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《経済産業省も注目》DX人材育成を成功させる企業の共通点とは?

更新日:2026.01.27

《経済産業省も注目》DX人材育成を成功させる企業の共通点とは?
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《経済産業省も注目》DX人材育成を成功させる企業の共通点とは?

目次

近年、企業のデジタル変革(DX)が急務となる中で、「DX人材」の育成は多くの企業にとって喫緊の課題となっています。特に人事担当者や経営層の方々は、DX推進に必要な人材が不足している現状に頭を悩ませ、「どうすれば自社でDXを加速できるのか」という問いに対し、具体的な答えを求めているのではないでしょうか。

この記事では、経済産業省もその重要性を強調するDX人材育成について、成功している企業が共通して実践している具体的な方法論を深掘りして解説します。

単なる概念的な話に留まらず、明日から自社で実践できる具体的なステップや、他社の成功事例を通じて、貴社が抱える課題解決のヒントと、DX人材育成を成功に導くための実践的な道筋を提示します。

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なぜ今、DX人材育成が企業の最重要課題なのか?

コラム挿絵 (31)

現代のビジネス環境は、

  • 市場のグローバル化

  • 顧客ニーズの多様化

  • デジタル技術の急速な進化

により、これまでにないスピードで変化しています。

このような状況下で企業が持続的に成長し、競争優位性を確立するためには、デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革、すなわちDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が不可欠です。
DXは単なるIT化や効率化に留まらず、新たな価値創造や顧客体験の向上を目指す、経営戦略そのものと言えます。

このDXを成功させる上で最も重要な要素の一つが、「DX人材」の確保と育成です。

多くの企業がDXの重要性を認識しながらも、推進のボトルネックとなっているのが、DXを牽引できる人材の不足です。デジタル技術を理解し、それをビジネス課題の解決や新しい事業創出に結びつけることができる人材が社内にいなければ、どれほど優れた戦略を立てても絵に描いた餅になってしまいます。

DXを推進できない企業は、市場の変化に取り残され、

  • 既存事業の競争力低下

  • 生産性の停滞

  • 市場シェアの喪失

といったリスクに直面します。

さらに、デジタル変革が進む他社に優秀な人材が流出し、企業の活力が失われる可能性も否定できません。
このような危機的状況を回避するためにも、企業は「採用」に加えて、自社の文化や事業特性を理解した「育成」に注力し、内側からDXを推進できる人材を育むことが、今や最優先の経営課題となっているのです。

DX人材育成の現状と「2025年の崖」以降の日本企業

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日本企業におけるDX人材不足は、現在もなお、解消されたとは言い難い状況にあります。
経済産業省の調査や各種レポートにおいても、多くの企業がDXの必要性を認識している一方で、実行を担う人材の不足が最大のボトルネックとなっている実態が明らかになっています。

ここで言うDX人材とは、単に高度なITスキルを持つ専門家だけを指すものではありません。
デジタル技術を理解し、それを業務改善や事業成長に結びつけて実行できる人材全般が不足していることが、より本質的な課題となっています。

多くの企業が人材育成の必要性を感じながらも、

「何から育成すべきかわからない」
「現場が忙しく、育成に時間を割けない」
「育成しても実務で活かしきれない」

といった理由から、具体的な育成プログラムの構築や、成果創出まで至っていないケースが少なくありません。

こうした状況を象徴するキーワードとして、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」で示された「2025年の崖」があります。これは、老朽化・複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムが限界を迎え、DXが進まなければ年間最大12兆円規模の経済損失が生じる可能性がある、という警鐘でした。

そして2025年を迎えた今、この警告は「予測」ではなく「現実として向き合うフェーズ」に入っています。
実際には、レガシー刷新やDX推進に着手できた企業と、十分に手を付けられなかった企業との間で、対応状況の二極化が進んでいるのが実情です。

