更新日:2024.05.13
目次
金融業界において、BIツールやVBAを使った業務効率化がトレンドになりつつあります。
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールはデータを効率的に分析して視覚化できるシステムのこと、VBAはExcel作業を自動化するためのプログラミング言語のことです。
金融業界は膨大なデータを正確に処理する業務が多く、迅速にデータ分析からレポート作成までを行ってくれるBIツールやVBAと相性が良いことが知られています。
そこで今回は、金融業界でどのようにBIツールやVBAを活用すべきなのか、便利な機能や連携方法などの基礎知識を詳しく解説します。
まずは、金融機関で役立つBIツールの具体的な機能を3つご紹介します。
BIツールは、リアルタイムで膨大なデータの分析・可視化ができるツールです。
金融機関は日々個人情報や取引・預金履歴など大量のデータを扱うため、様々な情報を一元管理できるBIツールは非常に役立ちます。
実際に沖縄銀行がマイクロソフト社のPower BIを導入し、アンケート結果の分析業務に応用し、スムーズなデータ可視化を実現したことも話題になりました。
BIツールは専門知識なしでも多角的なリアルタイムデータ分析が行えるため、生存競争の激化する地方銀行にとっても大きな強みになるでしょう。
BIツールは、単なる分析以外にもデータから未来を推測する「予測分析」機能が備わっています。
これまで予測分析はデータサイエンティストによる高度な統計・分析力が必要でした。しかし、BIツールを使えば誰でも客観的情報に基づいた未来予測が出来るようになります。
例えばBIツールでは、売上予測はもちろん顧客ニーズや市場動向の予測、不正アクセスや情報漏えいのリスク検知など様々な機能が設計できます。どれも、変動の激しい金融業界で役立つ機能ばかりです。
様々なプラットフォームと連携できることも、BIツールのメリットです。
例えば前述した「Power BI」は、Microsoft Teamsと連携することで、部門・支店間の距離を超えたリアルタイムな共同作業も実現できます。
また、金融業務をクラウドで一括管理できれば、新型コロナウイルスの発生から金融業界が苦心しているテレワーク導入もスムーズに進むでしょう。
次に、Excelのプログラミング言語であるVBAの機能を3つ見ていきましょう。
VBAやマクロを使えば、Excelで行うデータ集計などのルーチンワークを簡単に自動化することができます。そのため、銀行や証券などを扱う金融業界ではぜひ使いこなしてほしい機能のひとつです。
例えば、VBAは一度設定すれば同じ処理を自動的に繰り返してくれるため、膨大な時間をかけていた5万件の金融データ処理が30秒に効率化した実例もあります。
プログラムというと難しく感じるかもしれませんが、マクロはExcelの基本機能であり、少し学習すれば誰でも扱えるようになることもメリットです。
バグやエラーの発生時に必要なのが、エラーハンドリング(エラー発生時の指示)とデバック(エラー修正)の技術です。初心者にとっては難易度が高く感じられますが、実はVBAを使えば非IT職のスタッフでも簡単に設定できます。
例えばVBAの代表的なエラーハンドリングは「On Error Resume Next」という指示です。エラーを一時的に無視してマクロが止まることなく処理を完了させてくれます。
また、ユーザーが世界中に存在するためデバックに必要な知識もネットで探しやすいこともVBAのメリットです。
Excelデータが大量だと、セルを毎回移動しながらデータ編集を行うのは大変です。
その点、VBAのユーザーフォームを使えば自由に入力フォームをデザインできるため、入力ミスやセルの移動などの手間を削減できます。
作成したユーザーフォームは共有できるため、社内やチーム全体の業務効率化につながります。VBAに慣れてきたら、ぜひユーザーフォーム作成にも挑戦してみましょう。
実はBIツールとVBAを連携すれば、金融業界で必須のデータ分析業務やレポート作成作業をさらに効率化できます。
BIツールの「膨大なデータ処理・分析・視覚化」とVBAの「Excel内作業の自動化・複雑なデータ処理・計算の高速化」という得意分野を掛け合わせることで、様々な業務に応用可能です。
BIツールで分析したデータをExcelにエクスポートし、VBAを使ってレポート作成を自動化することができます。
手作業でのデータ処理やレポート作成がなくなるため、作業時間を大幅に削減することが可能です。
VBAで設定すればExcelからBIツールへのデータアップロードを自動化できます。
すると、データ更新や分析などをタイムラグなく行うことができるため、データ処理の精度を高めることができるでしょう。
BIツールだけではできないことでも、VBAと連携すれば様々な機能を追加することができます。
例えば、特定の分析結果がでると通知がくる「自動アラート機能」などもVBAで作成可能です。
金融業界は膨大なデータを正確に処理しなければならないため、BIツールやVBAをうまく連携させてカスタマイズすることが大切です。
BIツールやVBAで急に業務を自動化しようとしても、なかなかうまく進みません。
まずは具体的にどのような業務を自動化できるのか知り、自社業務に落とし込んでいく必要があります。
ここではBIツールとVBAを活用した金融データ分析でできることを4つご紹介しますので、参考になさってください。
金融業界は膨大なデータを扱います。市場データ、取引データ、顧客データなど様々な種類のデータの一元管理・抽出に、BIツールはぴったりです。
また、VBAと連携すればExcel内でのデータ整理や加工を自動化することも可能です。
BIツールでは、データのフィルタリングや集計、ソートなどの基本的な分析機能のほかに、トレンド分析、予測分析、相関分析などの高度な分析機能も備えています。
データは管理しているだけでは意味がありません。データをかけ合わせてはじめて有益な情報を引き出すことができるため、積極的にBIツールを使って経営分析を行うことが大切です。
データのグラフ化・ビジュアル化は、BIツールの得意分野です。
強力な可視化機能を活用することで、ダッシュボード上に様々な分析結果のグラフを配置することができます。
ひと目で直感的にデータの傾向やパターンがわかるため、経営判断の迅速化・効率化につながることは大きなメリットです。
BIによる分析結果は、VBAを使って自動でレポート化することができます。
これまでレポート作成には、データ分析結果を一度Excelに貼り付けてグラフに変換する手間がありました。しかし、こういったレポート作成作業を自動化できれば、作業時間が大幅に削減できます。
データ分析のようなコア業務に時間を割けるようになれば、今以上に生産性を高めることができるでしょう。
金融業界において迅速かつ正確な意思決定を可能にするには、今後データ分析やレポート作成などの中核業務の効率化が求められるでしょう。
しかし、Excelでのデータ処理や集計など日々の情報整理から、顧客データ分析、リスク管理、各種レポート作成に至るまで、効率化・自動化すべき業務は多岐にわたります。
もし「データ分析の精度を向上させたい」「業務効率化のやりかたがわからない」とお困りの方は、一度BIツールとVBAの連携をお試しください。
基本的な操作方法から高度なスキル獲得まで継続して支援しますので、ぜひBIツールやVBAの使い方をマスターしましょう。
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