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【初心者向け】UNIQUE関数(ユニーク関数)とは?重複データを一瞬で整理するExcelの“神ワザ”解説!

更新日:2025.11.07

【初心者向け】UNIQUE関数(ユニーク関数)とは?重複データを一瞬で整理するExcelの“神ワザ”解説!

目次

大量のデータを扱うとき、同じ値が何度も入力されていて「どれが重複しているのかわからない」「手作業で削除してミスしてしまう」といった経験はありませんか?
そんな悩みを一瞬で解決してくれるのが、Excelの「UNIQUE関数(ユニーク関数)」です。

Microsoft 365から追加されたこの新しい関数は、複数の値の中から重複を自動で取り除き、固有の値だけを抽出できる画期的な機能。これまで手間のかかっていたリスト整理や抽出作業が、たった1つの数式で完了します。

本記事では、

  • UNIQUE関数の基本の使い方
  • 他の関数との組み合わせ例
  • 覚えておきたい3つの注意点

をわかりやすく解説します。業務効率をぐっと上げたい方は、ぜひ参考にしてください。

UNIQUE関数は、Excel for Microsoft 365(サブスクリプション版)、Excel 2021(永続ライセンス版)、およびExcel 2024(永続ライセンス版)など、動的配列(Dynamic Arrays)機能をサポートする最新バージョンで使用可能です。

 

本多 瑞季(ほんだ みずき)

DX/Office活用トレーナー 本多 瑞季(ほんだ みずき)
現場の業務フローを起点に、Excel・Copilot・Power Automateを“使いこなせる状態”まで伴走するトレーナー。操作説明にとどまらず、部署や役割に合わせた課題設計で、研修翌日から成果を出せるよう設計します。
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UNIQUE関数(ユニーク関数)とは?

一覧または範囲内のユニークの値の一覧を返す関数のことです。

数万件以上の膨大なデータを取り扱うときも、一つの関数で瞬時に必要なデータの抽出が可能なため大変便利です。また、Microsoft365、Excel2021より前のExcelではリストの元データに変更があった場合、連動するリストは手作業で変更する必要がありました。

しかし、UNIQUE関数の場合はリストの元データが変われば、リストも自動で変わる機能(※)を持ち合わせているため、リストに新規データを追加する作業負担やそれによる心理的ストレスなども発生しなくなります。

何より手作業によるミスを防ぐことができますし、作業時間の短縮につながることが大きなメリットと言えます。

UNIQUE関数の使い方

UNIQUE関数の基本構文は以下の通りです。

=UNIQUE(配列,[列の比較],[回数指定])

重複しない唯一の(ユニークの)データを抽出
  • 配列:抽出する元データの範囲または配列を指定(入力必須)
  • 列の比較:抽出する元データの範囲または配列からユニークの"列"を返したい場合は「TRUE」、ユニークの"行"を返したい場合は「FALSE」を指定(省略可能)※省略すると「FALSE」が指定される。
  • 回数指定:抽出する元データの範囲または配列で1回だけ出現する値を返す場合は「TRUE」、範囲または配列の重複しないすべての値を返す場合は「FALSE」を指定(省略可能)※省略すると「FALSE」が指定される。

単列の範囲を指定して表示する方法

以下の「商品購入リスト」からユニークの商品名のみを取り出してみましょう。

商品購入リスト

操作方法

(1)商品名を表示したい【F4】セルを選択

数式を入力したいセルの選択

(2)数式バーに=UNIQUE(B4:B12)と入力
 
数式バーに数式を入力
この数式は【B4:B12】の範囲から重複を除いたユニークの商品名を返す 、という意味です。
 
(3)Enterキーを押す

数式の結果が表示の図

すると、引数に指定した範囲からユニークの商品名のみが表示されました。

複数列の範囲を指定して表示する方法

抽出したいデータを複数指定することも可能です。
今回は、商品名に加えて金額についてもユニークのデータを抽出していきます。

操作方法

(1)結果を表示させたいセル【F4】選択

image_excel-unique_05NN

(2)数式バーに=UNIQUE(B4:C12)と入力
 
image_excel-unique_06N
抽出したいデータが入っている【B4:C12】の範囲から重複を除いた ユニークのデータを抽出する、という意味です。
 
(3)Enterキーを押す
 
image_excel-unique_07N

すると、簡単に選択した範囲からユニークの商品名と金額が表示されました。
 

行からユニークのデータを抽出する方法

さらに、以下のような横表示のデータを扱うことがあった場合でも、第2引数の[列の比較]を入力すれば、ユニークのデータを抽出することが可能です。

image_excel-unique_08N

ユニークの商品名を抽出していきます。

操作方法

(1)商品名を表示したい【B9】セルを選択
まずはじめに、商品名を表示したい【B9】セルを選択します。

image_excel-unique_09N

(2)数式バーに「=UNIQUE(B4:J4,TRUE)」と入力
次に、数式バーに「=UNIQUE(B4:J4,TRUE)」と入力します。この数式は、セル【B4:J4】 の範囲から重複を除いた ユニークの"列"データを抽出してください、という 意味です。 ※TRUEは、抽出する元データの範囲または配列からユニークの"列"を返したい場合に使用します。