この問題の根底には、

  • レガシーシステムを理解するIT人材の高齢化・引退

  • 新しいデジタル技術を業務に落とし込める人材の不足

  • 属人化した業務やシステムに依存した組織構造

といった、人材と組織の両面にまたがる課題があります。

DXやシステム刷新が進まなければ、企業の競争力低下にとどまらず、事業継続そのものに影響を及ぼすリスクも現実的なものとなります。そのためDX人材育成は、もはや中長期的な成長戦略ではなく、企業が今後も事業を続けていくための必須条件として捉え直されつつあります。

2026年以降のDX人材育成において問われているのは、
「育成するかどうか」ではなく、
「どのように現場で機能するDX人材を確保・活用するか」という実行フェーズの設計なのです。

経済産業省が示す「デジタルスキル標準」の重要性

DX人材の育成を進める上で、

  • どのようなスキルを身につけさせるべきか

  • どのように育成プログラムを構築すればよいか

といった問いに明確な指針を示すのが、経済産業省が策定した「デジタルスキル標準(DSS)」です。

DSSは、DXを推進するために必要なスキルや知識を体系的に整理し、企業や個人がDXリテラシーを習得し、DX推進に必要なスキルを学習・活用するための羅針盤として機能します。

このDSSは、大きく分けて「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の2つの基準から構成されています。

「DXリテラシー標準」

すべてのビジネスパーソンが身につけるべきDXに関する基本的な知識やスキルを定義しており、企業全体のデジタルリテラシー底上げに役立ちます。

「DX推進スキル標準」

DXを推進する専門人材(後述する5つの人材類型)に求められる具体的なスキルや能力を詳細に規定しており、より専門的な人材育成の設計に活用できます。

企業はDSSを活用することで、まず自社の事業戦略やDXのフェーズに基づき、どのようなDX人材が、どのレベルで必要であるかを具体的に定義できるようになります。

これにより、漠然とした「DX人材が必要」という認識から、「ビジネスアーキテクトが〇名、データサイエンティストが〇名必要で、それぞれにA、B、Cのスキルが求められる」といった具体的な目標設定が可能になります。DSSは、育成計画を立てる上での共通言語として機能し、体系的かつ効果的なDX人材育成プログラムの設計に大きく貢献する重要なツールと言えるでしょう。

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そもそもDX人材とは?IT人材との違いを解説

コラム挿絵 (32)

近年、多くの企業で「DX人材」という言葉を耳にする機会が増えましたが、「IT人材」とは何が違うのだろうと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。DX人材とIT人材は、デジタル技術に関わる点では共通していますが、その役割と目的には明確な違いがあります。

IT人材

主に情報システムの構築、運用、保守といった領域を専門とし、既存の業務プロセスを効率化するための技術的な側面を担ってきました。

例えば、基幹システムの導入ネットワークインフラの整備セキュリティ対策などがこれに該当します。彼らは、決められた要件に基づいてシステムを正確に動かすことに長けている、いわば「デジタルを支える専門家」と言えるでしょう。

DX人材

デジタル技術を単なる効率化の手段としてではなく、「ビジネスモデルや組織、企業文化そのものを変革する」ことを主導する人材を指します。

顧客ニーズの変化や市場の動向を敏感に捉え、AIやIoT、クラウドといった先端技術を活用して新たな製品やサービスを生み出したり、既存事業にイノベーションを起こしたりすることがその役割です。そのため、技術スキルだけでなく、ビジネス課題を発見し、その解決策を企画・実行する能力、さらには周囲を巻き込み、組織全体を動かすリーダーシップや、変化を恐れない変革マインドが不可欠となります。

この違いを理解することは、自社がどのような人材を育成・採用すべきかを明確にする上で非常に重要です。

IT人材は「守りのデジタル」、DX人材は「攻めのデジタル」と捉えることもでき、両者は異なる役割を担いながらも、企業のデジタル戦略を推進する上で欠かせない存在と言えます。

DX人材に求められる5つの役割(人材類型)

コラム挿絵 (8)

