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MOSの新バージョン「Microsoft 365 Apps」とは?新しく追加される関数の使い方を解説!

2023.01.26

MOSの新バージョン「Microsoft 365 Apps」とは?新しく追加される関数の使い方を解説!

目次

パソコン技術の国際資格であるMOSは、ビジネスのベースとなるofficeソフトの利用スキルを客観的に証明できるうえ、仕事の生産性アップにつながると期待が高まっています。また、MOSの資格取得は社員のスキルアップにも繋がります。

そんな中MOSの新バージョンである「Microsoft 365 Apps」の情報がマイクロソフトのニュースレターや、Certiportのサイトで発表されました。

今回は新バージョンのMOSについて、新しい関数の使い方を中心に紹介します。是非参考にしてください。

EXJ_みずき

監修:みずき さん
EXCEL女子の研修講師をしています。Excel研修では「覚える」だけではなく「理解する」ことで、自身の力としてExcelスキルを身につけられる研修を実施しています。研修をするたびにExcelが大好きになり、Excelってすごい!と実感しています。Excelの他には写真が好きで食べ物や風景を撮影しています!

Microsoft office specialist(MOS)とは

MOS資格とは、Microsoft社のオフィスソフトを扱うスキルの証明資格で、マイクロソフト・オフィス・スペシャリストの略です。Microsoft社が公式認定している国際資格のひとつであり、ソフトの利用スキルを客観的に証明できるため、社会人に必須のPC資格として注目されています。

世界的に信頼度が高い資格として履歴書に記載できるだけでなく、業務効率化のために社内研修の一環として取り入れている企業も少なくありません。

MOSについての詳細は、こちらの記事をご確認下さい。
MOS資格とは?取得メリットや難易度を解説

MOSのバージョンについて

現在日本で受講できるMOSの最新バージョンは2019です。
以前は「Microsoft Office Specialist(Microsoft 365 Apps and Office 2019)」のバージョン名でしたが、2022年9月より「Microsoft Office Specialist (Office 2019)」へ変更になりました。
参照|オデッセイHP『バージョン名変更のお知らせ

こちらの記事では新バージョンの試験について、2023年1月時点での情報に基づき紹介させていただきます。マイクロソフトのニュースレターや、アメリカでリリースされている試験内容や範囲を独自に翻訳したものとなります。日本でのリリース時には、変更がある可能性もありますのでご了承下さい。

新バージョンの情報

CertiportのYouTubeにて最新の試験についての情報発信がありました。こちらは動画の情報をまとめたものになります。

  • 新バージョンの名称は「Microsoft 365 Apps」
  • 試験時間は50分のまま変更なし
  • 科目とリリース時期について(2023年1月時点)
    ※時期については2019の時も延期になったため、今回も大幅な延期の可能性があります。

新バージョンの試験科目

科目 リリース予定
Word 365(Exom MO-110) 2023年春以降
Excel 365(Exom MO-210)
PowerPoint 365(Exom MO-310)
Word 365 Expert(Exom MO-111)
Excel 365 Expert(Exom MO-211)

上記からもわかるように、Access(アクセス)の試験は廃止となり、Accessの置き換えにはPower BIを推奨と動画では語られています。また、Outlookの試験は新しい方法を採用しているので、日付の開示まで時間がかかるという内容も動画から確認ができました。

参照|『Microsoft Office Specialist

参照|Certiport YouTube『Microsoft Office Specialist Microsoft 365 Apps exam』、Certiport HP『Exam releases/languages

アメリカ版の試験の試験範囲については以下のリンクにて公開されています。
参照|Certiport HP『Objective domains

MOS  Excel 365の出題範囲のについて

MOS Excel 365についてアメリカで公開されている試験範囲から関数をまとめました。
範囲の関数は以下の20種類が記載されています。

RANDBETWEEN・SEQUENCE
AVERAGE・MAX・MIN・SUM・IF
COUNT・COUNTA・COUNTBLANK
SORT・UNIQUE
RIGHT・LEFT・MID
UPPER・LOWER・LEN・CONCAT・TEXTJOIN