image_excel-unique_10N

(3)Enterキーを押す
 
image_excel-unique_11N

すると横表示のデータの場合もこのように指定した範囲からユニークの商品名を表示することができます。
 

1回だけ出現する商品を抽出する方法

また、第3引数である[回数指定]を入力すれば、元データに1回だけ出現するデータのみを抽出することが可能です。

操作方法

(1)商品名を表示したい【F4】セルを選択

image_excel-unique_12N

(2)数式バーに「=UNIQUE(B4:B12,,TRUE)」と入力
次に、数式バーに 「=UNIQUE(B4:B12,,TRUE)」と入力します 。
この数式は、セル【B4:B12】の 範囲から1回だけ出現する商品名のみを抽出してください、という意味です。
2 つめの引数は省略しているため「,」のみを入力しています。
※TRUEは、 1回だけ出現する値を返したい場合に使用します。
 
image_excel-unique_13N

(3)Enterキーを押す

image_excel-unique_14N

すると、セル【B4:B12】の範囲から1回だけ出現する「化粧水」のみが抽出されました。
実務に合わせて数式を使い分けるようにしていきましょう。
 

<応用編>他の関数と組み合わせてみよう

ここからは、UNIQUE関数を他の関数を組み合わせて、さらに使い勝手のよい表を作成していきましょう。

UNIQUE関数×SORT関数

まずは、UNIQUE関数にSORT関数を組み合わせてリストのデータを見やすく並べ替えていきます。
SORT関数の基本構文は以下の通りです。

※SORT関数は、Microsoft 365版およびExcel 2021以降(Windows/Mac/Web)で使用可能な関数です。

=SORT(範囲,[並べ替えインデックス],[順序],[並べ替え基準])

元データの範囲または配列の文字列を並び替えて取り出す
  • 範囲:元データの参照する範囲を指定(入力必須)
  • 並べ替えインデックス:並べ替えの際に基準となる列・行の位置を、先頭を1として指定(省略可能)※省略すると、列が指定される
  • 並べ替え順序:並べ替えを"昇順"にしたい場合は「1」、"降順"にしたい場合は「−1」を指定(省略可能)※省略すると、昇順での並び替えになる
  • 並べ替え基準:指定した元データが"行"方向の場合は「FALSE」、"列"方向の場合は「TRUE」を指定(省略可能)※省略すると、行方向を指定する

それでは、UNIQUE関数とSORT関数を使用して「商品購入リスト」の並べ替えを行います。

操作方法

(1)【C4】セルに「=UNIQUE(A4:A10)」と入力
まずは、これまでのUNIQUE関数の基本の使い方に沿ってセル【C4】を選択し、数式バーに
「=UNIQUE(A4:A10)」と入力します。すると、重複しないユニークの商品名が抽出されます。この数式は、【A4:A10】の範囲から重複を除いたユニークのデータを抽出する、という意味です。

image_excel-unique_16N

(2)セル【C4】に「=SORT(UNIQUE(A4:A10))」と入力
次に、UNIQUE関数を使って抽出したデータをSORT関数を使用して昇順表示していきます。
セル【C4】のUNIQUE関数にSORT関数を追加した数式として「=SORT(UNIQUE(A4:A10))」を入力します。
この数式は、【A4:A10】の範囲から重複を除いて抽出されたユニークの商品名を、文字データをもとに昇順で表示してください、という意味です。

image_excel-unique_17N

(3)Enterキーを押す

image_excel-unique_18N

すると、このように昇順で表示されました。
表示の見やすさも日々のスムーズな作業につながります。小さなことから整えていきましょう。

UNIQUE関数×SUMIF関数

では次は、UNIQUE関数にSUMIF関数を組み合わせて、指定した範囲内の数値の合計を計算していきます。
SUMIF関数の基本構文は以下の通りです。

=SUMIF(範囲,検索条件,[合計範囲])

条件を指定して数値を合計

  • 範囲:検索対象となるセル範囲を指定(入力必須)
  • 検索条件:検索するセルの条件を数値や文字列で指定(入力必須)
  • 合計範囲:合計したい値が入力されているセル範囲を指定(省略可能)※省略する場合は、指定した範囲全体を合計する

 

