更新日:2024.05.28
目次
「脱Excel」と「活Excel」とは、現場のExcelの利用範囲を見直すことで業務効率化をはかる手法です。
実はExcelは汎用性が高い一方、本来の「表計算ソフト」以外の業務で使用することで、かえって効率を下げてしまうケースもあります。
そこで今回は、脱Excel・活Excelの基礎知識からメリット・デメリット、社内での進め方についてわかりやすくご紹介します。
Excel業務の効率化に困っている方や、新しいツールの導入に迷っている方は、ぜひこの記事を参考にExcelの活用方法を見直してみましょう。
「脱Excel」と「活Excel」は、Excelに依存している業務の見直しを行い、企業課題の解決を目指す取り組みのことです。
「脱Excel」では、社内の既存業務においてExcelの利用をやめ、適切な専門のシステムへ移管することで業務効率化を目指します。
その一方「活Excel」では、Excel運用がうまくいっている分野はそのままに、Excelの苦手分野にのみ専門システムを導入し、Excelと他ツールを併用することが特徴です。
脱Excel・活Excelに注目が集まる理由のひとつが、Excelの深刻な属人化問題です。
近年、転職やテレワークなど働き方が多様化するなか、複雑なマクロやVBA機能のブラックボックス化、情報共有やファイル管理の難しさなど、Excelが業務標準化を妨げているケースが少なくありません。
また、近年ではDXの高まりもあり、Excel以外にも専門性や利便性の高いツールが多数開発されていることも、脱Excel・活Excelを後押ししています。
同時編集や大量データの処理に弱いなど、課題の残るExcelを使い続けること自体が問題視されるようになっているのです。
脱Excelでは、社内のExcel業務を大幅に減らし、他の最適なシステムへ移管します。
ここでは、この脱Excelのメリット・デメリットをご紹介します。
脱Excelが実現すると、データ共有の効率化、ファイルのカスタマイズや管理工数の削減、属人化の解消など、多くのメリットがあります。
Excelはカスタマイズ性が高く便利ですが、もともとがローカルファイルの表計算ソフトなので、リアルタイムでの入力反映や膨大なデータ処理には向きません。
このような課題は、専用のBIツールやCRM(顧客管理システム)、WEBデータベースを導入すれば、すべて解決します。
BIツールに関して、こちらの記事もご覧ください。
BIツールとは?主な機能や活用例、おすすめツール3選もご紹介!
脱Excelのデメリットは、Excelに代わる新規ツールの導入コストが必要なことです。
ツールの購入費用はもちろん、操作方法の研修、業務フローの変更など、定着するまで一時的に現場の作業量や負担が増加することを頭に入れておきましょう。
活Excelでは、Excelと新規ツールを併用しながら業務効率化をすすめます。
ここでは、この活Excelのメリット・デメリットをご紹介します。
活Excelでは部分的にExcel業務を残すため、これまで社内で蓄積したナレッジを活かしつつ、最低限のコストで業務効率化をすすめられます。
Excelの良さも残しつつ、苦手分野のみを専門ツールに移管することで、トレーニングコスト削減や現場の負担軽減にもつながることは大きなメリットです。
活ExcelではExcelを使った業務の属人化問題やデータの管理・更新問題など、根本的な解決につながりません。
そのため活Excelを行う場合は、Excelによる業務課題の発生を防ぐため、事前対策やExcel活用範囲を十分に検討することが大切です。
「脱Excel」か「活Excel」かを選ぶには、まずExcelの得意と苦手を把握し、自社業務課題を明確にすることが大切です。
ここでは脱Excelか活Excelか決める手順を解説します。
Excelはもともと表計算ソフトなので、大前提として「適した業務」と「適さない業務」があります。
たとえばExcelが得意なのは、データの集計・分析・抽出、帳票作成、グラフ・表・レポート作成、マクロによる定形業務の自動化などです。
反対に、複数人によるリアルタイム編集、大容量のデータ処理、データ統合、アクセス権限や履歴・バージョン管理、レイアウト作成などは苦手です。
ルーティン作業の自動化について、こちらの記事もご覧ください。
Excel(エクセル)やVBAでルーティン作業を自動化!集計からレポート作成を効率化する方法を解説
次に「現場がどの業務にExcelを使用しているか、困っている課題はなにか」を洗い出します。
そのデータをもとに、「その業務は本当にExcelでなければならないか」「課題を解決するためには脱Excelと活Excelのどちらが最適か」を検討しましょう。
まず脱Excelすべきなのは、Excelを苦手分野で利用してるケースです。よくあるのがExcelでの方眼紙作成や手書き用フォーマット作成などでしょう。
また、Excelでマニュアル作成をしたり、ガントチャートでプロジェクト管理をしている場合も、専用ツールを導入したほうが利便性も高く視覚的にもわかりやすくなります。
Excelを得意分野で活用できている場合は、活Excelを検討します。
たとえばマクロや関数を使ってデータ集計や経理作業を自動化している場合は、現時点で問題がなければ、そのままExcelを使い続けたほうがよいでしょう。
しかし、もしデータ量が膨大な場合や属人化しかけているなど、少しでも課題が発生しそうな場合は脱Excelを目指すのも有効です。
ここでは、脱Excelにおいて知っておきたい専門ツール・システムをご紹介します。
解決したい自社課題に合わせて、最適なツール選定にお役立てください。
Googleの提供する、クラウドサービス型の表計算ソフトです。
Excelに似た操作感でマクロや関数などを扱うことができるほか、オンライン上に自動保存されるため、ネット環境さえあれば、どこからでもリアルタイムで編集・更新できます。
Googleスプレッドシートについて、こちらの記事もご覧ください。
いまさら聞けないGoogleスプレッドシートテクニック!Excel(エクセル)にない便利な機能も使いこなして業務効率化
営業などで扱う顧客リストを管理する専用ツールです。
マーケティングのMA(マーケティングオートメーション)と連携したり、商談履歴や進捗など、あらゆる顧客情報を効率よく共有できます。
顧客情報を一元管理すれば、データの集計や分析などがスムーズになり、生産性向上にも最適です。
プロジェクトの進捗やタスク、情報、スケジュールなどを一括で管理できるシステムです。
特に部門間を横断するようなプロジェクトでは、専用システムを導入することで、情報共有を効率化し、マネジメントの負荷軽減をはかることができます。
売上や原価、経費などの予算情報をまとめて管理できるシステムです。
あらかじめ予算を設定すれば自動でモニタリングしてくれるため、経営層へのレポートの手間がはぶけたり、予算編成の人員削減、スムーズなKPI分析にもつながります。
脱Excelも活Excelも、最終的な目的は課題解決と業務効率化です。自社の現状や課題にあわせ、脱Excel・活Excelをバランスよく検討していくようにしましょう。
もしExcelの活用方法や、脱Excel・活Excelについてお悩みの方は、業務効率化のプロである「EXCEL女子」までご相談ください。
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