経済産業省が発表している「デジタルスキル標準」では、DXを推進するために特に重要となる人材を、5つの類型に分けて定義しています。これらは単独で機能するのではなく、それぞれの専門性を持ち寄り、チームとして密接に連携しながらDXプロジェクトを成功に導く存在です。企業が自社のDX戦略を進める上で、どの役割の人材を強化すべきか、また各役割にどのようなスキルセットが求められるのかを理解することは、効果的な人材育成・採用計画を立てる第一歩となります。

このセクションでは、デジタルスキル標準で示されている
「ビジネスアーキテクト」
「デザイナー」
「データサイエンティスト」
「ソフトウェアエンジニア」
「サイバーセキュリティ」
という5つのDX人材類型について、それぞれの概要と求められる役割を解説します。

ビジネスアーキテクト

「ビジネスアーキテクト」は、DX推進における要となる存在です。
彼らは、経営戦略や事業戦略に基づき、デジタル技術を活用してどのようなビジネス変革を実現するのかという、DXのグランドデザインを描く役割を担います。

具体的には、ビジネス課題を深く理解し、デジタル技術で解決できる可能性を見出し、新たな事業やサービスを企画・設計し、その実現に向けたプロジェクト全体を主導していきます。

この役割には、高度なビジネス理解力、論理的思考力、そして多くの関係者を巻き込みながらプロジェクトを推進するリーダーシップが求められます。単に技術に詳しいだけでなく、市場の動向や顧客のニーズを捉え、ビジネスモデルを再構築する構想力も不可欠です。

多くの企業でDX推進の中核人材として最も不足していると言われており、このビジネスアーキテクトの有無が、DXの成否を大きく左右すると言っても過言ではありません。

デザイナー

DXにおける「デザイナー」の役割は、単に製品やサービスの見た目を美しく整えることに留まりません。
彼らは、顧客中心の視点に立ち、ビジネスの視点も取り入れながら、デジタル製品やサービスの「体験価値(UX:User Experience)」全体を設計する専門家です。

顧客がどのような課題を抱え、何を求めているのかを深く理解し、そのニーズに応える使いやすいインターフェース(UI:User Interface)や、心地よいサービスフローを作り出すことを目指します。

ユーザー調査やプロトタイピング(試作品開発)を繰り返し、仮説検証を通じて最適なソリューションを導き出すアプローチが特徴です。デザイン思考と呼ばれる思考法を用いて、顧客の真のニーズを捉え、それを具体的な製品やサービスに落とし込むスキルが強く求められます。

デザイナーは、デジタル技術が提供する機能を、ユーザーにとって価値ある体験へと昇華させる重要な役割を担っています。

データサイエンティスト

「データサイエンティスト」は、現代ビジネスにおいて、膨大なデータから新たな価値やビジネスチャンスを見出す専門家です。AIや機械学習、統計学といった専門知識を駆使して、企業内外に蓄積されたデータを分析し、そこからビジネス課題の解決に繋がる洞察や仮説を導き出します。

例えば、顧客の購買履歴データから最適なプロモーション施策を提案したり、生産ラインのセンサーデータから異常を検知して生産効率を向上させたりと、その活躍の場は多岐にわたります。

単にデータを分析するだけでなく、その結果を経営層や事業部門の担当者に分かりやすく伝え、具体的な意思決定を支援するコミュニケーション能力も不可欠です。

データドリブンな意思決定を組織に浸透させる上で、データサイエンティストはデータの「読み手」ビジネスの「橋渡し役」という重要な役割を果たします。

ソフトウェアエンジニア

「ソフトウェアエンジニア」は、DXの戦略やデザイナーが描いた体験価値に基づき、実際にデジタルシステムやサービスを構築し、運用を担う技術のプロフェッショナルです。

彼らは、Webアプリケーションモバイルアプリ、クラウドサービスなど、様々なソフトウェアを開発し、安定稼働を維持することで、DXを具体的な形にする役割を担います。

現代のソフトウェア開発では、顧客のフィードバックを迅速に取り入れながら開発を進めるアジャイル開発手法や、クラウド環境を最大限に活用するスキルが求められます。
また、新しい技術トレンドに常にアンテナを張り、変化に柔軟に対応できる能力も重要です。