では次は、UNIQUE関数にSUMIF関数を組み合わせて、全自動の「売上集計表」を作成してみましょう。

操作方法

(1)数式バーに「=UNIQUE(B3:B13)」と入力
まず、会社名を表示したいセル【H3】に「=UNIQUE(B3:B13)」と入力します。
この数式は【B3:B13】の範囲から重複を除いたユニークの会社名をH列に抽出してください、という意味です。
すると、H列にはユニークの会社名だけが抽出されます。

img_excel-unique_019

(2)数式バーに「=SUMIF(B3:B13,H3#,E3:E13)」と入力します。
次に、売上を表示したいセル【I3】に「=SUMIF(B3:B13,H3#,E3:E13)」と入力します。
この数式は検索対象セル【B3:B13】の範囲に、検索条件の【H3#】と合致するデータがあった場合、セル【E3:E13】の売上金額を基に、各社の売上合計値を表示してください、という意味です。

SUMIF関数を組み合わせた例2

(3)Enterキーを押す
すると、I列に各社の売上金額合計が表示(※)されます。

SUMIF関数を組み合わせた例3


 

一度この関数を組みこんだ表を作成してしまえば、毎月元データに最新データを貼りつける作業だけで、各社の売上数値を一瞬で集計し、可視化することができます。
 

UNIQUE関数の3つの注意点

最後に、UNIQUE関数を使う上で知っておきたい3つの注意点をご紹介します。

1.空白セルは「0」で表示される

UNIQUE関数は、元データに空白セルがある場合、抽出データとして「0」を返します。
この「0」を空白表示にしたい場合は以下のように数式を設定しましょう。

操作方法


(1)数式バーに「=UNIQUE(A2:A8)」と入力
まずは、「0」の表示を確認しましょう。
以下の商品名リストでは、元データのセル【A5】が空白になっています。
【C2 】セルに「=UNIQUE(A2:A8)」と入力し、この状態のままEnterキーを押すと【C5】セルには「0」という結果が表示されます。
 
空白セルは「0」で表示される1


(2)数式バーに「=UNIQUE(A2:A8)&""」と入力
ここで、「0」を表示させないように数式バーには「=UNIQUE(A2:A8)&""」と入力します。この数式は、抽出したユニークの商品名のそれぞれの文字の後に必ず空白を入れてください、という意味です。(""を入力すると空白が指定されます。)つまり、元データに空白があった場合でも、抽出結果には必ず空白が表示されるため「0」が表示されることはない、ということです。

空白セルは「0」で表示される2

(3)Enterキーを押す
そうすると、このように【C5】セルは「0」ではなく、空白で表示されるようになります。

空白セルは「0」で表示される2

2.全角/半角、英大文字/英小文字は区別されない

元データで英字を使用する場合は注意が必要です。

全角/半角

数式バーに「=UNIQUE(A2:A10)」と入力します。
この数式は、A列の文字から重複しないユニークの文字を表示してください、という意味です。
A列では全角(A、タナカ)と半角(A、タナカ)がそれぞれ入力されていますが、B列で表示される結果は全角(A、タナカ)のみ表示されます。

全半角は区別されない

この場合は、全角が優先され表示されます。

英大文字/英小文字

数式バーに「=UNIQUE(A2:A10)」と入力します。
この数式は、A列の文字から重複しないユニークの文字を表示してください、という意味です。
A列では大文字(ABC)と小文字(abc)がそれぞれ入力されていますが、B列で表示される結果は小文字(abcのみ表示されます。この場合は、小文字が優先され表示されます。

英大文字/英小文字は区別されない

3.日付は書式が引き継がれない

日付をリストとして表示する場合は、書式が引き継がれずシリアル値が表示されます。

(1)数式バーに「=UNIQUE(B3:B9)」と入力
商品名を表示したい【F4】セルを選択し「=UNIQUE(B3:B9)」と入力、Enterキーを押すとユニークの日付がシリアル値となって表示されます。

image_excel-unique_27

(2)セルの書式設定から、表示形式を変更
このままでは、日付がぱっと見で確認できないので、《セルの書式設定》→《表示形式》→分類で《日付》を選択→種類で《*2012/3/14》を選択→《OK》をクリックの手順で、表示形式を変更します。

image_excel-unique_28

すると、シリアル値が日付の表示形式で表示されます。

以上の3つの注意点も把握したうえで「UNIQUE関数」を使いこなせば、毎月のリスト抽出やそれに紐付くレポート作成などの作業時間が大幅に削減されます。ぜひ「UNIQUE関数」を活用して毎日のExcel作業を効率化させていきましょう。

まとめ

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「UNIQUE関数」は、同じ値が複数入力されているリストから、ユニークの値を瞬時に取り出すことができるので、リストの作成が簡単にできることが大きなメリットです。

また、リストの元データが増えた場合でも、リストが自動で更新されるので手作業で入力する作業がなくなり時短につながります。

当社では、『Microsoft認定トレーナー』資格を持つEXCEL女子による「Excel研修」を提供しております。書籍化するなど注目いただいている研修です。

社員教育に時間を割けない、Excelスキルの底上げをしたいなどお悩みでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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