基幹システムの変更は、企業にとって大きな転換点です。
一方で、見直しが必要になるのは基幹システム本体だけではありません。現場で日々使われている帳票、集計表、マスタ管理、レポートなど、周辺業務を支える補助ツールもあわせて整備する必要があります。

今回支援したのは、製造業のお客様です。基幹システムの変更に伴い、これまで業務を支えていた周辺補助ツールを新たに作成する必要がありました。
既存業務の流れを理解しながら、現場が引き続き使いやすい形で機能を再現し、さらに今後の運用も見据えた設計を行うことが求められました。

本記事では、EXCEL女子として支援に携わったT.S.さんに、プロジェクトの背景や工夫した点、今後期待される成果について聞きました。

 

今回はどのようなお客様を支援されたのでしょうか?

製造業のお客様を支援しました。企業規模は201〜1000名ほどで、支援形態は請負、支援期間は1〜3ヶ月程度です。
私はメンバーとして参画し、補助ツール開発のうち、1アプリの設計・開発を担当しています。対象となった業務は、帳票、集計、マスタ管理、レポートなどです。使用した技術・ツールとしては、CELFやExcel関数があります。

今回の支援では、基幹システムの変更に伴い、その周辺で使われていた補助ツールも新しく作成する必要がありました。
基幹システムは業務の中心となるものですが、実際の現場では、その周りにある小さなツールや帳票が日々の業務を支えていることも多くあります。

そのため、単に新しいツールを作るだけではなく、これまでの業務の流れや使い方を理解したうえで、現場にとって無理なく使える形に整えていくことが大切でした。

お客様はどのような課題を抱えていましたか?

大きな課題は、基幹システムの変更に伴い、周辺補助ツールも新規作成しなければならないことでした。

既存の業務内容が複雑だったことに加え、旧システムではユーザーが手動で反映できる処理も多くありました。そのため、新しい環境へ移行する際に、これまで通りの運用をどこまで再現できるのか、どの部分は見直しが必要なのかを整理する必要がありました。

また、ルールが十分に整備されていない部分もありました。こうした状態でツールだけを作ってしまうと、運用開始後に「誰がどのデータを更新するのか」「どの情報を正とするのか」「どこまで手作業を残すのか」といった迷いが生まれやすくなります。

だからこそ、今回の支援では、現行業務の整理と要件定義を丁寧に行いながら、補助ツールとして必要な機能や運用のあり方を一つずつ確認していきました。

 基幹システム変更時に見直しが必要な周辺業務 

基幹システム変更時に見直しが必要な周辺業務

 

今回の支援で目指したゴールは何でしたか?

ゴールは、基幹システムを支える補助ツールを開発し、安定して稼働できる状態をつくることです。

基幹システムが変わっても、現場の日々の業務が止まってしまっては意味がありません。むしろ、システム変更をきっかけに、これまで属人的になっていた運用や、手作業で補っていた部分を見直す機会にもなります。

今回の支援では、CELFを活用しながら、帳票や集計、マスタ管理、レポートといった業務を対象に、現行仕様に近い形で機能を実現することを目指しました。

同時に、ただ既存の形を再現するだけではなく、今後データとして管理・蓄積しやすい形に整えることも重視しました。
目の前の業務を止めないことと、将来的に運用しやすい仕組みにすること。その両方を見据えた支援でした。

最初にどのようなことから取り組みましたか?

まずは、現状ヒアリングと要件整理から始めました。

お客様の業務がどのように進んでいるのか、どの帳票や集計がどのタイミングで使われているのか、どの情報がマスタとして管理されているのかを確認しました。

特に、旧システムでユーザーが手動反映していた部分については、その作業が本当に必要なのか、新しいツールでも再現すべきなのか、それとも別の方法に置き換えた方がよいのかを見極める必要がありました。

そのうえで、現状整理、設計、実装・構築、移行、運用設計へと進めています。

開発だけを切り出して進めるのではなく、業務の流れや運用後の使われ方まで確認しながら進めたことが、今回の支援では重要だったと感じています。

施策の中で特に工夫した点はありますか?

一番意識したのは、お客様の現行仕様にできるだけ近い形で機能を実現することです。

システムやツールが変わると、現場の方にとっては操作方法や業務手順も変わります。変化が大きすぎると、どれだけ便利な仕組みであっても、定着までに時間がかかってしまうことがあります。

そのため、これまでの業務で慣れている形や考え方はできるだけ尊重しながら、新しいツールに落とし込むことを意識しました。
一方で、現行仕様をそのまま再現するだけでは、将来的な改善につながりにくい部分もあります。

そこで、データとして管理しやすい形、あとから蓄積・活用しやすい形になるよう、レイアウトや仕様の提案も行いました。
「今まで通り使える安心感」と「今後の運用が楽になる設計」のバランスを取ることが、今回の大きなポイントでした。

CELFを活用するうえで難しかった点はありましたか?

