事例(建設・不動産業界)
IT事務
DX推進・業務改善
公開日:2024.02.15
更新日:2026.06.17

目次
建設業界では今、DXの必要性がこれまで以上に高まっています。
背景にあるのは、2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制、人手不足、技術者の高齢化、そして現場ごとに異なる業務の属人化です。
国土交通省の資料でも、建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、原則として月45時間・年360時間が時間外労働の上限となったことが示されています。
長時間労働に頼った現場運営は、今後さらに難しくなっていくでしょう。
さらに、建設業就業者は55歳以上が約37%、29歳以下が約12%とされており、若手人材の確保や技術承継も大きな課題です。
こうした状況の中で、建設業界に求められているのは、単に新しいシステムを導入することではありません。
現場で発生している業務を整理し、Excel管理や紙・メール・電話に頼っている業務を見直し、限られた人員でも現場が回る仕組みをつくることです。
本記事では、2026年現在の建設業界が抱える課題と、DXを進めるうえで見直したい現場事務・Excel業務の効率化ポイントを解説します。

建設業界のDXは、単なるIT化ではありません。
現場の負担を減らし、限られた人材で安全かつ正確に業務を進めるための「業務の再設計」です。
建設業界では、慢性的な人手不足が続いています。特に、現場経験のある技術者や施工管理者に業務が集中しやすく、若手への技術承継が追いつかないケースも少なくありません。
経験豊富な社員が持っている判断基準や進め方が、マニュアルやデータとして残っていない場合、その人が不在になるだけで業務が止まってしまうこともあります。
建設業では、工期や突発対応の影響により、長時間労働が発生しやすい構造がありました。
国土交通省も、上限規制への対応には、受注者と発注者が連携し、長時間労働の是正と生産性向上に取り組むことが課題であると示しています。
つまり、建設業界では今、業務量そのものを減らす工夫が求められています。
施工管理、報告書作成、請求処理、勤怠管理、協力会社とのやり取りなど、現場周辺で発生する事務作業を効率化しなければ、働き方改革は進みません。
建設DXというと、ドローン測量、BIM/CIM、ICT建機、遠隔臨場などをイメージする方も多いかもしれません。
もちろん、これらは建設業界における重要なDXです。
一方で、現場の生産性を下げている原因は、必ずしも施工そのものだけではありません。
実際には、次のような事務作業に多くの時間が使われています。
こうした業務が属人化していると、現場担当者や管理部門の負担が増え、本来注力すべき施工管理や品質管理に時間を使いにくくなります。

建設業界のDXを進めるには、まず現場でどのような業務課題が起きているのかを把握する必要があります。
建設業界では、Excelを使った管理業務が多く残っています。
Excelは自由度が高く、現場ごとの状況に合わせて使いやすい便利なツールです。
一方で、使い方が個人任せになると、次のような問題が起こりやすくなります。
特に、工事案件数や拠点数、協力会社数が増えるほど、Excel管理は複雑化しやすくなります。
建設業務では、現場から本社、管理部門、協力会社、発注者など、複数の関係者が情報をやり取りします。
そのため、報告・確認・集計の業務が膨らみやすくなります。
たとえば、現場ごとの進捗をExcelで回収し、
本社側で集計し直している場合、確認だけで多くの時間がかかります。
また、現場から届いたファイルの形式がバラバラだと、転記や修正作業が発生します。
このような作業は一つひとつは小さく見えても、毎日・毎週・毎月積み重なることで、大きな工数になります。
建設業界では、経験や勘が重要な場面が多くあります。
そのため、ベテラン社員や特定の担当者に業務が集中しやすい傾向があります。
もちろん、経験に基づく判断は大切です。
しかし、業務の進め方や判断基準が個人の頭の中だけにある状態では、次のようなリスクがあります。
属人化した業務をそのままにしてシステムを導入しても、DXはうまく進みません。
まずは、誰が・いつ・どの情報を使って・どのように判断しているのかを整理する必要があります。
建設業界でも、
□ 施工管理アプリ
□ 勤怠管理システム
□ 会計システム
□ 電子契約
□ クラウドストレージ
など、さまざまなツールの導入が進んでいます。
しかし、システムを入れたからといって、必ず業務が楽になるわけではありません。
よくあるのが、次のような状態です。
このような場合、問題はツールそのものではなく、業務設計や運用ルールが整理されていないことにあります。