今回は新たに範囲に加わったRANDBETWEEN・SEQUENCE・SORT・UNIQUEについて、基本的な使い方を紹介します。

RANDBETWEEN関数

RANDBETWEEN関数の基本構文は下記の通りです。

=RANDBETWEEN(最小値, 最大値)

指定された範囲内の整数の乱数を返します。 ワークシートが再計算されるたびに、新しい整数の乱数を返す
  • 最小値:必ず指定します。乱数の最小値を整数で指定
  • 最大値:必ず指定します。乱数の最大値を整数で指定

指定範囲内の乱数を発生させる

【A1】セルに「=RANDBETWEEN(1,10)」と入力すると1から10までの間の整数の乱数が発生します。1から10までの乱数を発生させて下さい。という意味です。 

指定範囲内の乱数を発生

SEQUENCE関数

SEQUENCE関数の基本構文は下記の通りです。

=SEQUENCE (行, [列],[開始],[目盛り])

「開始値」から「目盛り」分ずつ増える「行」×「列」の数列を配列として返す
  • 行:返される行数を指定
  • 列:返される列数を指定し、省略すると「1」となる
  • 開始:数列の最初の数値を指定
  • 目盛り:数列の後続の各あて位の増分値を指定

結果は配列としてスピルを利用して表示される
SEQUENCE関数ではMicrosoft365に新たに追加された機能「スピル」の仕組みが含まれている


スピルについては以下記事をご確認下さい。
スピルとは?Excel(エクセル)の常識が変わる革新的な機能!

開始値から増分地ごとの値を目盛り回数分表示する

Excelで扱う日付データはシリアル値となり、数値データとなります。そのため、SEQENCE関数を使用すると、1週間おきのデータを簡単に作成することができます。

【A1】セルに「=SEQUENCE(10,1,TODAY(),7)」と入力します。今日を開始日として、7ずつ増加する日付を、10行×1列分作成して下さい。という意味です。

開始値から増分地ごとの値を目盛り回数分表示
実際はシリアル値が返されますが、画像は書式設定をして日付と曜日を表示しています。 

SORT関数

SORT関数の基本構文は下記の通りです。

=SORT(範囲,[並べ替えインデックス],[順序],[並べ替え基準])

元データの範囲または配列の文字列を並び替えて取り出す
  • 範囲:元データの参照する範囲を指定
  • 並べ替えインデックス:並べ替えの際に基準となる列・行の位置を、先頭を1として指定
    ※省略した場合、列が指定される
  • 並べ替え順序:並べ替えを"昇順"にしたい場合は「1」、"降順"にしたい場合は「−1」を指定
    ※省略した場合、昇順での並び替え
  • 並べ替え基準:指定した元データが"行"方向の場合は「FALSE」、"列"方向の場合は「TRUE」を指定
    ※省略した場合、行方向を指定

結果は配列としてスピルを利用して表示される

条件を指定してデータを並べ替える

セル範囲【A2:C13】の表を【E2】セルを基準に点数の高い順に並べ替えます。
【E2】セルに「=SORT(A2:C13,3,-1)」と入力します。セル範囲【A2:C13】を3列目を基準に、降順(-1)で並べ替えて下さい。という意味です。 

条件を指定してデータを並べ替える

UNIQUE関数

UNIQUE関数の基本構文は下記の通りです。

=UNIQUE(配列,[列の比較],[回数指定])

重複しない唯一の(ユニークの)データを抽出
  • 配列:抽出する元データの範囲または配列を指定
  • 列の比較:抽出する元データの範囲または配列からユニークの"列"を返したい場合は「TRUE」、ユニークの"行"を返したい場合は「FALSE」を指定
    ※省略した場合、「FALSE」が指定される
  • 回数指定:抽出する元データの範囲または配列で1回だけ出現する値を返す場合は「TRUE」、範囲または配列の重複しないすべての値を返す場合は「FALSE」を指定
    ※省略した場合、「FALSE」が指定される