ビジネスサイドの要求を正確に理解し、それを技術的な実現可能性と結びつけながら、高品質なデジタルソリューションを提供することがソフトウェアエンジニアのミッションと言えます。

サイバーセキュリティ

DX推進が加速する現代において、「サイバーセキュリティ」の専門家の役割は、これまで以上に重要性を増しています。企業がデジタル技術を積極的に活用し、クラウドサービスの導入やデータの連携が進むほど、外部からのサイバー攻撃や情報漏洩のリスクも増大するからです。

サイバーセキュリティの専門家は、企業のシステムやデータをこれらの脅威から守るために、技術的な対策を講じるだけでなく、ビジネスへの影響を考慮したリスクアセスメント(危険性評価)を行います。

また、全社的なセキュリティポリシーを策定し、従業員へのセキュリティ意識向上を促す啓蒙活動も重要な任務です。

彼らは、企業のデジタル資産を守り、DXを安全かつ持続的に推進するための基盤を築く、いわば「デジタル社会の番人」と言えるでしょう。

DX人材に必要なスキルとマインドセット

DX人材と一口に言っても、前述の5つの人材類型のように、それぞれ専門とする役割やスキルは異なります。
しかし、どのような役割を担うDX人材であっても、共通して求められるスキルとマインドセットがあります。
これらを身につけることが、DXを成功に導くための土台となります。

スキル面

特定のデジタル技術に関する知識や技術的な実装能力といった「ハードスキル」はもちろん重要です。
しかし、それ以上に、

  • ビジネス課題を特定し、解決策を導き出す「課題解決能力」

  • 多様な関係者と円滑に連携するための「コミュニケーション能力」

  • 複雑な情報を整理し、筋道を立てて考える「論理的思考力」

といった「ソフトスキル」が非常に重要になります。

これらのソフトスキルは、技術を単なる道具としてではなく、ビジネス変革に活かすための「知恵」と「行動力」の源泉となるからです。

マインド面

具体的には、変化を恐れずに新しいことへ挑戦する姿勢、一度学んだ知識ややり方にとらわれず、常に新しい情報を吸収し、自身をアップデートしていく「学び続ける意欲(アンラーニングの姿勢)」が求められます。

また、既存の常識にとらわれない柔軟な発想や、顧客やユーザーに深く共感し、その視点から物事を考える力も重要です。

失敗を恐れずに試し、そこから学びを得て次へと繋げる「アジャイルな思考」も、DX人材にとって欠かせないマインドセットと言えるでしょう。

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【本題】DX人材育成を成功させる企業の5つの共通点

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ここからは、DX人材育成を成功させている企業に見られる共通点を具体的に掘り下げていきます。
これらの共通点は、単なる理想論ではなく、明日から自社で実践できる具体的なアクションにつながるヒントが詰まっています。この章を読むことで、皆様の企業がDX人材育成の施策を検討する際の失敗リスクを減らし、投資対効果を高めるための具体的な指針を得られるでしょう。

1. 経営層が主導し、全社的な育成戦略を策定している

DX人材育成を成功に導く企業の第一の共通点は、育成が人事部任せにされず、経営層の強いコミットメントからスタートしていることです。
経営層が自社の明確なDXビジョンと事業戦略を示し、それと連動する形で人材育成戦略を策定・主導しています。

なぜ今DX人材が必要なのか育成した人材にどのような役割や活躍を期待するのかを全社に向けて一貫して発信することで、従業員一人ひとりがDXへの意識を高め、育成施策への積極的な参加を促しています。

また、育成への投資が単なるコストではなく、企業の将来を左右する重要な経営判断であると明示することで、現場の協力体制を築き、育成が形骸化するのを防いでいるのです。

2. 育成目標とスキルマップを明確に定義している

育成のゴールが曖昧なままでは、どれだけコストと時間をかけても期待する成果は得られません。
成功している企業では、この課題に対し、具体的な育成目標とスキルマップを明確に定義しています。

経済産業省が提唱する「デジタルスキル標準」などを参考にしながら、自社の事業戦略に必要な人材像(ペルソナ)を具体的に描き、各役割やスキルレベルに応じて求められる能力を詳細にスキルマップとして整備しています。

