人手不足の企業が年々増加し、多くの担当者が「なぜ人材不足になったのかわからない」「どう対策すればいいのか」と頭を悩ませています。
そこで本記事では、人手不足が起こる原因や社会背景、経営や社員に及ぼす影響などを詳しく解説しました。
さらに後半では「人手不足解消のための業務効率化事例」や「対策5選」を具体的にご紹介しますので、人手不足の原因を突き止め解消したいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
人手不足が発生する原因には、社会的背景や職場環境の変化がかくれています。
日本の人手不足の主な原因は、少子高齢化の加速です。
内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、2020年時点で 15〜64歳の生産年齢人口は7,406万人ですが、2065年には約4割減の4,529万人に落ち込むと予想されています。
参照:内閣府「令和4年版高齢社会白書」
日本の人口は都市部に一極集中しており、特に若者の東京への人口流出が進んでいます。
そのため地方企業は有効求人倍率が高いのに応募が来ず、都市部に比べて人手不足に陥りやすくなっています。
厚生労働省が実施した「令和2年転職者の実態調査の概況」によると、20〜40代の26.9%は2〜5年で転職しています。
働き方や雇用形態が多様化し、労働条件を理由にした転職も当たり前になるなか、時代のニーズにマッチしていない企業はますます人手不足になっていくでしょう。
参照:厚生労働省「令和2年転職者の実態調査の概況」
人手不足の原因となる早期離職の理由は、ほとんどが待遇や組織風土、業務内容などのミスマッチです。
そのため採用段階で認識の相違がないかよく確認することで、将来の人手不足を予防することができます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術を駆使して業務効率化し、人手不足解消につなげる試みです。
しかしDX推進にはシステムの専門知識・ノウハウが必要になるため、「DX人材不足」に陥っているせいでデジタル化が進んでいない中小企業も少なくありません。
慢性的な人手不足に陥ると、企業経営にも悪影響です。
企業で人手や人材が不足すると、顧客対応や社員教育など、こまごました業務のきめ細やかな対応ができなくなります。そのまま人手不足という課題を放置すると、企業としての市場競争力は落ち、経営が立ち行かなくなっていくでしょう。
この状態では事業を縮小せざるを得ず、新規事業へ挑戦することも難しくなります。
長期的に人手不足が続く企業では、人材確保のために新規採用をし続けなければなりません。
しかし採用活動をし続けることは金銭面だけでなく採用担当者の負担も増大していくため、企業の経営が圧迫されたり、労働状況の悪化により、さらなる人手不足を招く危険性があります。
人手不足は企業だけでなく、働く社員にもさまざまな負担がかかります。
人手不足の職場では足りないリソースを補うため、残業時間が増えたり、休暇を取りづらいなど、労働環境が悪化しがちです。
また、ストレスによって人間関係が悪化したり、将来への不安や不満が増すことでさらなる離職者・求職者が増加するなど、負のスパイラルにはまる傾向があります。
リソース不足の環境では各担当の業務負荷が増えるため、知らず知らずのうちに「働きがい」が失われ、勤労意欲が低下しがちです。
厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析」によると、社員側は約80%が「モチベーションの低下」を問題視しているのに対し、企業側は約60%しかこの課題を認識していませんでした。
このような労使間のギャップを埋めるためにも、人手不足の企業は新規採用に注力するだけでなく、社員のモチベーションアップのための取り組みが必要だといえます。
参照:厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」
人手不足の企業では必然的に社員が多忙になるため、自己啓発の時間やOJTの機会も減少してしまいます。
しかし、社員の成長は自社の利益や競争力向上に直結するため、リスキリングなどの学ぶ機会は確保すべきです。
人手不足の解消には、自社の魅力を高めて離職率を下げることが肝心です。
新規採用をしても労働環境が悪いままではすぐ離職してしまうため、業務効率化や生産性向上などに取り組むことで、根本的解決を目指す必要があります。
ここでは人手不足解消に有効な対策を5つご紹介しますので、取り組みやすいものから実践していきましょう。
まずは社員が働きやすい環境を整え、離職率を下げることに注力します。
具体的には賃金や福利厚生、労働条件、人事制度などを見直し、リモートワークや時短勤務・フレックス勤務など、働き方改革にも積極的に取り組むことが大切です。
「誰でも働きやすい職場」を目指しましょう。
自社だけで人材不足解消が難しい場合や採用コストが負担な場合、人材派遣やアウトソーシングなど外部企業の活用が有効です。
事務や受付、コールセンターなどのノンコア業務を委託すれば、従業員に余裕が生まれ、離職率を下げるための社内体制構築や、本来の業務に集中するための環境整備ができます。
また、外部企業からDX人材の派遣を受け自社のIT化を推進すれば、長期的な人手不足解消の手助けにもなるでしょう。
社内業務をDX化できれば、ルーチンワークや手作業の自動化など、業務効率化を一気に進めることができます。
RPAやAIを活用すれば作業の処理速度があがるだけでなく、人的ミス防止、精度向上、社員の負担軽減にもつながるでしょう。
DX推進は人材不足解消に直結するため、派遣などの外部人材を活用して早めにIT人材を確保するのがおすすめです。
人手不足を今すぐ解決したい場合は、採用要件や基準を見直して採用の幅を広げてみましょう。
女性や高齢者、外国人などを受け入れたり、再雇用を推進する、正社員以外の契約社員やアルバイト・パートの比率を増やすことで、求人応募が増える可能性が高まります。
なお、単に採用人数を増やすだけでは人材のミスマッチが起こりやすくなるので、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、紹介予定派遣などを活用することも大切です。
今いる社内人材のスキルを高めることで、生産性を上げて人手不足を解消することも可能です。
研修などの学習機会を充実させ、新しいスキルの習得を促すことで、社員のモチベーションを上げたり、DX化への対応、配置転換もスムーズになります。
「学び直し制度」や「リスキリング制度」を導入するなど、個人の適性に合った研修機会を提供し、社員が今以上に力を発揮できるようサポートしましょう。
人手不足が企業に及ぼす影響は大きく、現状を放置すればするほど生産性は低下し、現場の負担は増え続けていきます。
日本の人手不足は今後も深刻化が進むため、「自社は大丈夫」「まだ人手不足ではない」と安心している企業こそ、早めに対策をとることが大切です。
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