結果は配列としてスピルを利用して表示される

重複しないデータを抽出する

セル範囲【A2:A13】の項目を【C2】セルを基準に重複しないデータを表示します。
【C2】セルに「=UNIQUE(A2:A13)」と入力します。セル範囲【A2:A13】の重複しないデータを表示して下さい。という意味です。

重複しないデータを抽出する

 

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MOS  Excel 365エキスパートの出題範囲

続いてMOS Excel 365エキスパートについてアメリカで公開されている試験範囲から関数をまとめました。
範囲の関数は以下の29種類が記載されています。

RANDARRAY
IF・AND・OR・NOT・IFS・SWITCH
SUMIF・AVERAGEIF・COUNTIF・SUMIFS・AVERAGEIFS・COUNTIFS
MAXIFS・MINIFS
LET
NPER・PMT
FILTER・SROTBY
XLOOKUP・VLOOKUP・HLOOKUP
INDEX・MATCH
NOW・TODAY・WEEKDAY・WORKDAY

エキスパートの範囲で新たに加わったRANDARRAY・LET・FILTER・SROTBY・XLOOKUPについて、基本的な使い方を紹介します。

RANDARRAY関数

RANDARRAY関数の基本構文は下記の通りです。

=RANDARRAY([行],[列],[最小],[最大値],[整数])

ランダムな数値の配列を返す
  • 行:返される行の数を指定
  • 列:返される列の数を指定
  • 最小:返される最小値を指定
  • 最大:返される最大値を指定
  • 整数:整数を返す場合は「TRUE」、小数を返す場合は「FALSE」を指定

行または列の引数を入力しない場合、RANDARRAY は 0 から 1 の間の 1 つの値を返す
引数の最小値または最大値を入力しない場合は、RANDARRAY はそれぞれ規定値 0 と 1 を設定
結果は配列としてスピルを利用して表示される

範囲に乱数を作成する

【A1】セルに「=RANDARRAY(3,2,1,10,FALSE)」と入力すると1から10までの間の小数の乱数が発生します。3行×2列の範囲に、1~10の小数の範囲で乱数を発生させて下さい。という意味です。 

範囲に乱数を作成する

LET関数

LET関数の基本構文は下記の通りです。

=LET(名前1,名前値1,計算または名前2,名前値2,計算または名前3.....)

計算結果に名前を割り当てる
  • 名前1:最初に割り当てる名前で文字で始まる必要あり
    数式の出力や範囲の構文と競合は使用できません
  • 名前値1:name1 に割り当てられている値を指定
  • 計算:設定した変数を使って結果を返す計算式を指定
    この引数は、結果を返す計算である必要あり

 

LET関数を使用するメリットは以下の通りです。

  • 数式が読みやすくなる
  • 数式が軽くなる

変数を1つ定義し計算する

【A1】セルに「=LET(X,1,X+1)」と入力すると2と返ります。変数Xとします。そのXに1を代入します。変数Xと1を足して下さい。という意味です。

変数を1つ定義し計算
 

変数を2つ定義し計算する

【A2】セルに「=LET(X,1,y,2,X+y)」と入力すると3と返ります。変数Xとします。そのXに1を代入します。変数yとします。そのyに2を代入します。変数Xと変数yを足して下さい。という意味です。

変数を2つ定義し計算する

数式を読みやすくする

実務で活用する場合を考えてみましょう。【D6】セルに以下の条件に基づき成績を表示します。

  • 平均点80以上でA、70点以上でB、60点以上でC、それ以外はE

この場合【D6】セルの数式は条件に基づき結果を表示するIFS関数を使用し、「=IFS(AVERAGE(A6:C6)>=80,"A",AVERAGE(A6:C6)>=70,"B",AVERAGE(A6:C6)>=60,"C",TRUE,"E")」となります。

数式を読みやすくする

この数式の重複している「AVERAGE(A6:C6)」を変数「平均」としてLET関数を使用します。
【E6】セルにLET関数を使った数式を入力します。数式は「=LET(平均,AVERAGE(A6:C6),IFS(平均>=80,"A",平均>=70,"B",平均>=60,"C",TRUE,"E"))」となり、変数「平均」とします。その変数平均に「AVERAGE(A6:C6)」の値を代入して、IFS関数の中で使用します。という意味です。