建設業界のDXは、大きなシステム刷新だけではありません。
まずは、日々の業務で負担になっている作業を洗い出し、小さく改善していくことが重要です。
日報や作業報告は、現場状況を把握するうえで重要な情報です。しかし、入力項目が多すぎたり、紙やExcelで回収していたりすると、作成する側にも確認する側にも負担がかかります。
見直しのポイントは、次の通りです。
報告業務は「書いて終わり」にするのではなく、現場改善に使えるデータとして蓄積することが大切です。
建設現場では、写真や書類の管理も大きな負担になりやすい業務です。
✓ 工事写真
✓ 安全書類
✓ 協力会社関連書類
✓ 検査書類
など、管理すべき情報は多岐にわたります。
フォルダ名やファイル名のルールが曖昧なままだと、必要な資料を探すだけで時間がかかります。
書類管理は地味な業務に見えますが、現場の手戻りや確認漏れを減らすうえで非常に重要です。
複数の現場や案件を管理している場合、進捗状況を正確に把握することが難しくなります。Excelで案件管理をしている企業も多いですが、更新漏れや入力ルールのばらつきがあると、正しい状況判断ができません。
これらを一覧で見える化することで、遅延や確認漏れに早く気づけるようになります。
時間外労働の上限規制に対応するうえで、勤怠や工数の正確な把握は欠かせません。現場ごとの勤務状況をExcelで集計している場合、入力・確認・集計に時間がかかるだけでなく、ミスも発生しやすくなります。
特に、複数現場を兼務している社員や、協力会社との連携がある場合は、工数管理が複雑になりがちです。
勤怠・工数管理では、次のような視点が重要です。
労働時間の管理は、法令対応だけでなく、業務負荷の偏りを見つけるためにも重要です。
建設業界では、案件ごとの原価や請求管理も複雑になりやすい領域です。見積、発注、請求、支払い、原価集計などの情報が別々に管理されていると、確認や突合作業に時間がかかります。
特にExcel管理の場合、次のような課題が起こりやすくなります。
経理や管理部門だけでなく、現場責任者も確認しやすい形に整えることで、
案件ごとの採算管理がしやすくなります。
DXという言葉を聞くと、大がかりなシステム導入や全社的なプロジェクトをイメージするかもしれません。
しかし、建設業界のDXは、必ずしも大規模な投資から始める必要はありません。
むしろ、最初に取り組むべきなのは、現場で日々発生している業務の整理です。
DXを進める前に、まずは現在の業務を棚卸しすることが重要です。
たとえば、次のような観点で業務を洗い出します。
業務を見える化すると、どこから改善すべきかが分かりやすくなります。
建設業界では、Excelを使った業務が多いため、Excel業務の改善はDXの第一歩として取り組みやすい領域です。
たとえば、次のような改善が考えられます。
Excelはすでに多くの企業で使われているため、現場にも受け入れられやすいというメリットがあります。
システム導入を検討する場合も、先に業務改善を行っておくことが重要です。
現状の業務が整理されていないままシステムを導入すると、使いにくい運用になったり、結局Excelとの二重管理が残ったりすることがあります。
たとえば、施工管理アプリや勤怠管理システムを導入する場合でも、事前に次のような整理が必要です。
DXを成功させるには、ツールを入れることよりも、業務の流れを整えることが重要です。

建設業界では、DXの必要性が高まっている一方で、Excel業務がなかなかなくならないケースも多くあります。
それには、建設業界ならではの理由があります。
建設業務は、案件の規模、工期、発注者、協力会社、現場条件によって進め方が変わります。
そのため、標準化されたシステムだけでは対応しきれない場面もあります。
Excelは柔軟に項目を追加したり、現場ごとに調整したりできるため、使い続けられやすいのです。
勤怠、会計、施工管理など、一部の業務はシステム化されていても、
その周辺業務がExcelに残っていることがあります。
たとえば、
□ システムから出力したデータをExcelで加工して報告資料を作る
□ 複数システムのデータをExcelで突合する
といった業務です。
長年使い続けているExcelファイルは、担当者の工夫が積み重なり、複雑化していることがあります。
✓ 関数やマクロが入っているものの、作成者以外は仕組みが分からない。
✓ シートが増えすぎて、どこを更新すればよいか分からない。
✓ 似たようなファイルが複数存在していて、どれが最新版か分からない。
✓ こうした状態になると、改善したくても手を付けにくくなります。

建設業界でDXを進めるには、現場の実態に合った進め方が重要です。
ここでは、失敗しないためのポイントを紹介します。
DXは、最初から全社規模で進めようとすると負担が大きくなります。
まずは、効果が見えやすい小さな業務から改善するのがおすすめです。
たとえば、次のような業務です。
小さな改善でも、毎月発生する業務であれば、年間では大きな工数削減につながります。
DXを進めるうえで重要なのは、現場にとって使いやすい仕組みにすることです。
どれだけ高機能なシステムでも、入力が面倒だったり、現場の業務に合っていなかったりすると、定着しません。
現場が使いやすい仕組みにするには、次のような視点が必要です。
DXは、現場に負担をかけるものではなく、現場の負担を減らすためのものです。
DXで重要なのは、データを集めることではありません。
集めたデータを、業務改善や判断に使える状態にすることです。
たとえば、日報や進捗情報をデータ化しても、確認する人が見づらければ活用されません。
集計に時間がかかる状態では、結局これまでと同じように手作業が残ってしまいます。
データ活用を進めるには、次のような設計が必要です。
建設DXでは、現場から集めた情報を、経営判断や業務改善に活かせる状態にすることが重要です。
建設業界では、ベテラン社員や特定の担当者の経験に支えられている業務が多くあります。
そのため、DXを進める際には、業務の標準化が欠かせません。
標準化とは、すべての業務を一律にすることではありません。
誰が見ても分かるように、業務の流れや判断基準を整理することです。
たとえば、次のような取り組みがあります。
業務を標準化することで、担当者が変わっても運用しやすくなり、教育や引き継ぎの負担も軽減できます。

