更新日:2024.07.03
目次
プロジェクト管理は、プロジェクトの成功や効率化に欠かせないビジネスノウハウです。
管理すべき項目は多岐にわたり、納期やコストだけでなく、人員配置やタスク配分など幅広いため、近年国際基準が作られるなど改めて重視すべきスキルとして見直されています。
そこで本記事では、プロジェクト管理にこれから取り組む方へ向けて、プロジェクト管理の基礎知識から覚えておきたい3つのチャート、PMBOK、管理項目まで網羅して解説しました。
初心者でもこの記事を読めばプロジェクト管理のコツがつかめるよう執筆しましたので、ぜひ必要な項目から読み進めてください。
プロジェクト管理とは、目標達成のためのプロセスを細分化し、適切にコントロールする手法です。
などの要件を過不足なく管理し、全体像の把握やチームのパフォーマンスを向上させることを目的とします。なお、プロジェクト全体の管理者として「プロジェクトマネージャー(PM)」を任命するのが一般的です。
プロジェクトマネージャーは、限られたリソースを最大限活用し、メンバーとの円滑なコミュニケーション実現のためにも、プロジェクト管理の手法を学ぶことが近道になります。
プロジェクト管理は、単に納期を守ったり、進捗を確認するために行うものではありません。
計画に沿って各プロセスを評価することで「ムダ」や「ムラ」をなくし、生産性や品質の向上につなげることもプロジェクト管理の重要な役割です。
質の高い成果物を同じコスト・リソースで効率的に生産できるようになれば、顧客からの信頼向上はもちろん企業全体の売上向上にもつながります。
プロジェクト管理では、進捗を可視化するためのチャートを活用するのが一般的です。
それぞれ管理可能な分野が異なるため、ここでは活用の幅が広い
の3つのチャートについてご紹介します。
カンバン方式とは、プロジェクトに必要な業務をリスト化し、1つのボードに進捗状況やワークフローを可視化するタスク管理手法です。
具体的には
など3つの枠を設けておき、フェーズに応じてタスクを割り振ることで、情報共有をスムーズにします。ひと目でタスクの状況を把握できるメリットはあるものの、管理が煩雑になるため工数の多いプロジェクトには向きません。
また、優先順位やタスクの関係性などは把握しづらい手法なので、小規模なプロジェクトなどで活用するのがおすすめです。
引用:Microsoft365
ガントチャートは、プロジェクトの進捗を棒グラフ形式で可視化したスケジュール管理手法です。縦軸でタスクや担当者、横軸はシンプルに日付のみで管理するため、Excelなどで比較的簡単に作成できます。
プロジェクトの全体像や進捗を視覚的に把握しやすいメリットがある一方、それぞれのタスクの関連性や工数などの管理には向きません。
WBSは、プロジェクト達成に必要な作業を細分化し、全体の工数や関連性を把握するための手法です。タスクを段階的に整理し、担当者の割当までまとめて計画に落とし込むことができるため、
ガントチャートの縦軸を作成する前段階として行っておくとよいでしょう。一般的にツリー構造でタスクを可視化するため、業務のヌケや重複を防ぎ、プロセス全体の効率化を図りやすいことがメリットです。
ただし、慣れるまで優先順位の決定やタスクの洗い出しなどに時間がかかるため、まずはPMBOKのようなノウハウを学び、余裕を持って取り掛かる必要があります。
プロジェクト管理をスムーズに遂行するには、各項目を効率よく管理するためのフレームワークを学んでおくことが大切です。
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、プロジェクト管理におけるノウハウやスキルを体系的にまとめたガイドラインです。
プロジェクト目標達成のために、これまでのQCD(品質・コスト・納期)管理ではなく、
など10種類の知識エリアのほか、ゴールまでに管理すべき5つのプロセスが明確化しています。PMBOKはプロジェクト管理の国際標準ともいわれているため、管理手法やノウハウを学びたい方には最適な教材といえるでしょう。
次に、プロジェクト管理でコントロールすべき項目を把握しておきましょう。
代表的な管理項目は、以下の通りです。
予算配分や実績、原価管理など
納期や工数、進捗状況確認など
最終的な納品物のクオリティ維持や品質検査方法の選定など
人員配置やタスク配分の決定など
トラブル監視や対応など
プロジェクト内容や規模によって管理項目は異なるため、自社に合わせて最適化していくことが大切です。
実際にプロジェクト管理に取り組むにあたり、多数の項目を管理するのは手間がかかります。そのため、プロジェクト管理を始める前に、ツールをつかった一元管理を検討してみましょう。
ここでは
の3つの代表的なツールについて詳しくご紹介します。
引用:Jooto
Jootoは、ドラッグ&ドロップのみで直感的に操作できる、カンバン方式のプロジェクト管理ツールです。シンプルなぶん汎用性が高く、ITや営業、経理など分野にとらわれず活用できるため約1,900社の導入実績があります。
ガントチャートによる工数管理や複数プロジェクトの同時管理もでき、専門アドバイザーのサポートも受けられるため初心者にも扱いやすいツールです。
料金プランは個人向け4名までの無料プランから、法人向け月額980円(年契約)まで選択できます。
引用:Redmine
Redmineはカンバン方式やガントチャートの機能を備えた、無料のオープンソースのプロジェクト管理ツールです。そのほかにもチーム内で情報共有をするためのWiki機能やバージョン管理ツールなど、タスク管理に役立つ機能を多数カスタマイズすることができます。
無料で利用できる一方で多機能で自由度が高いことがメリットですが、やや専門知識が必要なので初心者向けでないことがデメリットです。基本的には無料で利用できますが、有料のクラウドサービスも提供されています。
Excelはプロジェクト管理ツールではありませんが、ガントチャートなどタスク管理用テンプレートが用意されています。
手動で作成する手間はあるものの、専門知識なしで誰でも作成・操作できるため、まずは小規模なプロジェクト管理から試してみたい企業におすすめです。
Excelをすでに利用している企業であれば、導入費用がかからないこともメリットです。Excelでガントチャートを作成する方法は「プロジェクト管理に最適なガントチャート!目的からExcel(エクセル)で作る方法まで紹介」の記事を参考になさってください。
プロジェクト管理の成功は、業務効率化や生産性向上に直結します。
しかし、管理項目を増やしすぎたり、最初から複雑なツールを導入してしまうと、現場に定着せずに終わってしまうかもしれません。そのため、もしこれからプロジェクト管理をスタートするのであれば、まずはExcelでのタスク管理から始めてみましょう。
とお困りでしたら、Excel女子までご相談ください。常駐からスポット派遣まで、プロジェクト管理に精通した有資格者がサポートさせていただきます。
また、書籍化されるほどご好評いただいている「Excel研修」をご用意していますので、自社社員のスキルアップもお任せください。プロジェクト管理を軌道に乗せ、自社プロジェクトの効率化を進めていきましょう。