》をクリックすると利用できます。

前項目で作成したピボットテーブルをピポットグラフで棒グラフを作成してみます。

データを簡単に視覚化するだけでなく、ピボットテーブルの分析する項目を入れ替えるとグラフにも反映されます。
レポートを多角的に分析したい場合や、さまざまなデータを比較したい場合に役立ちます。

集計やレポート作成時の注意点

正確で迅速な集計を行うためには、事前に統一性のあるデータを準備することが欠かせません。
もし元データの入力ルールが統一されていなかったり、セルの結合や空欄があったりする場合、今回ご紹介した集計機能を活用することができなくなってしまいます。

データ入力に関して、こちらの記事もご覧ください。
データ入力のルール!Excel(エクセル)の入力方法を守るだけでデータの価値が変わる

集計方法を使いこなして業務効率化

集計作業はデータの分析に欠かせない作業だからこそ、積極的に効率化すべき分野です。
それぞれの集計方法の特徴や注意点をふまえて、集計作業だけでなくレポート作成や分析などにも活用してゆきましょう。

当社の「Excel研修」は集計方法はもちろん、業務に活かしていける関数や、すぐに使えるショートカットキーなどを学べます。
社員のExcelレベルが上がることで、業務効率化につながります。
社員のスキルの底上げをしてゆきたい、コア業務に時間を割いてゆきたいなど、お考えでしたらいつでもお気軽にご相談お待ちしております。