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バックオフィスをBPO!アウトソーシングとの違いや導入メリット、事業者の選び方まで解説

2022.11.17

バックオフィスをBPO!アウトソーシングとの違いや導入メリット、事業者の選び方まで解説

目次

BPOとは業務プロセスを丸ごと委託することで経営の効率化を図る経営戦略です。欧米諸国ではすでに浸透しており、バックオフィスの7割ほどをBPOに移行している企業も少なくありません。

今回はこのBPOについて、アウトソーシングとの違いや市場傾向、メリット・デメリットを詳しく解説します。また、BPOで委託先の事業者を選ぶコツや、失敗しないためのポイントなどをご紹介しますので、BPO導入の検討材料としてお役立てください。

BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは?

BPOとは、自社のノンコア業務を完全に外部に移管することで、コア業務の競争力や生産性の向上を狙う経営戦略です。自社の弱点を補うためというよりも、経営のスリム化や重要業務へのリソース集約を目的としています。

アウトソーシングとBPOの違い

これまでアウトソーシングというと、業務や案件を一時的に委託してリソース不足を補う目的がメインでした。

しかしBPOでは企画から実行、改善までを丸ごと専門業者に一任するため、委託期間や業務の区切りがないという違いがあります。
そのためアウトソーシングはオペレーションを整理すれば導入可能ですが、BPOの導入には根本的なビジネスの経営改革が必要です。

アウトソーシングに関して、こちらの記事もご覧ください。
内製化か?アウトソーシングか?判断のポイントを解説!

BPO市場

株式会社矢野経済研究所が行った調査によると、IT系BPO市場は2兆6,888億円(前年度比2.9%増)、非IT系BPO市場は1兆8,748億9,000万円(前年比3.3%増)と拡大傾向です。

感染症やDXの影響で外注化機運も高まるなか、業務プロセスを一括で依頼するBPO化は今後も加速してゆくと予測されます。

参照 | 株式会社矢野経済研究所『BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2022年)

IT系BPO市場

システムの運用代行や管理業務を行うサービス市場です。

DXや業務効率化によるクラウドサービスの普及やデータセンターの利用拡大などで、このIT系BPO市場を利用する企業は増加し、市場は順調に拡大すると予測されています。

非IT系BPO市場

人事や総務、経理、マーケティングなどを代行するサービス市場です。

人手不足や働き方改革、DX推進などにより需要が高まり、特にバックオフィス業務を対象としたBPO市場は手堅く成長してゆくでしょう。

BPO対象のバックオフィス業務とは

BPO対象の業務は、総務・庶務・経理・人事・労務・コールセンターなどです。

バックオフィスに関して、こちらの記事もご覧ください。
バックオフィスとは?抱える課題と効率化のポイントを解説

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総務・庶務

総務や庶務の部門でBPO対象になるのは、オフィス管理全般です。受付や備品管理、電話の取り次ぎ、書類管理、配達物の集配、補助金の申請などがBPO可能です。

経理

日々の仕訳や経費精算、請求書発行、記帳、売掛・買掛金管理、決算などがBPO対象です。経理は繁忙期に膨大な業務が発生するため、BPOは社員の負担軽減につながります。

また煩雑な業務は外部に任せ、財務諸表の分析と業務改善に集中できるのは企業にとっても大きなメリットです。

人事・労務・採用

人事の業務には労務管理や採用などがあり、どちらもBPOの対象です。
労務関連では年末調整や保険の管理、給与計算、福利厚生など、採用関連では合否連絡や日程調整などの採用代行、入社処理、マイナンバー管理、新人研修などが対象業務です。

BPOのメリット・デメリット

BPOを検討する際に、事前に知っておくべきメリットとデメリットをご紹介します。

メリット

BPOは人手不足の解消やコア業務へ集中できる環境整備、専門家のノウハウを活用した業務品質の向上、社内全体の業務効率化など、さまざまなメリットがあります。

また、経理や人事など法改正の多い部門は、常にシステムのアップデートや専門情報の収集などを行わなければならず自社ですべて対応するとなると手間がかかります。このようなルール改正の心配をしなくてよくなることも大きな利点です。

デメリット

社外のBPO事業者へ委託するにあたって、情報漏洩のリスクやタイムラグ、コミュニケーションコストが増加することがデメリットです。
特にベンチャー企業のように組織体制が頻繁に変化する場合はミスコミュニケーションが発生しやすくなります。

