PMO・PSO(補佐含む)
業界別業務効率化事例
公開日:2023.03.23
更新日:2026.09.18

目次
データ入力、転記、集計、資料作成、チェック作業など、事務業務ではExcelを使った定型作業が数多く発生します。
一つひとつは小さな作業でも、毎日・毎週・毎月繰り返していると、大きな業務負担になります。
Excel業務を効率化するときに重要なのは、いきなりVBAや高度な自動化へ進むことではありません。
「手作業を減らす → ミスを防ぐ → 集計を仕組み化する → 繰り返し処理を自動化する」という順番で考えると、自社の業務に合った改善方法を選びやすくなります。
この記事では、Excelを使った事務作業を効率化する7つの方法を、取り組みやすい順に解説します。関数やピボットテーブルだけでなく、Power Query、VBA、生成AI・Copilotを活用する方法まで紹介します。
すべてのExcel作業を自動化する必要はありません。
まずは、次のような業務がないか確認してみましょう。
| よくある作業 | 効率化の例 |
|---|---|
| 同じ内容を何度も入力している | 効率化の例 入力規則・マスター参照 |
| 別ファイルから毎回コピー&ペーストしている | 効率化の例 Power Query・VBA |
| 毎月同じ集計表を作っている | 効率化の例 関数・ピボットテーブル |
| 入力ミスを目視確認している | 効率化の例 入力規則・条件付き書式 |
| 複数のCSV・Excelを毎回まとめている | 効率化の例 Power Query |
| ボタン操作や転記手順が毎回同じ | 効率化の例 VBA・マクロ |
特に、「頻度が高い」「手順が決まっている」「判断が少ない」業務ほど、効率化の効果が出やすくなります。
まずは、Excelに標準搭載されている機能を使って、手作業そのものを減らします。
たとえば、
といった方法です。
1回あたり数秒の短縮でも、毎日何十回も行う操作であれば年間では大きな差になります。
入力後に間違いを探すより、最初から間違えにくい仕組みにする方が効率的です。
部署名、担当者、ステータスなど、選択肢が決まっている項目は入力規則でプルダウン化できます。
また、条件付き書式を使えば、
などを自動的に目立たせることができます。
「チェックする作業」を減らすことも、重要な業務効率化です。
Excel関数を使うと、これまで手作業で行っていた検索や集計を自動化できます。
| 関数 | できること | 活用例 |
|---|---|---|
| XLOOKUP | できること 別表から対応するデータを検索 | 活用例 社員番号から部署名を表示 |
| SUMIFS | できること 複数条件で合計 | 活用例 部署・月別の売上集計 |
| COUNTIF・COUNTIFS | できること 条件に合う件数を集計 | 活用例 対応済み案件数の集計 |
| FILTER | できること 条件に合う行だけ抽出 | 活用例 未対応案件だけ一覧化 |
| UNIQUE | できること 重複を除いた一覧を作成 | 活用例 取引先一覧を自動生成 |
| IFERROR | できること エラー時の表示を変更 | 活用例 検索結果がない場合に空欄表示 |
たとえば、社員番号から氏名を検索する場合は、次のような数式を使えます。
=XLOOKUP(A2,マスタ!A:A,マスタ!B:B,"")
一度数式を設定すれば、元データが変わっても自動的に結果が更新されます。
大量のデータを部署別、担当者別、商品別、月別などにまとめたい場合は、ピボットテーブルが便利です。
関数を大量に設定しなくても、項目をドラッグ&ドロップするだけでクロス集計できます。
たとえば売上データから、
などを素早く確認できます。
毎月届くCSVを開いて、不要列を削除し、形式を整え、別のExcelへ貼り付ける。
このような作業を繰り返している場合は、Power Queryが向いています。
Power Queryでは、一度データ処理の手順を設定しておけば、次回からは元データを差し替えて「更新」するだけで同じ処理を実行できます。
特に、
といった業務との相性がよい機能です。
関数やPower Queryだけでは対応しにくい一連の操作は、VBA・マクロによって自動化できる場合があります。
たとえば、
といった処理です。
ただし、複雑なVBAを一人だけが管理していると、新たな属人化につながる可能性があります。
自動化するときは「作れるか」だけでなく、「誰が保守するか」まで決めておくことが大切です。
生成AIやCopilotを使い、Excel作業そのものを効率化する方法も広がっています。
たとえば、
といった使い方があります。
ただし、生成された数式やコードが必ず正しいとは限りません。重要なデータを扱う場合は、結果を人が確認したうえで利用しましょう。
| 困っていること | まず試したい方法 |
|---|---|
| 入力に時間がかかる | まず試したい方法 テーブル、入力規則、オートフィル |
| 検索・集計を毎回手作業している | まず試したい方法 関数、ピボットテーブル |
| 毎月同じCSVを加工している | まず試したい方法 Power Query |
| 複数の操作を毎回同じ順番で行う | まず試したい方法 VBA・マクロ |
| 数式やコードの作成に時間がかかる | まず試したい方法 生成AI・Copilot |
| 何から改善すればよいか分からない | まず試したい方法 業務棚卸しから開始 |
重要なのは、最も高度な方法を使うことではありません。
一番簡単な方法で、目的を達成できる仕組みにするのが理想です。
Excel業務の改善は、次の順番で進めると失敗しにくくなります。
① 整理 → ② 標準化 → ③ 効率化 → ④ 自動化
まず、現在どのような作業をしているか整理します。
次に、ファイル構成や入力ルール、作業手順を統一します。
そのうえで関数やPower Queryなどを使って効率化し、繰り返し作業が多い場合はVBAなどによる自動化を検討します。
複雑な業務を整理しないまま自動化すると、複雑な仕組みをそのまま固定してしまうことがあります。
自動化の前に、「そもそもこの作業は必要か」「もっと簡単な方法はないか」も確認しましょう。
Excelは柔軟なツールですが、すべての業務に向いているわけではありません。
次のような状況では、別のツールやシステムを検討した方がよい場合があります。
また、業務量そのものが多い場合は、ツールだけでなく業務を外部へ切り出す方法もあります。
「Excelを使い続けること」が目的にならないよう、現在の業務量や利用人数、今後の運用まで考えて判断しましょう。
EXCEL女子では、全国180店舗以上を展開する飲食チェーン本部で、営業データの集計業務を支援した事例があります。
現場では、複数システムからCSVを取得し、Excelへ貼り付け、不要列の削除、並び替え、転記を行う作業を毎月繰り返していました。
さらに作業手順が特定の担当者に依存しており、転記ミスや引き継ぎも課題となっていました。
そこで、まず業務手順を整理してマニュアル化。そのうえでVBAマクロを導入し、定型的な集計処理を自動化しました。
その結果、毎月約3時間かかっていた集計作業を約1時間まで短縮し、後任でも対応しやすい運用へ改善しました。
Excelを使った業務効率化というと、VBAや高度な自動化をイメージするかもしれません。
しかし実際には、入力規則を設定する、関数で転記をなくす、ピボットテーブルで集計する、といった小さな改善でも十分な効果が期待できます。
まずは、日常業務の中で繰り返している作業を見つけましょう。
そのうえで、
という順番で考えると、自社に合った方法を選びやすくなります。
EXCEL女子では、Excelを使った日常業務の支援から、複雑化したファイルの整理、自動化、属人化解消まで、現場に合わせた業務改善を支援しています。