これにより、従業員は自身の目指すべきキャリアパスや習得すべきスキルが明確になり、自律的な学習を効果的に進めることができます。また、企業側も体系的で無駄のない育成プログラムを設計できるようになるため、学習効果の最大化につながります。

3. 「学び」と「実践」をセットにしたプログラムを導入している

研修やe-learningで知識をインプットするだけでは、スキルとして定着しにくいという課題は多くの企業で共通しています。DX人材育成に成功している企業は、「学び」と「実践」を絶えず循環させる仕組みを構築しています。

具体的には、座学で得た知識を実際の業務課題に適用するプロジェクト型学習(PBL)を取り入れたり、学んだスキルをすぐに試せるOJTやサンドボックス環境(仮想的な開発環境)を提供したりしています。

インプットとアウトプットを繰り返すことで、知識が「使えるスキル」へと昇華され、従業員のモチベーション向上学習効果の最大化を実現しています。実務直結型のプログラムは、従業員が自身の成長を実感しやすく、学びに意欲的に取り組む大きな原動力となります。

4. 社員が自律的に学べる環境と文化を醸成している

デジタルの進化が速い現代において、企業が提供する研修だけで従業員のスキルアップを賄うには限界があります。成功している企業は、従業員が自律的に学び続けられる環境と文化の醸成に注力しています。

例えば、

  • 場所や時間を選ばずに学習できるオンライン学習プラットフォームの導入

  • 業務時間の一定割合を学習に充てる「20%ルール」のような制度設計

  • 社員同士が知識や経験を共有し学び合うコミュニティの形成

  • 資格取得支援制度

などが挙げられます。

さらに、失敗を恐れずに新たな挑戦を奨励し、学習を通じて得られた知見を積極的に業務に活かせる企業文化が、自律的に成長し続けるDX人材を育む土壌となっています。

5. 育成の成果を可視化し、評価制度と連携させている

育成施策への投資を継続するためには、その成果を明確に示すことが不可欠です。
成功企業は、育成の成果を定量的に可視化し、それを評価・処遇制度と連動させています。

単に学習時間や研修修了率だけでなく、

  • 習得したスキルを活かした業務改善の件数

  • 特定プロジェクトでの貢献度

  • コスト削減額

  • 新たなビジネスチャンスの創出

といった、ビジネスインパクトに直結する指標(KPI)を設定し、その達成度を測定しています。

さらに、スキル習得や実践での貢献度を昇進・昇格、あるいは報酬に反映させることで、従業員の学習意欲を強力に引き出し、育成施策の実効性を一層高めているのです。

この客観的なデータは、単に育成の方向性を定めるだけでなく、経営層に対して育成投資の必要性目標達成に向けた根拠を説明する上でも重要な裏付けとなります。

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明日から始める!DX人材育成を成功に導く3ステップ

コラム挿絵 (9)

DX人材育成の重要性は理解しつつも、何から手をつければよいか分からないと悩む担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、漠然とした不安を解消し、明日から実践できる具体的な3つのステップをご紹介します。
最初から大規模な計画を立てるのではなく、小さな成功体験を積み重ねながら、着実に成果を出していくアプローチを推奨しています。各ステップで「何を」「どのように」行うべきかを明確に解説することで、皆さんがすぐに行動に移せるような具体的なガイドとなります。

ステップ1:現状把握と課題の特定(スキルアセスメント)

DX人材育成計画の第一歩は、自社の現状を正確に把握することから始まります。
社員のデジタルスキルやリテラシーレベルを客観的に評価する「スキルアセスメント」の実施が不可欠です。