数式を読みやすくする
 
重複していた「AVERAGE(A6:C6)」がLET関数により変数「平均」に置き換えられ、数式の可読性があがりました。

 

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FILTER関数

FILTER関数の基本構文は下記の通りです。

=FILTER(配列,含む,[空の場合])

選択した配列またはセル範囲から、指定した条件にあうデータを抽出
  • 配列:フィルター処理するセル範囲または配列を指定
  • 含む:抽出する条件を指定
  • 空の場合:指定した条件にあうデータが空のときに返す値を指定
    ※省略した場合、「#CALC!」が指定される

結果は配列としてスピルを利用して表示される


FILTER関数の詳細については、こちらの記事をご確認下さい。
FILTER関数とは?複数条件の抽出に最適!作業効率に差をだす便利関数

条件を指定してデータを抽出する

セル範囲【A2:C13】の表を【E2】セルを基準に「Excel」のデータだけを表示します。
【E2】セルに「=FILTER(A2:C13,A2:A13="Excel")」と入力します。セル範囲【A2:C13】で【A2:A13】が「Excel」のデータだけ表示して下さい。という意味です。

条件を指定してデータを抽出する

SORTBY関数

SORTBY関数の基本構文は下記の通りです。

=SORTBY(配列,基準配列1,[並べ替え順序1],[基準配列2,並べ替え順序2]....)

選択した配列またはセル範囲から、指定した条件にあうデータを抽出
  • 配列:並べ替えの対象となる配列または範囲
  • 基準配列1:並べ替えの基にする配列または範囲
  • 並べ替え順序1:並べ替えに使用する順序で昇順の場合は 1、降順の場合は -1、既定値は昇順

結果は配列としてスピルを利用して表示される

複数条件を指定してデータを並べ替える

セル範囲【A2:C13】の表を【E2】セルを基準に、科目順に並べ替え、科目が同じ場合は点数順に並べ替えます。
【E2】セルに「=SORTBY(A2:C13,A2:A13,1,C2:C13,-1)」と入力します。セル範囲【A2:C13】を【A2:A13】を昇順、【A2:A13】が同じなら、【C2:C13】の降順で並べ替えて下さい。という意味です。

img_excel-microsoft-365-apps_11-1

XLOOKUP関数

XLOOKUP関数の基本構文は下記の通りです。

=XLOOKUP(検索値,検索範囲,戻り範囲,[見つからない場合],[一致モード],[検索モード])

範囲または列ごとに情報を検索し、該当するデータを取り出す関数
  • 検索値:どのデータで
  • 検索範囲:どこを検索して(配列または範囲)
  • 戻り範囲:どの範囲の値を取り出すか
  • 見つからない場合:検索値が見つからない場合何を表示するか
    ※省略した場合、「#N/A」が指定される
  •  一致モード:完全一致か、近似値も検索するか(初期値:完全一致)
  • 検索モード:どのような順序で検索するか(初期値:先頭から末尾)


XLOOKUP関数の詳細については、以下記事をご確認下さい。
VLOOKUP関数はもうさようなら!「XLOOKUP関数」とは?おさえておきたい5つのポイントと使い方

検索値に一致するデータを表示する

【F3】セルを基準に【E3】セルに入力した受験番号の結果を、セル範囲【A2:C7】から検索して表示します。

【F3】セルに「=XLOOKUP(E3,C2:C7,A2:B7)」と入力します。【E3】セルの値「1003」をセル範囲【C2:C7】から検索して、セル範囲【A2:B7】の対応する結果を表示して下さい。という意味です。

結果は配列としてスピルを利用して表示されます。

検索値に一致するデータを表示する

MOS対策もおまかせください

今回は新バージョンのMOSについて、アメリカで公開されている試験範囲を元に、新しい関数を中心にご紹介しました。

当社の「Excel研修」では、MOS対策にとどまらず、MOSの学習内容を現場で生かせる方法を学べます。必要に応じたカスタマイズやオンラインでの実施など、お客様のご要望に沿った研修の実施が可能です。
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