建設業界のDXを進めたいと思っていても、社内だけで業務整理やExcel改善を進めるのは簡単ではありません。
特に、現場業務と管理部門の間にある事務作業は、
誰かが明確に担当しているわけではなく、改善が後回しになりやすい領域です。
EXCEL女子では、Excel業務や事務作業の効率化を通じて、建設業界のDX推進を支援します。
既存のExcel管理表を確認し、使いにくさや属人化しているポイントを整理します。
たとえば、次のような支援が可能です。
「今のExcelをそのまま使い続けてよいのか分からない」
「担当者しか分からないファイルがある」
「集計や確認に時間がかかっている」
このような課題がある場合、まずはExcel業務の棚卸しから始めることができます。
建設業界では、現場と本社、管理部門の間で多くの事務作業が発生します。
EXCEL女子では、こうした業務の整理や効率化も支援できます。
たとえば、次のような業務です。
日々の事務作業を整理することで、現場担当者や管理部門の負担を減らし、本来注力すべき業務に時間を使いやすくなります。
施工管理アプリや勤怠管理システム、会計システムなどを導入する前に、
既存業務を整理しておくことはとても重要です。
EXCEL女子では、システム導入前の業務棚卸しや、既存Excelの整理も支援できます。
システム導入の前に業務を整えておくことで、導入後の混乱や二重管理を防ぎやすくなります。
属人化している業務を標準化し、誰でも対応できる状態に整えることも重要です。
EXCEL女子では、業務手順の整理やマニュアル作成も支援できます。
担当者の異動や退職があっても業務が止まらないように、再現性のある仕組みをつくることができます。

建設業界のDXというと、最新技術や大規模なシステム導入に目が向きがちです。
しかし実際の現場では、日々の報告、集計、確認、転記、書類管理といった業務に多くの時間が使われています。
そして、その多くは、現場をよく分かっている人や、管理業務に慣れている人の頑張りによって支えられています。DXで大切なのは、その人たちの負担をさらに増やすことではありません。
むしろ、現場を分かっている人が本来の業務に集中できるように、周辺業務を整えることです。
こうした一つひとつの改善が、建設業界のDXにつながります。
ここからは、建設業界のDXやExcel業務の効率化について、よくある質問をまとめました。
「何から始めればよいのか分からない」
「Excel管理のままでも改善できるのか」
「システム導入前に何を整理すべきか」
など、建設DXを検討する際に気になりやすいポイントを解説します。
建設業界のDXとは、デジタル技術やデータを活用して、施工管理、現場事務、書類管理、進捗管理、勤怠管理、原価管理などの業務を効率化し、生産性を高める取り組みです。
ドローン測量やICT施工だけでなく、Excel管理の見直し、報告業務の効率化、書類管理のデジタル化なども建設DXに含まれます。
建設業界では、人手不足、高齢化、長時間労働の是正、技術承継、業務の属人化などが課題になっています。
特に2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、限られた人員で効率よく業務を進める必要性が高まっています。
そのため、現場作業だけでなく、報告・集計・書類管理などの事務作業も含めた業務改善が求められています。
まずは、日々の業務を棚卸しすることから始めるのがおすすめです。
どの業務に時間がかかっているのか、どこで二重入力が発生しているのか、どのExcelファイルが属人化しているのかを整理することで、改善すべきポイントが見えてきます。
いきなり大規模なシステムを導入するのではなく、Excel業務や現場事務の効率化から始める方法も有効です。
建設業界では、現場ごとに案件内容や管理項目が異なるため、柔軟に使えるExcelが多く活用されています。
一方で、担当者ごとにフォーマットが違ったり、関数やマクロが属人化したりすると、確認や集計に時間がかかる原因になります。
Excelをなくすことだけが正解ではなく、業務に合った形で整理し、効率的に使える状態にすることが重要です。
システム導入はDXの手段の一つですが、導入するだけで業務が効率化するとは限りません。
現状の業務フローや入力ルールが整理されていないままシステムを入れると、Excelとの二重管理や入力負担が残ることがあります。
システム導入前に、既存業務やExcel管理を整理しておくことが重要です。
EXCEL女子では、Excel管理表の改善、集計作業の自動化、現場事務の効率化、業務フロー整理、マニュアル作成、システム導入前の業務棚卸しなどを支援できます。
建設業界で発生しやすい案件管理、日報集計、勤怠集計、請求管理、書類提出状況の管理など、現場と本社の間にある事務作業の効率化にも対応可能です。
EXCEL女子では、Excel業務改善や現場事務の効率化を通じて、建設業界のDX推進を支援します。
限られた人員でも現場が回る仕組みをつくるために、まずは日々の業務の中にある「手間」「属人化」「二重入力」を見える化することから始めましょう。