また、自社にノウハウが蓄積しないためBPO解約後の内製化が困難になりがちです。
BPOを導入する際はこのようなデメリットを考慮し、コミュニケーションの取りやすい事業者を選定したり、解約後の対応まで考えておいたりすると安心です。

BPO事業者を選ぶコツ5選

BPO導入を成功させるためには、信頼して事業の一部を委託できる事業者を見極めることが重要です。

情報セキュリティ体制をチェックする

ネットワークが発達した現在では、少しの情報漏洩でも致命傷になりかねません。

BPOでは自社の情報を共有する必要があるため、プライバシーマークやISMS認証などの客観的な証明を参考に、委託先のセキュリティ体制やコンプライアンス意識は慎重にチェックしましょう。

情報セキュリティに関して、こちらの記事もご覧ください。
ITリテラシーとは?DX推進と情報セキュリティに重要な理由を解説

委託したい業務をすべて任せられるか

BPOは事業者によって企業規模が異なるため、委託可能な業務範囲にばらつきがあります。

そのため小さいBPO事業者に依頼すると対応範囲外の業務が発生したり、業務によって複数の委託先に依頼したり、手間が発生するかもしれません。将来のBPO対象の業務範囲を広げたいと考えている場合、事業者の得意分野や実績などを見極めてから依頼するようにしましょう。

BPOにどこまでコストをかけるか

BPOは人件費や設備費などを減らすことができるため、うまく使えば大幅なコスト削減になります。

しかし単に費用対効果の高い委託先を選ぶのではなく、業務範囲やクオリティ、セキュリティ体制などを総合的に判断して適正なコストをかけることが重要です。

業務への専門性や対応可能な範囲は適切か

BPO事業者を選定する場合、委託先がその業務に必要なノウハウを備えているかどうかや、どの範囲まで対応してくれるのかを十分に確認しておかねばなりません。

また、BPO事業者によっては委託された業務を下請けへ再委託していることもあるため、自社で業務を完結させているかどうかも重要なチェックポイントです。

柔軟に対応してくれるか

BPOは外部企業なので、休日や夜間、緊急時、イレギュラー発生時など、柔軟に対応してくれるかどうかも重要なポイントです。
この柔軟性に関しては、BPOの業務を担当するチームの人数や、依頼に応じて業務プロセスをカスタマイズしてくれるかどうかなどで確認しましょう。

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BPO導入で失敗せず成果を出すためのポイント

ここでは確実にBPOで成果を出すためのポイントをご紹介しますので、自社の状況と比較しながらご覧ください。

BPO導入の目的を明確に

まずはBPO導入の目的を明確にしましょう。

なぜBPOを行うのか、アウトソーシングや自社対応ではだめなのか、どの業務をBPOすれば生産性が上がるのか、などを突き詰めて考えることが大切です。このとき人件費や設備費などのコストカットだけに着目しすぎないように注意しましょう。

適正なコストをかけながら、最終的に自社の生産性を高めつつ企業価値を上げることができるように目標設定することが重要です。

組織内の体制を整備 

BPO導入が決定したら社内の組織体制の整備を行います。

課題点の洗い出しや業務フローの整理、BPO事業者とどのようにコミュニケーションを取るかなどを整理しておきましょう。BPO事業者とよりよい協力関係を築けるよう、安定して運用できる体制づくりが重要です。

情報漏えいリスクへの対策

バックオフィスは社内の機密情報や個人情報などを扱うため、情報漏洩などのリスク発生時の対応はBPO契約前に明確にしておくようにしましょう。
BPO事業者へ渡す情報の範囲や、なにか起きた際の責任範囲、報告方法や対応フローの構築など、お互いに合意しておくことが重要です。

業務効率化でお悩みなら、まずはアウトソーシングの活用を

もし業務効率化でお悩みの場合、外部の力を借りることもおすすめです。メリットは大きいもののBPO導入は企業にとって挑戦でもあるため、失敗を恐れてなかなか踏み出せないケースも多くききます。まずはアウトソーシングや人材派遣を活用し、社内の業務効率化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

当社では、ITスキルを駆使した業務効率化のプロである「EXCEL女子」と、DX化支援に強い「VBA女子」「BI女子」が、貴社の悩みに合わせて業務効率化をお手伝いいたします。アウトソーシングや人材派遣をご検討中の際はぜひご相談ください。

 

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