アセスメントツールやアンケートを導入し、例えば

  • プログラミング経験の有無

  • データ分析ツール使用経験の有無

  • デジタルリテラシーに関する自己評価

などを収集します。

その結果を分析することで、全社的なスキルの強みや弱み部署や階層ごとの具体的な課題を特定できます。

ステップ2:育成計画の策定とスモールスタート

ステップ1で明らかになった課題に基づき、具体的な育成計画を策定します。

  • 全社員を対象とした「DXリテラシー向上」を目指すのか

  • 特定の部門や職種に特化した「DX推進人材の専門スキル強化」を目指すのか

など、育成の目的を明確にし、対象者を分けましょう。


この際、最初から完璧な計画を目指すのではなく、特定の部署や特定のテーマに絞ってパイロットプログラムを実施する「スモールスタート」を推奨します。例えば、特定の部署でデータ分析の基礎研修を実施し、その効果を検証するといった方法です。

小さな成功体験を積み重ねることで、社内の協力者を増やし、全社展開への道筋をつける鍵となります。

ステップ3:外部リソース(研修・助成金)の戦略的活用

DX人材育成は、自社だけで全てを賄う必要はありません。
外部リソースを賢く活用することで、より効果的かつ効率的な育成が実現できます。
質の高いe-learningサービスや専門的な研修プログラムを提供している外部企業をパートナーとすることで、最新の知識や実践的なノウハウを取り入れ、自社の工数削減にも繋がります。

国や自治体が提供している「人材開発支援助成金」などの公的支援制度も積極的に活用しましょう。
これらを活用すれば、コストを抑えながらも効果的な育成プログラムを実施できます。自社の目的に合った外部リソースを戦略的に選定し、育成計画に組み込むことが成功への重要なポイントです。

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大手企業から学ぶDX人材育成の成功ポイント

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DX人材育成の重要性は理解しつつも、具体的な施策に落とし込む際に「他社はどうしているのだろう」と疑問に感じる担当者の方も多いのではないでしょうか。

このセクションでは、理論だけでなく、実際にDX人材育成に成功している大企業の具体的な取り組み事例を3つご紹介します。それぞれの事例において、企業が直面していた課題、それに対してどのような施策を実行し、どのような成果を上げたのかを明確に解説します。

これらの事例から、自社の状況と照らし合わせながら、DX人材育成を成功させるための実践的なヒントや、自社に合わせた施策を検討する上での具体的なイメージを掴んでいただけるでしょう。規模や業種は異なりますが、共通する成功の要因を見出すことで、貴社の人材育成戦略をさらに加速させるきっかけになるでしょう。

事例1:ダイキン工業|AI人材を1,000人育成する社内大学「ダイキン情報技術大学」

空調機器メーカーとして知られるダイキン工業は、事業競争力の強化にはAI技術の活用が不可欠であるという経営判断のもと、2017年に社内大学「ダイキン情報技術大学」を設立しました。これは単なる研修プログラムではなく、2025年までにAI人材を1,000人育成するという明確な目標を掲げた、体系的かつ大規模な取り組みです。

「ダイキン情報技術大学」

社員のレベルや専門分野に応じた複数のコースが用意されており、AIの基礎知識から、実際の業務データを用いたデータ分析、機械学習モデルの構築まで、実務に直結する内容を学べます。

特長的なのは、座学だけでなく、事業部門が抱える実際の課題をテーマにした実践的なプロジェクト学習(PBL)を取り入れている点です。これにより、受講者は理論を学ぶだけでなく、学んだ知識をすぐに実務に応用する経験を積むことができます。

この取り組みの結果、育成されたAI人材は、

  • 工場における生産ラインの最適化

  • 製品開発におけるAIシミュレーションの導入

  • 営業活動における需要予測の精度向上

など、様々な事業部門で具体的な成果を上げています。

ダイキン工業の事例は、経営層の強いコミットメントのもと、長期的な視点に立って大規模な育成投資を行うことが、DX人材育成を成功させる上でいかに重要であるかを示しています。

事例2:日清食品ホールディングス|全社員向けデータ活用研修と実践の場を提供

食品メーカーの日清食品ホールディングスは、「全社員がデータを武器に戦える組織」を目指し、特定の専門家だけでなく、役職や部門を問わず全社員を対象としたデータ活用リテラシー向上に力を入れています。