ありました。すべての機能をCELFでそのまま置き換えられるわけではなかったためです。

旧システムでは、ユーザーが手動で反映できる処理が多くありました。そのため、これまでの操作感や機能をそのまま再現しようとすると、CELFでの実現が難しい部分も出てきました。

そのような場合は、実現できる範囲と難しい範囲を整理し、お客様に代替案をご提示しました。
「できません」で終わらせるのではなく、どこまでなら実現できるのか、別の方法で目的を達成できないかを一緒に考えることを大切にしました。
ツールの仕様に業務を無理やり合わせるのではなく、業務の目的に対して最適な形を探っていくイメージです。

今回の支援規模について教えてください。

私自身は、補助ツール開発のうち、1アプリの設計・開発を担当しています。

設計・開発中のアプリでは、集計結果表示シートやデータ詳細表示シートに加え、検索条件入力用シート、業務計画の登録用シート、メインメニュー画面などを含め、合計で約20シートの構成です。

基幹システムの変更に伴う補助ツール開発では、単に画面や帳票を作るだけではなく、業務で必要なデータをどのように表示し、どのように検索・確認・登録できるようにするかが重要になります。

今回も、現場で必要な情報を確認しやすくすること、そして運用後も扱いやすい形にすることを意識しながら設計・開発を進めています。

今回の支援で期待される成果を教えてください。

案件は現在進行中ですが、工数削減、品質向上、速度向上、見える化、運用安定といった成果につながることを目指しています。
現時点では、旧システムでの具体的な作業時間や、運用後に削減が見込まれる工数について、明確な数値は出ていません。

ただ、基幹システム変更に伴い、周辺業務を支える補助ツールを整備することで、帳票・集計・データ確認業務をより扱いやすくし、安定した運用につなげることを目指しています。

特に今回の支援では、1アプリの設計・開発を通じて、集計結果表示シートやデータ詳細表示シート、検索条件入力用シート、業務計画の登録用シートなどを含む、約20シート構成の補助ツール開発を進めています。
これにより、必要な情報を確認しやすくし、手作業や確認作業が発生しやすい業務の整理につながることが期待されます。

また、業務ルールやデータの持ち方が整理されることで、特定の人だけが分かる運用から、チームで扱いやすい運用へ近づけることもできます。
単なるツール開発ではなく、業務を支える土台を整える支援として、今後の安定稼働につながることを目指しています。

今回の支援における成功要因は何だと思いますか?

成功要因としては、課題を明確にできたこと、要件定義をしっかり行えたこと、そして運用まで見据えて設計できたことが大きいと思います。
特に、基幹システム変更に伴う補助ツール開発では、最初の整理がとても重要です。

既存業務が複雑な場合、いきなり開発に入ってしまうと、あとから「この処理も必要だった」「この帳票は別部署も使っていた」「このデータは別のタイミングで更新されていた」といったことが起こりやすくなります。

そのため、まずは業務の流れや必要な機能を整理し、どの部分をツール化するのか、どの部分は運用でカバーするのかを明確にすることが欠かせません。
今回も、現状を丁寧に確認しながら要件を整理し、開発後の運用まで見据えて設計できたことが、支援を進めるうえで大切なポイントになりました。

同じような課題を持つ企業へ伝えたいことはありますか?

基幹システムを変更する際は、周辺業務の見直しもあわせて行うことが大切です。

メインのシステムが新しくなっても、現場で使う帳票や集計表、マスタ管理、レポートが整理されていないままだと、結局は手作業や個別対応が残ってしまうことがあります。
特に製造業では、現場ごとの運用や独自のルールが積み重なっているケースも多くあります。
だからこそ、これまでの業務を否定するのではなく、現行業務の良い部分を活かしながら、今後も管理しやすい形へ整えていくことが重要です。

補助ツールは、業務のすき間を支える小さな存在に見えるかもしれません。けれど、現場の使いやすさや業務の安定性を左右する、とても重要な仕組みでもあります。
基幹システム変更をきっかけに、周辺ツールや運用ルールまで見直すことで、システム移行後の混乱を減らし、より安定した業務運用につなげることができます。

今回の支援では、製造業のお客様に対し、基幹システム変更に伴う補助ツールの新規作成を支援しました。

対象となったのは、帳票、集計、マスタ管理、レポートなど、日々の業務を支える重要な領域です。CELFやExcel関数を活用しながら、現行仕様に近い形での機能実現と、データとして管理・蓄積しやすい設計の両立を目指しました。

T.S.さん自身は、補助ツール開発のうち1アプリの設計・開発を担当。集計結果表示シートやデータ詳細表示シート、検索条件入力用シート、業務計画の登録用シートなどを含む、約20シート構成で設計・開発を進めています。

具体的な工数削減効果は今後の運用後に確認する形となりますが、帳票・集計・データ確認業務を整理し、基幹システム変更後も安定して業務を進められる仕組みづくりを支援しています。

基幹システム変更時には、システム本体だけでなく、周辺業務や補助ツールの整備も欠かせません。現場の業務に寄り添いながら、安定稼働を見据えた仕組みをつくることが、スムーズな移行と定着への第一歩になります。

 


 

基幹システム変更に伴う周辺業務の整備にお困りではありませんか? 

基幹システムの変更時には、帳票や集計表、マスタ管理、レポートなど、現場業務を支える補助ツールの見直しも欠かせません。
EXCEL女子では、現行業務に寄り添いながら、Excel・CELF・kintoneなどを活用した業務ツールの設計・開発を支援しています。

「既存ツールをどう移行すればよいかわからない」「手作業や属人化を整理したい」といった課題も、まずはお気軽にご相談ください。

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