更新日:2024.05.28
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少子高齢化や労働者不足により、多くの企業が業務改善の必要性に迫られています。
しかし「業務改善」といっても、なにから手を付けていいのか、課題をどうやって洗い出せばいいのか困っている担当者も少なくありません。
そこで今回は、すぐに実践できるものを厳選し、業務改善に役立つフレームワークを具体的に10個ご紹介します。
業務改善とは、今ある業務課題を解決するために、経費・業務の削減や、ムリ・ムダ・ムラの排除を行うことです。
どこから業務改善に取り組むか迷ったら、まずは定型化されたフレームワークを用いて課題の整理・抽出を行いましょう。
フレームワークとは、ビジネス課題を分析・整理したいときに役立つ、思考の枠組みのことです。
ここでは業務改善でフレームワークを活用するメリットと重要性についてご紹介します。
フレームワークを取り入れると、漠然と考えていただけでは見つからなかった問題点やボトルネックの全体像を可視化できます。
課題を「見える化」することでチームに共通認識を作ることで、モチベーションを上げ、議論をスムーズに進めることが可能です。
フレームワークを用いることで客観的に課題を整理し、偏りなく会社全体の業務負担を軽減することができます。
その結果、個人業務のスリム化や、マニュアルやFAQ整備による属人化解消、残業削減による労働環境の改善が可能です。
また、業務改善でムダな作業が減り、本来のコア業務に専念できるようになれば、会社全体の生産性向上にもつながるでしょう。
生産性向上について、こちらの記事もご覧ください。
生産性向上とは?業務効率化との違いからメリット、取り組み方法まで解説
フレームワークの手順に沿って業務改善をすすめていくと、さまざまなムダが浮き彫りになります。
たとえば紙の資料を用意する手間や、上司に判子をもらう手間など、慣例として残っているアナログ業務をDX化すれば、ペーパーレス化による経費削減や時間的コスト削減につながるでしょう。
業務改善を進める際、それぞれのフレームワークの特徴をよく理解して最適な手段を選択することが大切です。
ここでは業務改善に役立つフレームワーク10選を、初心者にもわかりやすくご紹介します。
BPMN(Business Process Modeling Notation)は、業務プロセスの課題を発見するときに役立つフレームワークです。
複雑化した業務の流れを図形や矢印などで、誰が見てもわかるようにフローチャート化します。一連の流れを「見える化」できるため、ムダな業務の発見や、システム導入の検討などに効果的です。
業務の見える化について、こちらの記事もご覧ください。
業務の見える化で組織変革!メリットやポイントを解説
業務改善を効率よく進める手順を示したフレームワークです。
それぞれEliminate(ムダな業務やルールの排除)、Combine(似た業務の統合)、Rearrange(業務プロセスの整理)、Simplify(業務の単純化)で、E→C→R→Sの順にすすめることで業務のブラッシュアップを行います。
BPMNで業務プロセスを可視化したのち、実際にどう改善するかを検討するときに活用しましょう。
ECRSについて、こちらの記事もご覧ください。
業務改善のフレームワーク「ECRS(イクルス)の原則」とは?業務の具体例も紹介
自社業務を「利益をうむ主活動」と「ほかの支援活動」にわけ、どの工程がバリュー(付加価値)を生んでいるのかを分析するフレームワークです。
各活動における付加価値とのつながりやリソース分配をチェックできるため、重要度の低い業務のコスト削減や人員配置の検討に役立ちます。
また、バリューチェーン分析の図を用いて自社の「強み・弱み」を洗い出せば、他社との差別化や品質向上のための施策検討にも有効です。
Keep(継続すること)、Problem(課題や改善点)、Try(解決策)で、業務の振り返りを行うためのフレームワークです。
もともとシステムの開発スピードをはやめるため、短いスパンで振り返りと改善を繰り返すための手法として使われていました。
短いスパンでKPTを活用することで現状整理がスムーズになるため、スピード感のある業務改善におすすめです。
ひとつのキーワードから樹形図状に課題を掘り下げて、課題を分析するためのフレームワークです。
よくロジカルシンキングに用いられる手法であり、課題の関連性や全体像をつかむとともに、根本的な原因の解決策を検討できます。
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルを回すことで、継続して業務改善をし続けるためのフレームワークです。
計画から改善までのステップが明確なので、PDCAを日々のルーティンワークに組み込めば同じミスをなくしながら業務改善を進めることができます。
MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)は、モレやダブりをなくして列挙・分類を行うためのフレームワークです。
MECEによるグルーピングではシンプルに分類できるため、根本的な問題を見つけたり、全体像を人に説明する場合にも有効です。
5W2Hとは、以下の7つの要素で効率よくタスク管理を行うためのフレームワークです。
When(いつ)Where(どこで)Who(誰が)What(何を)Why(なぜ)
How(どのように)How Much / How Many(いくつ)
業務改善計画のプランニングを行う場合や、タスク整理などに適しています。
4象限マトリクスとは、タスクに優先順位をつけるためのフレームワークです。
たとえば時間管理では、「重要度」と「緊急度」の2軸で領域を4分割し、各スペースに「緊急&重要」「緊急ではないが重要」「重要ではないが緊急」「緊急でも重要でもない」としてタスクを振り分けます。
ロジカルに優先順位を確認でき、なにから実行すべきか迷った際に役立つでしょう。
行動整理や思考を深めるときに役立つフレームワークです。
仏教の曼荼羅図(まんだらず)に似た3×3の9マスにまずキーワードを入れ、そこから全81マスに放射状にアイデアを派生させることで、考えや情報を整理できます。
ここではフレームワーク導入において注意すべきポイントを4つご紹介します。
QCDとは、生産活動において欠かせない「Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)」の3要素を指します。
このQCDは偏った施策を行うと、品質を重視すれば納期が圧迫され、費用や納期ばかり重視すれば品質の悪化を招くなど、会社全体の生産性を低下させてしまいます。
施策を検討する際には「Q(品質)>C(費用)>D(納期)」の順で優先順位をつけ、バランスよく改善策を行うことが大切です。
「業務改善をする」という曖昧な目標だけでは、目的を見失ってしまいやすく、結局現状の課題とズレた施策ばかり実施することになりかねません。
最適なフレームワークを選ぶためにも、まずは業務改善の目的や課題を明確にし把握した上で、確実に解決につながる施策のみを実行していくようにしましょう。
業務改善をスムーズに進めるためには、現場の協力が欠かせません。
まずは業務改善の目的を現場と共有し、根本的な課題や業務プロセスの現状など、具体的なヒアリングを行いましょう。
収集した情報をフレームワークで客観的に分析するとともに、現場の意見も尊重する姿勢が大切です。
業務改善はすぐに効果が出るものではありません。
即効性のある表面的な施策だけではなく、根本的解決を目指す中長期的な目線でプランニングを行うようにしましょう。
業務改善でフレームワークを活用すれば、ボトルネック発見や業務プロセスの見直しなど、さまざまな分析を効果的に行うことができます。
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