これは、DX推進が一部の専門部署の取り組みに留まることなく、全社的な文化として根付くためには、すべての従業員がデータの重要性を理解し、活用できる基礎的なスキルを持つことが不可欠であるという考えに基づいています。

同社では、オンラインでの基礎研修を提供し、

  • データの読み解き方

  • グラフ作成の基本

  • 簡単なデータ分析ツールの使い方

などを学びます。

年に一度「データ分析コンテスト」を開催

さらに、学んだスキルを実践する場として、年に一度「データ分析コンテスト」を開催しています。
このコンテストでは、各部署の社員が自らの業務課題からテーマを見つけ、データ分析を通じて解決策を提案します。上位入賞チームは経営層の前で発表する機会が与えられ、優秀な取り組みは全社で共有・展開されます。

この事例から学べるのは、DX人材育成が必ずしも高度な専門家だけを対象とするものではないという点です。組織全体のデータリテラシーを高めることで、現場レベルでの業務改善や新たなアイデア創出が促進され、結果として組織全体のDX推進力が向上します。楽しみながら実践力を高める仕掛けを作ることで、社員の学習意欲を引き出し、自律的な学びを促している点も成功のポイントです。

事例3:中外製薬|「CHUGAI DIGITAL ACADEMY」で自律型DX人材を育成

製薬業界のリーディングカンパニーである中外製薬は、デジタル技術を新薬開発や医療貢献に活かすため、2020年に「CHUGAI DIGITAL ACADEMY」を設立しました。このアカデミーは、自社のビジネスモデルや業界特有の課題解決に貢献できるDX人材を、社員が自律的に学ぶ環境を通じて育成することを目的としています。

「CHUGAI DIGITAL ACADEMY」

「CHUGAI DIGITAL ACADEMY」の特徴は、社員が自身のキャリアプランや興味関心に合わせて、多岐にわたるデジタル関連のコースを自由に選択できる点です。

  • データサイエンス

  • AI

  • クラウド技術

  • アジャイル開発

といった技術スキルだけでなく、DX推進におけるビジネス変革やリーダーシップに関するコースも充実しています。外部の専門機関と連携しながらも、製薬業界に特化した実践的なケーススタディをカリキュラムに組み込むことで、学んだ知識がすぐに実務に活かせるよう工夫されています。


また、育成後のキャリアパスを明確に示し、デジタルスキルを習得した社員が各部署で中心的な役割を担えるよう、積極的な配置転換やプロジェクトへのアサインメントを行っています。

中外製薬の事例は、企業がDX推進の目標を明確にし、それに合わせた自社独自の育成プログラムを設計することの重要性を示しています。社員が自らの意思で学び、キャリアを築いていけるような自律的な学習文化と、それを後押しする制度が、DX人材育成を成功させる鍵となっています。

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まとめ|DX人材育成の成功は、戦略的な仕組みづくりから始まる

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ここまで、DX人材育成の重要性から、経済産業省が示すデジタルスキル標準、DX人材の定義と類型、そして育成を成功させる企業の共通点、さらには具体的な3つのステップと企業事例まで詳しく解説してきました。

DX人材育成は、単にITスキルを学ぶことや、一度研修を受ければ終わりというものではありません。企業の未来を左右する経営戦略と深く結びついた「戦略的な仕組みづくり」が何よりも重要です。目先の課題解決にとどまらず、持続的な成長を可能にするための投資と捉えることが大切です。

成功している企業に共通する
「経営層のコミットメント」
「明確な目標設定」
「実践的な学習環境」
「自律的な文化」
「成果の可視化と評価」
という5つのポイントは、DX人材育成を推進する上での核となります。

これらの要素を自社に取り入れ、社員一人ひとりがデジタル変革の担い手となるための土壌を耕していくことが、企業の競争力強化に直結するでしょう。

本記事でご紹介した内容が、貴社におけるDX人材育成の第一歩、あるいは既存の取り組みを見直すきっかけとなり、具体的なアクションプランを描くための一助となれば幸いです。明日からの実践を通じて、デジタル時代を勝ち抜く強い組織を築き上げていきましょう。

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